ウチの江夏

2005年6月15日
 第54回全日本大学野球選手権大会で今年も新たな歴史が刻み込まれた。
 近畿大のエース・大隣憲司投手は札幌大戦(神宮)で大会新記録となる1試合19奪三振を達成。初の全国の舞台でその力量と度胸のあるところを存分に見せ付けた。

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 僕が大隣に注目したのは昨春のリーグ戦。成績がどうとかではなく、その左腕から投じられる“鉛玉のような剛球”に何か感じるものがあった。だから、ベースボール・マガジン社のO氏に大プッシュして、その秋の『大学野球 増刊号』で取り上げさせて貰ったのである。

 公称174?・82?。お世辞にもカッコイイ体型とは言えないし、殊にタッパ(身長)に関しては恵まれていない。但し、重心移動は抜群で体重をボールに乗せることは天下一品。大隣自身も
「フォームのバランス、重心移動にはいつも気を付けています」
 とコメントしていた。

 そして、昨秋、今春と大隣は着実にレベルアップ。チェンジアップは抜けなくなったし、スライダーのキレ味は格段と良くなった。勿論、自慢のストレートはさらに重たくなった。
 ある関西学生リーグの好打者でさえ
「あれはエグイ。マグレでもそうは打てない。宝くじを当てるみたいなもんですよ」
 そのようにこぼしていたくらいである。

 大隣はこれからどのような投手になるのだろう。楽しみであり、恐ろしくもある。こんな投手を目の当たりに出来る機会はそうないだろう。
 みなさんも是非、近畿大の試合日程をチェックして、大隣の投球を観て貰いたい。

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 尚、新聞の見出しに踊る“近大の江夏”という愛称は榎本保監督が名付け親。
 大体、大学野球の試合後取材は監督の囲みから始まり、その後に選手の囲みとなる。
「えーっ、次は“ウチの江夏”でよろしいでしょうか?」
 榎本監督が囲みの選手が大隣で良いかをどうかを報道陣に確認する際に多用しているフレーズなのだ。

 榎本監督はなぜ大隣を“ウチの江夏”と呼び始めたのか?

 ドッシリした体型なのか?
 スケールの大きい投球なのか?
 図太いながらも冷静なマウンドさばきなのか?

 今度、ちゃんと聴いておかなければ。

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