桜並木を通り抜けながら
2003年4月8日 自宅から西京極球場へ行く際は、阪急電車を乗り継ぐ。
阪急神戸線の特急で、西宮北口駅から十三駅までは約10分。十三駅にて阪急京都線に乗り換え、特急で桂駅まで。そして、普通に乗り換えて、一駅の西京極駅に着く。少々(ホンマ少々やん)、乗り継ぎが億劫ではあるが…1時間もあれば到着するのだから、楽なものだ。西京極球場は西京極駅の真ん前やしね。舞洲球場なんて、電車で行こうと思ったら、大変やもん。
阪急京都線の車窓から眺める風景は退屈しない。大阪の市街地を離れ、幾つもの河川や用水路を越える毎に変化がある。
この時期、上新庄駅手前の柴島浄水の桜並木はホンマに壮観であるし、学校の校庭、住宅地、公園、川原などにも春の風情が漂っている。おかげで程好く、季節の移ろいを感じながら過越すことが出来る。西京極駅前も満開の桜で、キレイであった。
余談ながら…。
近藤唯之の著書であっただろうか?長嶋茂雄(ジャイアンツ終身名誉監督)は現役時代、桜と椿を遠ざけた―。
桜の花はハラハラ散ってしまうし、椿の花はボトンと、首から落ちてしまう。プロ野球選手として、散ってしまうのもクビになるのはゴメン。そのような気持ちの表れであったようだ。
西京極球場では、関西学生リーグの春季リーグ戦が行なわれていた。
近畿大−京都大はプロ注目の糸井投手(近畿大)の好投(6回までパーフェクト)に、打線も繋がって8−0と快勝。
糸井嘉男はスピードこそ物足りなさ(それでも、140?台中盤は出ている)を覚えたが、コントロールが良かった。初安打を喫した後にも慌てることなく、大きなカーブでカウントを整えたのは大きな成長の証し。
「変化球が良かったですよ。打つ手なしだったのは悔しいですね」
試合後に、京都大の主将・藤田慎也外野手も語っていた。
同志社大−関西学院大は延長戦(14回裏、2−3Xで関西学院大がサヨナラ勝ち)に突入。
“手に汗を握る”と言うよりは…互いに“決め手を欠く”の印象強し。
でも、森本徹投手(関西学院大)は初登板初先発(6回、被安打4本、失点1)ながら、そこそこ試合を作ったんじゃないかな。球数が多いのは気になるが、良く解釈すれば“ボールカウント”を目一杯に使っている!?力投型でスタミナもありそうなので、本荘雅章監督も一安心したのでは。
同志社大は1番打者の主将・永山貴大内野手がシッカリ球を選んでいる。下位打線を任せられているよりも、適性があるように感じた。ただ、その後の執行貴義内野手が不振。リーグ戦経験が豊富な選手でも、1本の安打が出ない為に焦りを感じているようだ。
確かに、10回近く打席に立って、安打が出ないのは精神的に辛いだろうが…。執行のようなレギュラー扱いされている選手ならば、あと40回は打席に立つはずである。言葉は悪いが、そこで帳尻を合わせれば、序盤の出遅れは充分に取り戻せる。こういう時は、開き直りも必要。1節、1節で区切らずに、シーズンを通したスパンで考えて欲しい。
その辺を心得ているのが、サヨナラツーベースを放った関西学院大の田辺誠吾内野手。通算打率も3割を超え、ベストナイン(二塁手)を2回獲得している自信もあるに違いない。開幕戦こそ渡辺亮投手(同志社大)の前に3三振と、散々なスタートであったが、
「チーム的にも個人的にも、これで乗って行きますよ。調子を上げて行くんで、リーグ戦が終わった時には食事ヨロシクお願いします」
と、非常に前向き。執行にもこのような図太さが欲しい。
帰路、また車窓から桜を眺める。昼間とは違い、闇に包まれた桜並木もまた風情がある。
「今週末にはもう散ってしまっているんやろうな」
一瞬、心の中で思い、寂しさにも似た気持ちを覚えるが、また来年の今頃には満開になっている。そう、散っては咲くの繰り返しなのだ。咲きっ放しは理想ではあるけれども、それでは何の感慨も喜びもなくなってしまう。
僕もサラリーマンを辞めて、しばらくはドン底であった。目先のことばかり考えて、何もかもが上手く行かない。そのような時、高校時代の同級生である広池浩司投手(カープ)からの
《長い人生、冬もある。でも、春が来て花が咲き、輝ける夏の日はきっと来るさ》
という内容のメールにはとても励まされたもの。
現在、僕の人生の季節は何だか分からないが、極寒の真冬は通り過ぎたような気がする。広池のメールにあったように、これから花を咲かせ、輝く夏の日を迎えなくては。桜並木を通り抜けながら、そう思った次第。
執行君、だから焦らずに頑張ろうっ!
関西学院大の新4番・近藤輝幸内野手も思うような結果が出ずに苦しんでいる。しかし、彼は大丈夫だろう。
“にくてんや”で野菜炒めと焼豆腐をたいらげ、自宅まで歩いている途中に焼肉屋“トレビアン”の前を通りかかる。すると、不振にもがいているはずの近藤がバクバクと、焼肉を頬張っているではないか。社会人の僕が野菜炒めで、学生の近藤が焼肉…。悔しくなって!?
「ええなぁ、打てんでも焼肉が食べれて」
そう電話をすると、
「終わったことは仕方がないです。でも、このままでは終わらないですから。栄養をタップリ摂って、頑張ります。期待していて下さい」
と、近藤。
あとは本荘監督がどこまで我慢して起用するか。個人的にはシーズンを通して、4番を打たせて欲しいところだが。
阪急神戸線の特急で、西宮北口駅から十三駅までは約10分。十三駅にて阪急京都線に乗り換え、特急で桂駅まで。そして、普通に乗り換えて、一駅の西京極駅に着く。少々(ホンマ少々やん)、乗り継ぎが億劫ではあるが…1時間もあれば到着するのだから、楽なものだ。西京極球場は西京極駅の真ん前やしね。舞洲球場なんて、電車で行こうと思ったら、大変やもん。
阪急京都線の車窓から眺める風景は退屈しない。大阪の市街地を離れ、幾つもの河川や用水路を越える毎に変化がある。
この時期、上新庄駅手前の柴島浄水の桜並木はホンマに壮観であるし、学校の校庭、住宅地、公園、川原などにも春の風情が漂っている。おかげで程好く、季節の移ろいを感じながら過越すことが出来る。西京極駅前も満開の桜で、キレイであった。
余談ながら…。
近藤唯之の著書であっただろうか?長嶋茂雄(ジャイアンツ終身名誉監督)は現役時代、桜と椿を遠ざけた―。
桜の花はハラハラ散ってしまうし、椿の花はボトンと、首から落ちてしまう。プロ野球選手として、散ってしまうのもクビになるのはゴメン。そのような気持ちの表れであったようだ。
西京極球場では、関西学生リーグの春季リーグ戦が行なわれていた。
近畿大−京都大はプロ注目の糸井投手(近畿大)の好投(6回までパーフェクト)に、打線も繋がって8−0と快勝。
糸井嘉男はスピードこそ物足りなさ(それでも、140?台中盤は出ている)を覚えたが、コントロールが良かった。初安打を喫した後にも慌てることなく、大きなカーブでカウントを整えたのは大きな成長の証し。
「変化球が良かったですよ。打つ手なしだったのは悔しいですね」
試合後に、京都大の主将・藤田慎也外野手も語っていた。
同志社大−関西学院大は延長戦(14回裏、2−3Xで関西学院大がサヨナラ勝ち)に突入。
“手に汗を握る”と言うよりは…互いに“決め手を欠く”の印象強し。
でも、森本徹投手(関西学院大)は初登板初先発(6回、被安打4本、失点1)ながら、そこそこ試合を作ったんじゃないかな。球数が多いのは気になるが、良く解釈すれば“ボールカウント”を目一杯に使っている!?力投型でスタミナもありそうなので、本荘雅章監督も一安心したのでは。
同志社大は1番打者の主将・永山貴大内野手がシッカリ球を選んでいる。下位打線を任せられているよりも、適性があるように感じた。ただ、その後の執行貴義内野手が不振。リーグ戦経験が豊富な選手でも、1本の安打が出ない為に焦りを感じているようだ。
確かに、10回近く打席に立って、安打が出ないのは精神的に辛いだろうが…。執行のようなレギュラー扱いされている選手ならば、あと40回は打席に立つはずである。言葉は悪いが、そこで帳尻を合わせれば、序盤の出遅れは充分に取り戻せる。こういう時は、開き直りも必要。1節、1節で区切らずに、シーズンを通したスパンで考えて欲しい。
その辺を心得ているのが、サヨナラツーベースを放った関西学院大の田辺誠吾内野手。通算打率も3割を超え、ベストナイン(二塁手)を2回獲得している自信もあるに違いない。開幕戦こそ渡辺亮投手(同志社大)の前に3三振と、散々なスタートであったが、
「チーム的にも個人的にも、これで乗って行きますよ。調子を上げて行くんで、リーグ戦が終わった時には食事ヨロシクお願いします」
と、非常に前向き。執行にもこのような図太さが欲しい。
帰路、また車窓から桜を眺める。昼間とは違い、闇に包まれた桜並木もまた風情がある。
「今週末にはもう散ってしまっているんやろうな」
一瞬、心の中で思い、寂しさにも似た気持ちを覚えるが、また来年の今頃には満開になっている。そう、散っては咲くの繰り返しなのだ。咲きっ放しは理想ではあるけれども、それでは何の感慨も喜びもなくなってしまう。
僕もサラリーマンを辞めて、しばらくはドン底であった。目先のことばかり考えて、何もかもが上手く行かない。そのような時、高校時代の同級生である広池浩司投手(カープ)からの
《長い人生、冬もある。でも、春が来て花が咲き、輝ける夏の日はきっと来るさ》
という内容のメールにはとても励まされたもの。
現在、僕の人生の季節は何だか分からないが、極寒の真冬は通り過ぎたような気がする。広池のメールにあったように、これから花を咲かせ、輝く夏の日を迎えなくては。桜並木を通り抜けながら、そう思った次第。
執行君、だから焦らずに頑張ろうっ!
関西学院大の新4番・近藤輝幸内野手も思うような結果が出ずに苦しんでいる。しかし、彼は大丈夫だろう。
“にくてんや”で野菜炒めと焼豆腐をたいらげ、自宅まで歩いている途中に焼肉屋“トレビアン”の前を通りかかる。すると、不振にもがいているはずの近藤がバクバクと、焼肉を頬張っているではないか。社会人の僕が野菜炒めで、学生の近藤が焼肉…。悔しくなって!?
「ええなぁ、打てんでも焼肉が食べれて」
そう電話をすると、
「終わったことは仕方がないです。でも、このままでは終わらないですから。栄養をタップリ摂って、頑張ります。期待していて下さい」
と、近藤。
あとは本荘監督がどこまで我慢して起用するか。個人的にはシーズンを通して、4番を打たせて欲しいところだが。
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