足取りは軽く

2003年7月24日
 昨日はうっとおしい雨が降りしきる一日であったが、帰り道、僕の足取りは軽かった。

 金子和豊内野手(大阪商業大)のインタビューを大阪商業大キャンパス内にある喫茶店で行なう。
 近鉄・河内小坂駅まで主務の前崎乃莉子が迎えに来てくれており、キャンパスへと案内された。

 金子は僕に会うなり
「とても緊張しています。どうか宜しくお願いします」
 と、初々しく頭を何度もペコペコ下げる。そして、
「あと、パソコンで日記も読ませて貰っています」
 社交辞令!?にも抜かりなし(笑)。

 小気味良いスピード感溢れるプレーが魅力の金子。今春の関西六大学リーグ戦でも首位打者(.415)、ベストナイン(二塁手)、平古場賞(新人賞)を手中にした実力派であるが、とても謙虚で“偉ぶった”ところがない。言葉に飾り気がない分だけ、純朴さも伝わって来る。

 東大阪市で生まれ育った金子は、決して“エリート街道”を突っ走って来た訳ではなかった。特別、体力的に恵まれている訳でもないし、故障(右手首)の為に手術も経験している。
「大学で野球が続けられるなんて思っていなかったです」
 金子自身はそうのように語るが、キラリと、光る何かがこの選手にはある。とにかくグラウンドで目立つ選手なのだ。大阪商業大のスカウティングに間違いはなかった。

 今回、金子を取り挙げることになったのは僕の意向が大きい。基本的にベースボールマガジン社の岡本朋祐と相談するのだが、金子に関してはリーグ戦開幕直後から強力にプッシュしていた次第。
 結果的に金子は、タイトルを獲得する活躍を見せた。スンナリと、話しも進み、取材対象の選手になったのであるが。タイトルを獲得していなくても、僕は
「金子を取り挙げましょうよ」
 と、主張していたはずである。
 機会があれば、金子のプレーを観て欲しい。そう願いつつ、僕は今回の原稿を書きたい(まだ書いていません…)と思っている。


 肝心のインタビューは、脱線することが多く(聞き手の力量不足…)、1時間半も要してしまった。でも、金子の野球への想い、背景。そして、人柄を感じるという点では有意義な時間だったのかも知れない。
 また、金子がプロ野球(選手の練習内容など)や他リーグ他大学の選手のことも貪欲に尋ねて来てくれたことが嬉しかった。だから、帰り道の足取りが軽かったのだろう。

======================
 帰路、偶然にバファローズの編成・柳川浩二と会う。
「今日、高校野球が中止になったでしょ。振って湧いたようなオフですよ。だから、カミさんと映画でも観に行こうと思って」
 柳川の横に寄り添っていた細身でキレイな奥さんも会釈をしてくれた。
 特に、この時期は多忙極まりないスカウトマン。うっとおしいと思われる雨も、急な夫婦デートを盛り上げる“粋なヤツ”に。心なしか柳川と奥さんの足取りも軽いように感じられた。

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

最新のコメント

日記内を検索