挨拶

2003年4月20日
 最近、好きな娘がいる。
 と、言っても…狙っている訳でも、口説こうとか思っている訳ではない。(ちゃんと彼女おるしね、何かあるようやったら日記にも書けへんわ)そのような恋愛感情は一切ないことを始めに強調しておこう。

 その娘は近所のある店でアルバイトをしている。時折、その店にも立ち寄るし、店の前で会うこともある。
「こんにちは。お仕事やったんですか?真っ黒に日焼けされはって、いつも忙しそうですね」
 僕の姿を見掛けると、そのようにいつも挨拶をしてくれる。
 多少、営業的な意味合いもあるのだろうが!?バイト娘の挨拶は非常にニコヤカで、清々しい。そう、気分が良くなる挨拶が好きなのだ。僕も愛想は良い方なので
「ドーモ、こんにちは。いつもお疲れ様やね」
 と、必要以上の笑みを浮かべて返してしまうもの。

 昨日も書いたことだが、取材でも色々な人間と会い、挨拶をする。
 それぞれの人間関係(親しかったり、目上だったり)があるので、その形態は様々だ。
「ちぃーっす、ドモドモ」
 くだけた感じで気軽に手を挙げる場合もあれば、
「こんにちは、いつもお世話になっております」
 深々と、頭を下げることもある。

 金村義明(野球評論家)のマネージャー時代、
「リキちゃん(たまにそう呼ばれていた)、挨拶だけ(他はアカンという皮肉やったんかな!?)はシッカリしているから安心やわ」
 金村にはよく言われたものだ。特別に意識はしていなかったけれども、金村がそのように言っていたのだから間違いではないだろう。確かに、声は大きいから体育会系には受けが良い。
 だけど、僕も生身の人間。気乗りしない時や、あまり好感を抱いていない人間には“ないがしろ”な挨拶をしていたのでは…。恥ずかしながら、思い当たる節もある。それは僕自身、多いに反省。改めなければならない点だ。

 挨拶は人間関係の窓口。ゴニョゴニョと、ハッキリしない挨拶よりも、歯切れの良い挨拶の方が良好な関係を築き易いように思える。
 現在、大学野球の仕事で接する人間が多い。連盟のお偉いさん、各校の監督、コーチなどの目上の方も紳士的であるし、選手やマネージャーもみんな礼儀正しい。その中でも、個人的に立命館大の嶋岡孝太内野手の挨拶が好きだ。正直、嶋岡はお手本のような堅苦しい挨拶をして来る訳ではない。どちらかと言うと、ちょっとヘラヘラした印象も受ける。でも、僕のことを見掛けると、人懐っこい笑顔で
「ドーモ、コンチハ。今日は微妙な天気っすね」
「お疲れ様でしたぁ。最後はちょっと差し込まれちゃいました。なかなか1本(本塁打)出ないもんですよ」
 などと、“嶋岡味”全開で、気軽に声を掛けて来てくれる。
 性格もあるのだろうが、試合前後の選手はあまり視野が広くないように思える。集中力を高めていたり、反省をしていたり。それは僕も充分に理解しているつもりであるし、逆にどのように声を掛けて良いかも分からない。それだけに嶋岡の挨拶は安心するし、勝手ながらも嶋岡のことを見守ってやろうという気にもなる。また、変な気を遣わずに“島尻味”タップリの挨拶を返し、接することが出来るから。

 冒頭のバイト娘と少し話しをしたことがある。
「仕事、楽しくてしょうがないんです。色々な人に会えるし、みんな優しくして下さるんで」
 そう思えるのは、バイト娘自身の人柄。殊に、挨拶の心地良さが産み出しているようにも感じる。
「将来は自分でお店をやりたいんです。必ず寄って下さいね」
 とも言っていた。多分、バイト娘はいつの日か自身の店を開くだろうし、アットホームな良い店になるはずだ。その際は、僕も必ず寄らせて貰いたい。

 やっぱり、挨拶って、メチャメチャ大事。人間関係だけではなく、自身の道を切り拓くキッカケにもなる。

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