試合球?

2003年11月1日
 明治神宮大会への出場権を懸けた“大阪市長杯争奪第1回関西地区大学野球選手権大会”(名称、長っ…従来までの関西地区代表決定戦)を観る為に、南港中央球場へ行く。


(大阪産業大3×2同志社大)※延長12回
 大阪産業大は左打者が多く、機動力に恵まれたチーム。2番打者の森山周内野手を筆頭に俊足選手が揃っていた。とにかく出塁したら、走る、走る!!

 投手起用は3日連続のトーナメント大会ということで、本来ならば頭(先発)のエース・徳山征守投手が後ろ(抑え)に回るスタイルとなった。(結局、延長戦に突入したので、ほぼ1試合を完投したのに匹敵する8回2/3を投げたが)
「違和感はありますけど。リーグ戦が終わってから組み込んだOP戦でテスト登板したので、少しずつ感覚は分かって来た。連投も大丈夫です。頑張ります」
 と、徳山はまだあどけなさの残る少年のような顔で力強く語っていた。

 その他には後藤剛捕手のスローイング。強肩、スピード、正確さ…どれもが高水準で、山口剛内野手の一つ一つの仕草が“プロチック”やったんが印象的であった。


 同志社大・渡辺亮投手は丁寧な投球。特に、2ストライク後の勝負球が良い。12回を投げて、18三振を奪う力投も…味方の失策絡みで3失点(自責点1)。夢に見た神宮球場のマウンドに立つことなく、渡辺の大学野球生活は終わってしまった。
「最後になっちゃいましたね…。でも、リーグ戦で優勝出来たこと、通算で26勝も挙げられたことは想像も付かなかっただけに嬉しい」
 試合後、涙を目に浮かべることもなく。いつもと同じように淡々とした口調で語る渡辺。でも、心の中では悔しさと無念さで満ち溢れていたに違いない。

 渡辺は投球中によくボールを手に取ってはジーッと、見つめる癖がある。ただ、この日はその頻度が高かった。そのことを尋ねると
「言い訳じゃないんですけどねぇ。今日は試合中にコロコロ、ボールが変わるんですよ」
 そりゃ、たった一球のボールで試合を進めるのは至難の業。グラウンドコンディションやファールの数などにも左右されるが、大体、1試合に1〜2ダースのボールを使うのはザラである。が、渡辺はそんなことを言っている訳ではない。ボールのメーカーが変わっていると訴えたかったのだ。しかも、イニングの途中に。
 メーカーによって、ボールを握った感覚は異なる。小さく感じたり、柔らかく感じたり、縫い目に引っ掛かりを感じたり…などなど。この感覚は投手にとっては生命線。だから、ボールがチェンジされる度に、感覚が異なることに違和感を覚える。
 日頃、関西学生リーグでは基本的に、試合中にボールのメーカーを変えるということがないので、渡辺は余計に違和感を覚えていたと言う。

 まぁ、この件については11月2日の日記にも続けたいと思う。

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