お子ちゃま

2002年11月20日
 更新時間のことを全く考えておらず、ドラフト会議のネタが書けない。
 だって、まだ始まってないんやもん(苦笑)。
 ということで、今日の日記は…。

 まず、立命館大の村田智徳。
 村田は好きな投手の一人である。
 細身の体をいっぱいに使って、右腕のしなりが利いた投球フォームで、キレのある速球、大きくブレーキの利いたカーブに鋭いスライダー。また、カウントを取るフォーク、三振を奪いに行くフォークを投げ分けるのは魅力的だ。特にカーブに関しては
「修正するところはほとんどないっすね」
 と、村田自身が豪語する程、完成度は高い。
 蓄積された疲労などもあったのか、村田は今秋のリーグ戦は本来の持ち味を発揮出来ず。2戦目の先発や中継ぎ、抑えなどに回ったこともあり、最後にプロ球団へ猛アピールと行かなかったことは非常に残念で仕方がない。しかし、3年生春は大車輪の働きでMVPを獲得。立命館大を神宮に導いた実績の持ち主だけに、リストアップしている球団は多いはずだ。
「正直言うと“お楽しみ”みたいな感じですよ。プロ志望を表明しましたけれども、指名されるかどうか分かりませんもん。卒業せんことには社会人野球にも行けないっす。今も学校来て、授業を受けていたんすから。明日、自分はどうなるんすかねぇ?」
 あまり前向きなコメントではないが、受話器の向こう側の声はいつもと同じで快活。そう、僕の知る限り、村田はいつも明るい。
 
 3月初旬。僕は村田にインタビューする機会があった。ただ、村田がどのような性格か分からなかったので、事前に女子マネージャーの吉秋絵菜に尋ねていたのだ。
「村田君って、どんな感じなんかな? 冗談とか通じる?」
「ええ、大丈夫ですよ。村田は“お子ちゃま”ですからね」
 以来、吉秋の言った“お子ちゃま”というキーワードが村田と重なり、離れない。

「ちわっす! 今日は絶対に勝ちますから、ちゃんと観ていて下さいね」
 試合前、僕のことを見掛けると必ず駆け寄って来ては無邪気な笑顔を見せる村田。
「もう干されてますわ。でも、頑張ります。このまま終われないっすから」
 今秋、不調時に会った際も、悔しさを胸に秘めながらも明るく接してくれる強さがある。
 
 グラウンド上の村田は表情豊かだ。
“打てるもんなら打ってみろ”と負けん気を全面に出して、力投する。アウトを取れば雄叫びを挙げ、ガッツポーズ。タイムリーヒットを打たれようものならば、マウンドの土を大きく蹴り上げ、ロージンバックを叩き付ける。また、バッティングはお世辞にも良いとは言えないが、ネクストバッターズサークルにいる時から気合いの入った素振りを繰り返し、バッターボックスでは打ちたくて仕方がないという雰囲気で溢れている。
 野球選手がグランド上で感情をあらわにすることを良く思わない人間がいる。分からなくもないが、村田のそれは純粋な野球少年のように映る。嬉しい時は嬉しい。悔しい時は悔しい。感情を素直に表現するのも野球に限らないスポーツの楽しみだということを再認識させてくれる。そういう意味では、いつまでも“お子ちゃま”のままでいて欲しいんだな。

 ドラフト会議で村田の名前が呼ばれることを楽しみにしている。もし、呼ばれなかったとしても、まだチャンスはある。“お子ちゃま”精神でチャレンジだっ!

 次に、元スワローズのロベルト・ペタジーニ外野手。(って、いつの間にか外野手になっていた)
 夕刻、正式にジャイアンツ入り決定のニュースが報じられた。
 金銭的な条件に言及するつもりは毛頭ないが、ペタジーニのジャイアンツ入りには疑問を感じざるを得ない。松井秀喜の穴を埋めることが目的と言うが、チーム構成上(ポジション的な)、本当にベストな人選なのか? そのうち、セ・リーグも“指名打者制度導入”なんて言い出しそうやわ…。

 最後はカープの黒田博樹投手。
 スポーツ新聞の《球界情報》に、
『18日午前4時38分、広島市内の病院で黒田と雅代夫人との間に第一子となる女児(3246g)が誕生。母子共に健康』と、記されていた。
 僕は“迷惑かな?”と迷いつつも、祝福したい気持ちを抑えられずに黒田の携帯電話を鳴らした。電話はワンコールしただけで、すぐに黒田の男らしい低い声が聴こえた。
「もしもし黒田です。ごぶさたしています」
「ドーモ、島尻です。今、大丈夫? 新聞読んだよ。おめでと〜う」
「ありがとうございます。何て言ったら良いか分からないんですけれども、とにかく嬉しくて、嬉しくて。メッチャ可愛いですわ」
「良かったなぁ。また、これで励みが出来たねぇ」
「はい、子供の為にも頑張りますよ。また、大阪(黒田の実家は大阪)に帰る時は連絡入れますんで」
「ゆっくりメシでも食べようか」
「そうしましょうっ」
 
 黒田は今年、最愛の母親を失った。さらに自身も疲労性の腰痛を患い、開幕早々に戦線離脱。心身共に苦しいシーズンであった。それでも、
「最低のノルマですからね」
 と、2年連続となる2桁勝利(10勝)をマーク。立ちはだかる壁から逃げることなく、真っ向勝負を挑む黒田の投球スタイルは“生き様”が感じられる。さらなる飛躍を目指す来季。二世の誕生はきっとプラスの力に変わるだろう。そう信じている。

 それにしても、最近、食事の約束ばかりしているなぁ(笑)。
 京都産業大のマネージャー・柿内康平からの
「関西学生と関西六大学のマネージャーを集めて、マネージャー会(忘年会)をしましょうよ」
 という素晴らしい提案もある。

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