クラブチーム
2003年3月8日 ローカルネタで申し訳ない。
僕の住んでいる兵庫県・西宮には、社会人野球の大阪ガス(以下、大ガス)が練習している専用グラウンドがある。しかし、大ガスは大阪市のチーム。
ちなみにNTT西日本(以下、N西)も大阪市のチームであるが、京都・淀のグラウンドで練習を行っている。
恐らく、西宮、淀の住民でこのことを知っている人間はほとんどいないだろう。尚、大ガスもN西も
「みなさんの街でウチの野球部は練習していますよ」
と、アピールもしていない。それは恐らく、
「そんな立派な施設があるんかいな? そこに金を掛ける余裕があるんやったら、料金(ガス代、電話代)をもっと下げろやっ!」
という声が出て来るからだ。
バブルの崩壊、景気低迷のあおりを受けて、社会人野球の企業チームは減少の一途をたどっている。まぁ、このことを言及して行くと長くなるので、詳細は省かせて貰う。この日記、3,000字以内やからな…。
企業側はスポーツ(ここでは野球)を通じての人間形成、社員の士気高揚といった目的があって、チームを持っていると言う。ただ、それは大義名分であって、本音では企業の広告塔として見ているところもある。だから、経費削減という観点に立った時、その対象となり休廃部へと追い込み易いのではないだろうか。
「野球部にはこれだけお金を費やしているのに…。成績も悪いし、存続させるメリットはないな」
休廃部になった全てのチームに当てはまる訳ではないだろうが、多少はこの辺も影響しているはず。実際に、そういう声を聴いたことがある。
毎夏、東京ドームで開催されている都市対抗野球大会は、社会人野球の一大イベントだ。
歴史と伝統があり、数え切れない名勝負、名場面が生まれ、スター選手も輩出した。個人的な思い出になってしまうが、佐藤和弘外野手(パンチ佐藤、当時は熊谷組に所属)のサイクルヒットも目の当たりにしたし、野茂英雄投手(ドジャース)のトルネード投法を初めて見たのも都市対抗であった。
昨年も都市対抗の全試合を観戦。色々なシーンが思い浮かぶけれども、一番、嬉しかったのは高校時代の先輩・竹間容祐外野手(日本生命、松下電器の補強選手として出場)のハッスルプレー。
僕よりも2歳年上の竹間はプロ入りを目指していたが、もうその芽はないと言っても良い。それでも、ひたむきに白球を追い掛ける姿を観ていたら、とても励まされた。
「やっぱり、都市対抗はええよなぁ〜」
素直に感じたものである。しかし、そこで一つの疑問が頭をよぎる。地域にあまり根差していない。企業も宣伝効果を第一に考えている現況。
「都市対抗じゃないやん。企業対抗ではマズイんかいな?」
そう、都市対抗とは名ばかり。取って付けたように、縁もゆかりもない市長などが試合前に始球式をしているのは、とても滑稽な光景に映る。ええやん、企業のお偉いさんにやらせれば。だって、そういう方針なんでしょ?
野茂が大阪・堺に“NOMOベースボールクラブ”というクラブチーム設立に向けて、動いているというニュースを耳にした。
野茂はアメリカでも伊良部秀輝投手(タイガース)やマック鈴木投手(ブルーウェーブ)らと、独立リーグのエルマイラ・パイオニアーズの共同オーナーもしている。野球でチャンスを掴もうとする者へ、積極的に門戸を開いている。
この度、野茂が堺にクラブチームを設立しようとしているのは、自身がかつて在籍していた新日鐵堺が94年に休部したことに起因。チームが消滅したことの寂しさ。そして、将来有望な選手の受皿が少なくなって来ていることに危機感を抱いているのだ。
僕は現在、大学野球の取材を多くしているが、
「野球を続けたいんですけれども、チームがないんですよ…」
という選手の声をよく聞く。卒業後、真剣に野球を続けたいけれども、野球を続ける場がない。これが現状なのだ。
野茂の話しに戻そう。
自らが野球で手にした富みを、野球に注ぎ込む。スポンサーとなり、日本野球界の崩壊を食い止めんとする活動は“野球への恩返し”などのキレイな美辞麗句では片付けられない。野茂の願いは壮大である。本気で一石を投じたと、僕は受け取りたい。
これが契機となって、日本野球界に一つの大きなムーブメントを巻き起こして欲しい。NOMO色に加えて、堺という地域の色が出たクラブチームが企業チームを打ち負かす日はきっと来るはずだ。そう信じたい。
野球が仕事になっていることに対して、感謝の気持ちが少しでもあるのならば。日本のプロ野球選手は、野茂のようにクラブチーム運営の経済的な支援をしても良いのでは?特に、社会人野球を経由してからプロの世界に飛び込んだ選手は“ありがたみ”を分かっているはず。
仮に10人の選手が100万円を捻出。クラブチームの運営にどれだけの費用を要するのかは詳しく分からないが、年間1,000万円もあれば、クラブチームの運営は可能なように思える。野球環境を整えることで、後にプロで活躍する選手も輩出するかも知れない。プロ球界だけにとどまらず、絶対に野球界の底辺拡大に繋がるはずだ。また、選手自身が現役引退後、クラブチームの指導者として収入が得られるようなシステムも作って行けるのではないか?
高級車を乗り回し、ブランド品で着飾るのもステイタス。でも、このような活動にも関心を持つことの方が、“野球人”として誇れるように思えるのだが。
僕みたいな駄文書きでも富むことがあれば、及ばずながら貢献したいものだ。
僕の住んでいる兵庫県・西宮には、社会人野球の大阪ガス(以下、大ガス)が練習している専用グラウンドがある。しかし、大ガスは大阪市のチーム。
ちなみにNTT西日本(以下、N西)も大阪市のチームであるが、京都・淀のグラウンドで練習を行っている。
恐らく、西宮、淀の住民でこのことを知っている人間はほとんどいないだろう。尚、大ガスもN西も
「みなさんの街でウチの野球部は練習していますよ」
と、アピールもしていない。それは恐らく、
「そんな立派な施設があるんかいな? そこに金を掛ける余裕があるんやったら、料金(ガス代、電話代)をもっと下げろやっ!」
という声が出て来るからだ。
バブルの崩壊、景気低迷のあおりを受けて、社会人野球の企業チームは減少の一途をたどっている。まぁ、このことを言及して行くと長くなるので、詳細は省かせて貰う。この日記、3,000字以内やからな…。
企業側はスポーツ(ここでは野球)を通じての人間形成、社員の士気高揚といった目的があって、チームを持っていると言う。ただ、それは大義名分であって、本音では企業の広告塔として見ているところもある。だから、経費削減という観点に立った時、その対象となり休廃部へと追い込み易いのではないだろうか。
「野球部にはこれだけお金を費やしているのに…。成績も悪いし、存続させるメリットはないな」
休廃部になった全てのチームに当てはまる訳ではないだろうが、多少はこの辺も影響しているはず。実際に、そういう声を聴いたことがある。
毎夏、東京ドームで開催されている都市対抗野球大会は、社会人野球の一大イベントだ。
歴史と伝統があり、数え切れない名勝負、名場面が生まれ、スター選手も輩出した。個人的な思い出になってしまうが、佐藤和弘外野手(パンチ佐藤、当時は熊谷組に所属)のサイクルヒットも目の当たりにしたし、野茂英雄投手(ドジャース)のトルネード投法を初めて見たのも都市対抗であった。
昨年も都市対抗の全試合を観戦。色々なシーンが思い浮かぶけれども、一番、嬉しかったのは高校時代の先輩・竹間容祐外野手(日本生命、松下電器の補強選手として出場)のハッスルプレー。
僕よりも2歳年上の竹間はプロ入りを目指していたが、もうその芽はないと言っても良い。それでも、ひたむきに白球を追い掛ける姿を観ていたら、とても励まされた。
「やっぱり、都市対抗はええよなぁ〜」
素直に感じたものである。しかし、そこで一つの疑問が頭をよぎる。地域にあまり根差していない。企業も宣伝効果を第一に考えている現況。
「都市対抗じゃないやん。企業対抗ではマズイんかいな?」
そう、都市対抗とは名ばかり。取って付けたように、縁もゆかりもない市長などが試合前に始球式をしているのは、とても滑稽な光景に映る。ええやん、企業のお偉いさんにやらせれば。だって、そういう方針なんでしょ?
野茂が大阪・堺に“NOMOベースボールクラブ”というクラブチーム設立に向けて、動いているというニュースを耳にした。
野茂はアメリカでも伊良部秀輝投手(タイガース)やマック鈴木投手(ブルーウェーブ)らと、独立リーグのエルマイラ・パイオニアーズの共同オーナーもしている。野球でチャンスを掴もうとする者へ、積極的に門戸を開いている。
この度、野茂が堺にクラブチームを設立しようとしているのは、自身がかつて在籍していた新日鐵堺が94年に休部したことに起因。チームが消滅したことの寂しさ。そして、将来有望な選手の受皿が少なくなって来ていることに危機感を抱いているのだ。
僕は現在、大学野球の取材を多くしているが、
「野球を続けたいんですけれども、チームがないんですよ…」
という選手の声をよく聞く。卒業後、真剣に野球を続けたいけれども、野球を続ける場がない。これが現状なのだ。
野茂の話しに戻そう。
自らが野球で手にした富みを、野球に注ぎ込む。スポンサーとなり、日本野球界の崩壊を食い止めんとする活動は“野球への恩返し”などのキレイな美辞麗句では片付けられない。野茂の願いは壮大である。本気で一石を投じたと、僕は受け取りたい。
これが契機となって、日本野球界に一つの大きなムーブメントを巻き起こして欲しい。NOMO色に加えて、堺という地域の色が出たクラブチームが企業チームを打ち負かす日はきっと来るはずだ。そう信じたい。
野球が仕事になっていることに対して、感謝の気持ちが少しでもあるのならば。日本のプロ野球選手は、野茂のようにクラブチーム運営の経済的な支援をしても良いのでは?特に、社会人野球を経由してからプロの世界に飛び込んだ選手は“ありがたみ”を分かっているはず。
仮に10人の選手が100万円を捻出。クラブチームの運営にどれだけの費用を要するのかは詳しく分からないが、年間1,000万円もあれば、クラブチームの運営は可能なように思える。野球環境を整えることで、後にプロで活躍する選手も輩出するかも知れない。プロ球界だけにとどまらず、絶対に野球界の底辺拡大に繋がるはずだ。また、選手自身が現役引退後、クラブチームの指導者として収入が得られるようなシステムも作って行けるのではないか?
高級車を乗り回し、ブランド品で着飾るのもステイタス。でも、このような活動にも関心を持つことの方が、“野球人”として誇れるように思えるのだが。
僕みたいな駄文書きでも富むことがあれば、及ばずながら貢献したいものだ。
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