サヨナラゲーム2試合
2003年9月27日 京滋大学リーグ(西京極球場)を観に行く予定であったが、諸事情により関西学生リーグ(南港中央球場)へ。
試合は勿論、観戦していたのだが。第1試合(近畿大×関西学院大)の前半はバックネット裏に集まるスカウト陣からドラフトにまつわる話しを聴いて回る。
各球団の編成の方々、御多忙なところ、ホンマにありがとうございました。
(近畿大4×5X関西学院大)
近畿大は今月23日に亡くなった前々監督・松田博明に哀悼の意を表し。ユニフォームの左袖に喪章、センターポールの校旗を半旗にして、試合に臨む。
供養星を捧げるべく、地道に加点する近畿大打線。左腕・野村宏之投手も調子が良い訳ではなかったが、8回まで関西学院大を1安打に抑えていた。
しかし、4×0で迎えた最終回。池ノ内雅樹内野手、田辺誠吾内野手に連続二塁打を許し、1点を失ってから近畿大の歯車に狂いが生じる。連続四球に、途中出場の樋口祐一郎捕手の中堅前タイムリー安打(リーグ戦初安打、初打点)でスコアは4×2に。だが、代打・笹嶋昭宏外野手は三振に倒れ、二死満塁となる。
そして、打席に入った渡邉祥一郎内野手はボールカウント2−3まで粘り、放った打球はボテボテの遊ゴロ。
「守備だけならば、既にプロクラスの安定感」
プロのスカウト陣からもそのように評される名手・藤田一也内野手が軽快に処理するが…。藤田の送球が微妙に短い。一塁手・若林建志内野手がそれを後ろに逸らさないよう、ベースタッチから離れて打者走者・渡邉はセーフ(記録は遊撃手エラー)で、その間に1点でスコアは4×3。しかも、二死満塁でボールカウント2−3であったので、走者はスタートを切っている。両膝を付いた態勢から若林は起き上がり、本塁に送球するが。これがまた微妙に届かないショートバウンド。これを田中雅彦捕手は止めることが出来ずに、送球はバックネット裏の記者席前を転々―。二塁走者・近藤輝幸に続き、一塁走者・窪田智也外野手(タイムリー安打を放った樋口の代走)も本塁に滑り込む。近畿大にしてはまさかまさかの。関西学院大にとっては4点のビハインドを引っ繰り返す劇的なサヨナラ勝ちという幕切れに。
「一番巧い選手(藤田)のところへ飛んで、ああいうことになるんやから。野球はコワイっすねぇ」(関西学院大・本荘雅章監督)
「野球は分からん…。野球はツーアウトから、下駄を履くまで分からないと言いますが、こんな負け方は初めてですね。野村も含めて、勝たなきゃイケナイという気持ちが強すぎたんかな。まぁ、松田さんからの『こんな野球もあるぞ。野球は甘くないぞ』という忠告、メッセージやったのかも知れません」(近畿大・榎本保監督)
と、立場は違えど、両監督の試合後のコメントに野球の奥深さが集約されていたように思える。
(立命館大2×3X関西大)
立ち上がりに不安のなくなった立命館大・松村豊司投手。今季ここまで2試合連続完投勝利の関西大・増田陽紀投手。両エースの投げ合いは試合中盤まで膠着状態。
先に得点を挙げたのは立命館大で、7回表にラッキーな内野安打を2本絡めて、増田から虎の子の1点を奪った。
この時、僕は記者席で。
「さぁ、松村のこの後の投球やな。ええ球を放るのに、点を取って貰った後に松村は点を取られるクセ(傾向)があるからなぁ」
と。朝日新聞の野村周平も
「そうっすね。そういう時が多いっすよね」
そう相槌を打ってくれた。
その予想が不思議なことに的中。7回裏の先頭打者・石井浩司内野手が内野安打で出塁すると、この試合でバットが振れていた南尚幸内野手、板坂久幸外野手の適時打で逆転されてしまい、松村は降板。
「気持ちの整理の仕方がねぇ…。自分で間を置いて、仕切り直したりすれば良いんやけど。まだまだ経験不足、勉強不足なんやろうね」(立命館大・松岡憲次監督)
というコメント通り、松村の課題はここにある。抑えなきゃイケナイという気持ちが空回りしてしまう。
「アウトカウントを増やす方法はいくらでもありますからね」
この試合でも三塁走者を牽制球で刺した(左投手の三塁牽制はあまり観ない)増田のような余裕が感じられないのだ。
しかし、9回表に立命館大も意地を見せて、高橋孝典外野手の二塁打、代打・中村真崇外野手の右翼犠飛で同点に追い付く。
でも、そこは勢いのある関西大。ちょっと調子を落とし気味であった坂口直樹外野手の内野安打、安部内野手の死球(2打席連続)の後に、板坂が殊勲の右翼超えサヨナラ二塁打で勝負を決めた。
「板坂は真面目すぎるくらいの子ですよ」(関西大・高岡淳監督)
そう言われて、現れたヒーローは野球人生で初めてのサヨナラ打にも
「自分で決めるつもりで打席には立ちましたけど」
と、控え目に喋り始めて
「頭の中が真っ白になりました(殊勲打に興奮してダイヤモンドを1周)。今後もチームの足を引っ張らないように頑張りたいです」
最後まで謙虚そのもの。取材途中にチームメートから
「シッカリ話せよ」
「香川出身ですって、ちゃんとアピールするんやで」
などと、チャチャを入れられていたのも板坂のキャラクターを伝えるには充分であった。
======================
試合後の通路で
「本当、スミマセン。もう絶対にしないように…」
手痛い失策に肩を落としていた近畿大・藤田と偶然にすれ違った。ただ、この苦い経験をバネにしてくれそうな強さを感じた。あくまでも直感で、根拠はないんやけれどもね。
う〜ん…。ジャイアンツ・原辰徳監督が退任っすか…。←そのうち書かないとアカンかな!?
9月18日の日記で。10月19日、20日の対戦カードに誤りがあったので修正。
《アテにならん予告》
9月28日『対決!?関西ジャニーズ』
9月29日『リーグ戦の運営について』
試合は勿論、観戦していたのだが。第1試合(近畿大×関西学院大)の前半はバックネット裏に集まるスカウト陣からドラフトにまつわる話しを聴いて回る。
各球団の編成の方々、御多忙なところ、ホンマにありがとうございました。
(近畿大4×5X関西学院大)
近畿大は今月23日に亡くなった前々監督・松田博明に哀悼の意を表し。ユニフォームの左袖に喪章、センターポールの校旗を半旗にして、試合に臨む。
供養星を捧げるべく、地道に加点する近畿大打線。左腕・野村宏之投手も調子が良い訳ではなかったが、8回まで関西学院大を1安打に抑えていた。
しかし、4×0で迎えた最終回。池ノ内雅樹内野手、田辺誠吾内野手に連続二塁打を許し、1点を失ってから近畿大の歯車に狂いが生じる。連続四球に、途中出場の樋口祐一郎捕手の中堅前タイムリー安打(リーグ戦初安打、初打点)でスコアは4×2に。だが、代打・笹嶋昭宏外野手は三振に倒れ、二死満塁となる。
そして、打席に入った渡邉祥一郎内野手はボールカウント2−3まで粘り、放った打球はボテボテの遊ゴロ。
「守備だけならば、既にプロクラスの安定感」
プロのスカウト陣からもそのように評される名手・藤田一也内野手が軽快に処理するが…。藤田の送球が微妙に短い。一塁手・若林建志内野手がそれを後ろに逸らさないよう、ベースタッチから離れて打者走者・渡邉はセーフ(記録は遊撃手エラー)で、その間に1点でスコアは4×3。しかも、二死満塁でボールカウント2−3であったので、走者はスタートを切っている。両膝を付いた態勢から若林は起き上がり、本塁に送球するが。これがまた微妙に届かないショートバウンド。これを田中雅彦捕手は止めることが出来ずに、送球はバックネット裏の記者席前を転々―。二塁走者・近藤輝幸に続き、一塁走者・窪田智也外野手(タイムリー安打を放った樋口の代走)も本塁に滑り込む。近畿大にしてはまさかまさかの。関西学院大にとっては4点のビハインドを引っ繰り返す劇的なサヨナラ勝ちという幕切れに。
「一番巧い選手(藤田)のところへ飛んで、ああいうことになるんやから。野球はコワイっすねぇ」(関西学院大・本荘雅章監督)
「野球は分からん…。野球はツーアウトから、下駄を履くまで分からないと言いますが、こんな負け方は初めてですね。野村も含めて、勝たなきゃイケナイという気持ちが強すぎたんかな。まぁ、松田さんからの『こんな野球もあるぞ。野球は甘くないぞ』という忠告、メッセージやったのかも知れません」(近畿大・榎本保監督)
と、立場は違えど、両監督の試合後のコメントに野球の奥深さが集約されていたように思える。
(立命館大2×3X関西大)
立ち上がりに不安のなくなった立命館大・松村豊司投手。今季ここまで2試合連続完投勝利の関西大・増田陽紀投手。両エースの投げ合いは試合中盤まで膠着状態。
先に得点を挙げたのは立命館大で、7回表にラッキーな内野安打を2本絡めて、増田から虎の子の1点を奪った。
この時、僕は記者席で。
「さぁ、松村のこの後の投球やな。ええ球を放るのに、点を取って貰った後に松村は点を取られるクセ(傾向)があるからなぁ」
と。朝日新聞の野村周平も
「そうっすね。そういう時が多いっすよね」
そう相槌を打ってくれた。
その予想が不思議なことに的中。7回裏の先頭打者・石井浩司内野手が内野安打で出塁すると、この試合でバットが振れていた南尚幸内野手、板坂久幸外野手の適時打で逆転されてしまい、松村は降板。
「気持ちの整理の仕方がねぇ…。自分で間を置いて、仕切り直したりすれば良いんやけど。まだまだ経験不足、勉強不足なんやろうね」(立命館大・松岡憲次監督)
というコメント通り、松村の課題はここにある。抑えなきゃイケナイという気持ちが空回りしてしまう。
「アウトカウントを増やす方法はいくらでもありますからね」
この試合でも三塁走者を牽制球で刺した(左投手の三塁牽制はあまり観ない)増田のような余裕が感じられないのだ。
しかし、9回表に立命館大も意地を見せて、高橋孝典外野手の二塁打、代打・中村真崇外野手の右翼犠飛で同点に追い付く。
でも、そこは勢いのある関西大。ちょっと調子を落とし気味であった坂口直樹外野手の内野安打、安部内野手の死球(2打席連続)の後に、板坂が殊勲の右翼超えサヨナラ二塁打で勝負を決めた。
「板坂は真面目すぎるくらいの子ですよ」(関西大・高岡淳監督)
そう言われて、現れたヒーローは野球人生で初めてのサヨナラ打にも
「自分で決めるつもりで打席には立ちましたけど」
と、控え目に喋り始めて
「頭の中が真っ白になりました(殊勲打に興奮してダイヤモンドを1周)。今後もチームの足を引っ張らないように頑張りたいです」
最後まで謙虚そのもの。取材途中にチームメートから
「シッカリ話せよ」
「香川出身ですって、ちゃんとアピールするんやで」
などと、チャチャを入れられていたのも板坂のキャラクターを伝えるには充分であった。
======================
試合後の通路で
「本当、スミマセン。もう絶対にしないように…」
手痛い失策に肩を落としていた近畿大・藤田と偶然にすれ違った。ただ、この苦い経験をバネにしてくれそうな強さを感じた。あくまでも直感で、根拠はないんやけれどもね。
う〜ん…。ジャイアンツ・原辰徳監督が退任っすか…。←そのうち書かないとアカンかな!?
9月18日の日記で。10月19日、20日の対戦カードに誤りがあったので修正。
《アテにならん予告》
9月28日『対決!?関西ジャニーズ』
9月29日『リーグ戦の運営について』
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