初めて守ったのは

2003年7月19日
 今日は関西大へ行って来た。今春、急躍進。リーグ戦で4勝を挙げ、通算10勝目にも達した左腕・増田陽紀投手の取材である。

 阪急電車を乗り継いで(十三、淡路で乗り換え)、久々にやって来た関大前駅。学生時代にも数回、やって来ただけなので…記憶はおぼろ気であったのだが、いかにも“大学がありますよ的”な佇まい。学生客相手のあらゆる店が建ち並び、関西大特有の“バンカラ然”とした雰囲気は変わっていない。まぁ、当時と比べたら、だいぶ変わってはいるのだろうけれども。あくまでも雰囲気の問題である。

 関西大は明らかに僕の抱いていた印象とは異なっていた。正門は見違えるようにキレイになり、正門付近にある左右の建造物も新しい。
 緩やかな坂道を歩いて行くと、左手には学食や生協がある。これは僕の記憶と一致した。
 さらに歩みを進めると、またまた立派で新しい建造物が目前に。どうやら体育館であるらしい。事前の電話連絡によると、この体育館の裏手に野球部の部室があるはずだ。

 主務・門田浩典は試験の為に不在であったが、3回生のマネージャー・前健太郎が出迎えてくれた。そして、“新凱館”という体育会各部の部室が集まっている棟に案内される。1階の端に応接室みたいな部屋があり、そこで増田を待つことになった。
 10分も経たないうちに、増田はやって来た。紺色の長袖アンダーシャツに、ジャージのパンツ姿。
「まだ試験中なんで、自主練なんっすよ」
「ゴメンなぁ、そんな忙しい時に」
 増田とはこれまでにも何度か話したことがあるので、堅苦しい挨拶は抜きにして、インタビューは始まった。

 僕にしては珍しく!?今回のインタビューに備えて、相当量の資料を用意。特に、増田の明徳義塾高時代の甲子園出場(計4度)にまつわるものが大半であった。過去の話しを嫌がる選手もいるけれども、準備しておくに越したことはない。その辺の判断は会話の中で察することが出来るから。実際、インタビューは約1時間に及んだので、充分に会話を広げるネタにはなったような気がする。

 インタビュー内容の詳細を載せることは出来ないが、意外に増田は生真面目であった。僕の中では、取材慣れもしているだろうし、適度に愛想の良いヤツという思い込みが強かったせいかも知れない。
 だが、投球術やチームのこと、自身の将来については慎重かつ真剣に語ってくれた。このような横顔に触れることが出来た時、この仕事の役得を痛感すると共に感謝する。

 幾つか面白いエピソードがあったのだが、その一つを紹介。
 小学3年生の時に、野球を始めた増田。それは地元の少年野球チームのメンバーが足らずに声を掛けられたから。
 本当に、その少年野球チームがメンバー不足であったのは増田が着いた守備位置からも嘘でないことが分かる。
「左投げなのに、初めて守らされたんが三塁手ですよ(苦笑)」
 そのような少年が、エースとして甲子園に4度も出場して、現在も大学球界で活躍。また、さらに上のレベルで野球を続けようとしているのは不思議な話しだ。


 インタビューを終え、野球部の部室に少しだけ立ち寄る。その後、野球部のグラウンドや、噂の陸上部、サッカー部、アメリカン・フットボール部などが併用する立派なフィールドも見せて貰った。まぁ、前述した通り、試験期間中ということもあり、どのクラブも本格的な練習はしていなかったのは残念やったけれども。あと、プールへ行くのも忘れた。シドニー五輪にも出場した山田沙知子がいるのになぁ。(ミーハー魂、炸裂…)

 帰り際、学食で食事。これも大学野球取材の楽しみの一つ。ただ、若者でごった返す中、30歳オヤジは隅っこで小さくなりながら箸を口に運んでいた…^_^;
 ちなみに、関西大の学食は…学食レベルではトップクラス(上出来の部類)ではないだろうか???しかもメッチャ安いっ!(600円足らずでお腹いっぱいに)学食はこれに尽きる。

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