スピードガン

2003年5月19日
「今日はどれくらい出ているんですか?」
 バックネット裏でスピードガンを構えているタイガース編成・畑山俊二に、糸井嘉男投手(近畿大)の球速を尋ねる。
「45(145?)前後。MAXは47(147?)やね」
 と、畑山は人の良さそうな笑顔を浮かべ、教えてくれる。
「でもねぇ、向こうでは50(150?)出ているみたいやし、常にこっちより速いんだよ」
 畑山が目線で指し示したのは、距離にすれば僅か3〜4?右横の立命館大のデータ班。

 まず、スピードガンは計測する位置、高さ、角度などで若干の誤差が生じるものと認識して欲しい。プロ野球の本拠地球場でも球速表示が“出易い球場(速い)”と“出難い球場(遅い)”があるくらい。
 あと、阪神甲子園球場は左投手には不利という話しも聞いたりするし、メーカーによってもバラつきが出るようだ。

 タイガースと立命館大のスピードガンを構えていた位置は前述通り、横の位置が3〜4?しか変わらない。高さも角度も差異はない。しかも、スピードガンのメーカーも同じA社。なんでやろう???謎は深まる。

 大学野球の選手や記者の間では“Ritsガン”という言葉が頻繁に使われる。昨日も糸井に
「今日も50(150?)出ていたよ」
 そう教えてあげると
「嘘ですよ。指に掛かっていなかったし、絶対ありえへん。あっ、“Ritsガン”でしょう」
 と、立命館大のスピードガンが叩き出した球速であることをすぐに察した程である。そう、“Ritsガン”は“やや速目”というのが定説になっているのだ。(注:立命館大のスピードガンをけなしている訳ではないので、関係者は目くじらを立てないように)

 速い球を投げる、投げないに関わらず。投手は球速が気になるし、意識もしている。ただ、それはあくまでも一つの目安。最終的にはスピードガンが計る以上のキレやノビを求めているように感じる。
「速いに越したことないですけれども、打者に速いと思わせる方が大事」
 大半の投手はそう語る。

 まぁ、スピードガン・コンテストが優秀でも、勝てる投手じゃないと意味がないしね。自戒も込めて、あまりスピードガンの球速表示を鵜呑みにしてはイケナイ。あくまでも一つの目安。

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