調整は順調?

2003年2月10日
 夕刻、用事があったので、野球評論家・金村義明に電話を掛けた。金村は現在、プロ野球12球団のキャンプ視察で走り回っている。
「おぉ、もうクタクタや。今は宮崎におるでぇ。ジャイアンツを観て来たわ」
 と、金村の声は少々、疲れ気味なように感じた。まぁ、朝早い時間から取材。夜は飲みながら、多岐に渡る人脈の中で情報収集に励んでいるよう。選手時代から、移動やホテル暮らしに慣れているとは言え、1ヶ月にも及ぶ“長期戦”は心身共に応えるようだ。

 話しがセ・リーグの話題になると、
「カープの新井(貴浩内野手)がええなぁ。もう“一本立ち”言う感じや。スワローズのガン(岩村明憲内野手)はチームリーダーの風格が漂い始めているで。どのメニューでもグイグイ引っ張っているわ。ベイスターズは新外国人(スティーブ・コックス内野手)の故障が痛い。日本向きの選手やと、感じただけにな。でも、ライオンズから移籍して来たデニー(投手)、サメ(中嶋聡捕手)がムードメーカーになっている。あと、古木(克明内野手)が目立っとった」
 などと、一気に金村はまくし立てた。やはり、12球団を回っているだけに話しがポンポンと、出て来る。そして、圧倒的な戦力を誇るジャイアンツについては
「キヨ(清原和博内野手)が心配やな。屋外でフリー打撃もしとったけれども、故障で満足にダッシュも出来ていないから、体にキレがない。評論家として観るんは4年目やけれども、正直、今年が一番良くないんと違うか。頑張って欲しいねんけれども、シーズンを通して、四番打者を張るんは難しいかも知れんな」
 清原のことに終始した。

 僕はジャイアンツファンという訳ではないのだけれども、清原はどうしても気になってしまう存在。
 物心付いた時から、甲子園(PL学園高時代)で活躍していたし、その後、プロでのプレーもズーッと、観ている。間違いなく、清原は僕らの世代を代表するスーパースターである。現に、〜30歳くらいまでの現役選手の大半は一様に
「清原さんだけは別格だね。オーラが違う」
 というようなコメントを残す。
 また、清原は“無冠の帝王”とも呼ばれるが、勝負所での圧倒的な勝負強さはピカイチ。群を抜いている。野球の魅力を存分に引き出してくれる選手だ。

 左足の太腿、ふくらはぎに不安を覚えながら、キャンプを送っている清原自身が一番ジレンマを感じているだろう。清原というビッグネームに加えて、注目が集まるジャイアンツに所属しているから、なおさらである。しかし、僕が言うのもなんだが、ここで焦りは禁物。勝負はキャンプでの仕上がり具合(良いに越したことないけれども)ではない。シーズンに入ってからなのだ。スポーツライター的視点ではないが、僕はまだまだ清原のバットに夢とロマンを感じていたい。

 プロ入り18年目という経験を活かして、是非、清原にはシーズンで結果を残して欲しい。そうなれば、今キャンプの調整は順調であった。そう胸を張って、言えるのだから。
 ただ、ちょっと心配。今シーズンこそは100試合以上、出て貰わんと…。

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