大阪ドームへ行く。新しくなった人工芝を踏みしめるのは初めてのこと。
 毛足がこれまでのより長く、芝目が“アッチャコッチャ”に向いている。材質も人工っぽくないように感じる。クッション性も明らかに向上。でも、天然芝の持つ温かみ、柔らかさにはかなわへんよなぁ…。

 試合後、岡本晃投手(バファローズ)とミナミの街へ繰り出す。食事を兼ねながら、取材をする為である。
「俺なんか話題性ないで。喜ぶ人間なんておらんやろう」
 そのように謙遜して、当初は口数の少ない岡本であったが…僕の巧みなトーク!?に加えて、アルコールの効果も絶大。2時間余り、味わい深い話しをタップリと、聞かせてくれた。

 ところで、食事をした居酒屋“ほっ”は
「いかついヒゲ面男2人で、カップル客ばかりの小洒落たイタメシ屋もないやんなぁ」
「そうやんなぁ。あっ、この店は静かそうやし、そんな高くないんちゃうか」
 という会話があって、何気なく入った店。何の予備知識もなかった。だが、ここで世の中の狭さを知る。
 まず、店に入って早々にマスターらしき人物が
「バファローズの岡本投手やんね?」
「はい、そうです。でも、よく分かりましたね。自分、ほとんど面が割れていないんはずなんですけれども」
「いや、実は私も法政大で野球をやっていまして。バファローズの高村(祐、投手)は後輩になるんですよ。だから、陰ながら応援してるんです。高村にも『店に来てくれ』と、伝えておいて下さい」
「はい、高村さんにちゃんとお伝えしておきます」

 しかし、話しはこれだけで終わらない。取材も一段落して、岡本と僕は完全に飲みモード全開(苦笑)。他愛のない会話と杯を重ねていたのだが、その中で僕が金村義明(野球評論家)のマネージャーをしていた頃の話題になった。すると、マスターが再登場。
「金村の話しをしていましたね。私、金村と報徳学園高で同級生。高原と申します」
 と、名刺を手渡して来る。
「高原広秀さんって…」
 一瞬、僕は言葉を失い、酔いも覚めた。
 高原は金村と報徳学園高の全国制覇(81年、第63回全国高校野球選手権大会)メンバーで、主将、一番打者の三塁手。そして、金村と同じ“在日3世”ということもあり、大親友であるという話しは聞いていた。金村の著書『在日魂』(講談社)にも登場している。
「そう、私が金村とヤンチャしていた高原です(笑)」
 と、ニッコリ笑う高原。世の中、ホンマに狭い。偶然、入ったお店のオーナーが、僕の恩人とも呼べる金村の旧知の仲である人物とは。
「縁があるんですよ。是非、また寄って下さい」
 上手く言えないが、宝くじにでも当たったような気分だ。

 時計の針も24:00を回ったので“ほっ”を後にする。それから、僕の酒友、雀友、草野球仲間である川北信也も合流して、岡本の馴染みの店で2次会!???延々、26:00まで飲み続ける。そして、また岡本の熱い話しが聞けた。非常に楽しい夜であった。


 尚、高原は“NOMOベースボールクラブ”にて現役復帰するそうだ。これからも何か接点がありそうな予感。是非、頑張って貰いたい。

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