心境は…今日の日記のタイトル通りである。現在の梅雨空のように灰色で、スッキリしない。それは大阪体育大(阪神大学)が早稲田大(東京六大学)に逆転負けを喫して、近畿勢が17年振りに大会初戦敗退になってしまったことは、あまり関係ない。(残念は残念やけれどもね)

 6月11日の日記でムシャクシャしたことがあった。と、書いたが、それは神宮の記者席でのこと。
 4戦目の国際武道大(千葉県大学)×上武大(関甲新学生)が終わった後、
「島尻さん、ちょっと良いですか」
 岡本朋祐(ベースボールマガジン社)から呼び止められた。そして、
「言い難いんですけど…今回、島尻さんはウチのパスで取材に来ている訳じゃないですか。で、分かっているとは思うんですけど、ウチは雑誌媒体。記者クラブに属していないんです。本来は、記者席に入れない。要するに、記者席へ入れさせて貰っている立場なんです。島尻さん、スタンドに行ったりで出入りが多いじゃないですか。それ自体は悪くないと、自分は思うんですけど。席にカバンを置きっ放しとかだと困るんですよね。そのことを指摘していた記者さんもいたので。普段のリーグ戦と違って、記者さんもたくさん来ていることですし。その辺を心得て貰いたいんですけどね」
 と、忠告される。
 岡本の言うことはよく理解出来る。まぁ、バッジ(記者バッジ)を持っていない“しがない身”としては
「そうですねぇ。チョロチョロして、ホンマに申し訳ないです。以後、留意します」
 ここは、便宜を図って貰っているベースボールマガジン社に迷惑も掛けられない。素直に謝るのがベスト。でも…“ひがみ根性”なんかな!?魚の小骨が喉に引っ掛かったような気がするのも正直なところ。

 全てのバッジ保有者に当てはめるつもりはない。熱心に、真面目に取材に励む記者も多い。でも、神宮に来て、ガッカリしたのは一部の記者の態度だ。
 ある大手スポーツ新聞の女性記者。恐らく、年齢は僕と同じくらいで、東京のアマチュア野球担当であろう。ということもあり、地方の系列社からやって来た記者に指示を出している。デスクやカメラマンとの電話連絡も大半が彼女。重要なポジションである。
「この試合、雑感20行で充分だね」
「ホームラン打った子のコメントは絶対に入れるから」
「この子は注目選手だから、写真を抑えておいてね」
 一見、バリバリ仕事が出来る女性であるかのような彼女。ただ、全く試合を観ていないんだよなぁ…。
 確かに、彼女。スコアだけは記入している。しかし、それで試合を観ているとは言えない。ベンチの様子を伺ったり、守備位置を確認したり。選手のちょっとした仕草や表情を観察することも忘れてはならない。そう、彼女は数字(結果)しか把握しようとしない。ついでに言わせて貰えば、選手の名前も覚えようとしないし、プレースタイルに関心も示さないのだ。

 記者は大変だ。僕なんかのようなライターよりも時間に追われながら原稿を仕上げなければならない。また、本当は…他の部署で仕事がしたいのかも知れない。
「なんで、私がアマチュア野球なんか。本当はプロ野球の担当をしたいのに」
 などと。でも、それは自身が選んだ道(就職ということに関して)なのだから、プロフェッショナルに徹する必要があることは言うまでもない。

 アマチュア野球。殊に、大学野球、社会人野球は記事の扱いも小さい。ある程度の“やっつけ仕事”でも通用する可能性は高い。だけど、その小さい記事を心待ちにしている人間がたくさんいることも忘れてはイケナイ。やっぱり“やっつけ仕事”は許されることではないのだ。

「こんなヤツに僕の行為が指摘されていたとしたら…」
 そう思うと、腹が立つし、辛いし、悲しいし、やり切れない。また、同時に体制に守られることのない僕自身が惨めで不安になって来る。野球を観るのは楽しいが、この場(記者席)にいることが耐えられなくなる。薄暗く、身をかがめないと頭がぶつかってしまう低い天井の神宮記者席が一層に、その想いを強くする。言い訳になってしまうけれども、とても集中して野球なんか観れる訳がない。
「僕は何しに東京へ来たんやろう?」
 という訳である。勝手な批判と自己嫌悪を感じながら…。


 夕方、連載をさせて貰っている双葉社へ足を運ぶ。『週刊漫画アクション』の編集長・大沢紀寛、担当・坂井克司と打ち合わせ。僕がこれまでに書き溜めたモノをまとめることについて。
 本決まりではないが、望みはあると感じている。週明けにもう1度、シッカリとしたコンセプト、インパクトのあるタイトル候補を幾つか打ち出すつもりだ。この話しが実現して、心に晴れ間が射し込めば良いのだが。

 ベースボールマガジン社にも立ち寄り、ケーキを差し入れ。ブルーウェーブ、カープ担当・江口義忠、バファローズ担当・佐藤康夫としばし語らい、ホテルへ戻る。

 心身共に疲れている。たまには酒を抜こう。

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