決勝戦のエキシビジョンマッチであるボーイズリーグ選抜チームの試合を観戦する。
 3人程、気になる選手がいた。(投手1人、野手2人)
 それにしても、中学生で大阪ドームの左中間フェンス直撃弾を放った選手がいたのにはビックリしたなぁ。しかも、ライナーではなく、高い弧を描いた打球で。もうちょっと叩いていたら、間違いなくオーバーフェンスやったはず。

 野球小僧・松倉雄太と一緒に大阪ドーム内レストランで食事をして、決勝戦に備える。何度も大阪ドームには来ているが、初めて利用した。ここで野球を観るのはオツなのか?邪道なのか?


【決勝戦】大阪ガス5×6x日産自動車 
 決勝戦に相応しい手に汗握る試合展開。
 大阪ガスが先制するも、すぐに日産自動車が逆転。また、大阪ガスが突き放しても日産自動車が追い付く。勝負の行方は延長にまで持ち込まれた。

 延長11回裏。
 5回からロングリリーフの能見篤史投手(大阪ガス)は簡単に二死を取るが…青柳大輔内野手、途中出場の中原慎一捕手から連打を食らい、二死1、2塁に。(前々回、前回同様、能見にとっては鬼門の7イニング目)
 そして、ボールカウント1−2からW杯全日本代表の主将を務めた伊藤祐樹内野手が放った痛烈なライナーは、一塁手・栗栖敏内野手が精一杯に伸ばしたミットの上を越えて、右翼線を転がって行く。2塁走者の青柳が両手を広げてホームイン。劇的なサヨナラ勝ちで日産自動車が選手権大会初制覇を成し遂げた。今夏、6年振りに都市対抗出場を逃した雪辱を晴らしたのと、会社創立70周年に花を添える形で。

 試合後の礼を終えて、日産自動車ナインの歓喜に満ち溢れた胴上げが始まった。その輪の中には、大会中も常に“ベンチ入り”していた背番号18のユニフォームと一枚の遺影も舞う。

 今年の7月、練習中に入団2年目の左腕・小沢裕昭投手が心筋炎で倒れた。そして、8月24日…それが元で、小沢は24歳という短い生涯を閉じる。日産自動車ナインにとってはあまりにも悲しい出来事であった。

「魂を込めて戦え!」
 大会中、久保恭久監督が何度もそう口にしたのは、このような背景があったからだろう。現に、日産自動車ナインは随所で魂の込もったプレーを見せてくれた。対トヨタ自動車、対一光で中堅手・吉浦貴志外野手がフェンスに激突しても、背走して掴み取った打球を離さなかったのはその象徴だったとも言える。

 話しを戻そう。
 小沢の遺影を何度も大阪ドームの天井に突き上げていたのは、スタメンマスクを被っていた須田光捕手。
 須田は小沢の大学(日大)時代からの後輩にあたり、小沢を慕い、日産自動車へやって来た経緯がある。
「いつも小沢さんと一緒に戦っている」
 顔を涙でグチャグチャにしながら、男泣きする姿から存分に須田の想いが伝わって来たことは言うまでもない。


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 久保監督
「どちらが勝ってもおかしくなかった。こうなるだろうと予測していたけれども、大阪ガスさんと本当に良い試合が出来た。また、これをたくさんのお客さんに観て貰えて良かった。この優勝は非常に嬉しく、次の新しい世界が見付けられる。だけど、ここで安心したら足元をすくわれる。どこのチームも虎視眈々と王座を狙っている訳ですから。特に、我々の神奈川は激戦区ですしね。あと、会社70周年に花を添えることも出来たのは嬉しい。夏に都市対抗出場を逃した時、責任を感じましたが。逆に、会社の方から『まだ秋があるじゃないか』と励まされた。それに応えられましたね。サッカーに続くことが出来たのも良かった。(前日に…日産自動車サッカー部が前身の横浜F・マリノスがJ1で第1ステージ、第2ステージの完全優勝を決めた)復活の日産です(笑)」


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 全国大会初の頂点を目指した大阪ガス。敗れこそはしたが、収穫の多い大会だったに違いない。悔しさと希望を胸に、来季こそリベンジだ。


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 野球博士・江本雅朗の車に同乗させて貰い帰宅。ありがとうございます。
 そして、すぐに『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)用の原稿に取り掛かる。


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 9月26日発売
『週刊ベースボール別冊新年号・811人のドラマ 2003プロ野球総決算』(ベースボールマガジン社)定価880円
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