近畿大バッテリー

2003年1月4日
 いやぁ〜、気が早いことこのうえない。今朝の大阪日刊スポーツ。
『近畿大バッテリー・そろって03年ドラフト自由枠候補』
 と、新主将になった田中雅彦捕手、151?右腕の糸井嘉男投手の特集記事が載っていた。
 この2選手、当然、プレーも観ているし、取材をしたこともある。


 田中雅はスピード感溢れる捕手だ。動きは軽快だし、スローイングも正確。そのうえ、キャッチングも巧い。聞けば、
「小学生の時から、ズーッとキャッチャーなんですよ。せやから、誰にも負けない自信はあります」
 とのこと。
 近畿大入学後、1度、外野手への転向を勧められたこともあったらしいが、頑なに拒んだという話しも聞かせてくれた。

 気の強そうな眼付きから、僕は田中雅を“イキッている奴”というような印象を抱いていたのだが、名門・PL学園高出身らしく“目配り”、“気配り”、“心配り”を忘れない選手。会話をしていても伝わって来るし、試合の随所で見受けられる田中雅のちょっとした仕草にも、それは表れている。
 打撃面でも地道なトレーニングでパワーアップを図り、昨年は春・秋のリーグ戦を通じてハイアベレージをキープ。また、選球眼も良いし、バントが非常に巧い。
「サインが出ていなくても、自分の判断で送りバントをすることは多いですね」
 と、語った後に
「打率が下がらない秘訣でもあるんですよ」
 まだ幼さの少し残るあどけない笑顔で、付け加えてくれたのが印象的だ。

 慢心することなく、今年も“田中雅らしさ”を存分にアピール。そして、前評判に違わぬ活躍をして欲しい。174cmと小柄ではあるが、“野球への情熱”はビッシリと、詰まっている。大学球界NO.1捕手に要注目!


「是非、コイツを取り挙げて下さいよ」
 近畿大に取材へ行く度、榎本保監督が背伸び気味に肩を抱き、僕の目前に連れて来るのが糸井である。
 
 宮津高時代、甲子園出場経験こそないが、185cmの長躯に、図抜けた身体能力に恵まれており、ストレートは最速151?を計時する。
 しかし、リーグ戦デビューは昨春と、決して早くない。また、試合ではボールを置きに行く傾向が強く、自慢のストレートも140?台前半がアベレージである。
「もっと腕を振ったら、ええのになぁ」
 僕は何度、ネット裏で呟いたことか。

 取材時、別にオドオドしている訳ではないのだが、糸井は大きな体を折りたたむようにして、チョコンとソファに座っていた。言葉も慎重に選ぶ。きっと、そういう性格なのだろう。
 糸井の“素材の高さ”は認めるが、今後の課題は“マウンド度胸”のように思える。多少、制球に難があるとしても
「俺はプロ注目のピッチャーなんやで。打てるもんなら打ってみぃ」
 相手を見下すくらいの気持ちでマウンドに登って欲しい。エースと呼ばれる投手は、調子が悪い時でも“顔と名前”で投げることが出来る。身近なところで言うと、同学年でチームメートの大型左腕・野村宏之投手がその典型だ。Wエースとして、お互いに切磋琢磨。糸井にはさらに輝きを増して貰いたいものだ。

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