期待はしていなかったが、ち〜っとも前進していない。ドラフト改革のことである。

 10月初旬に高校生を対象としたドラフトを行ない、11月中旬に大学生・社会人を対象にしたドラフトを行なう。

 高校生ドラフトの1巡目は入札制で重複した場合はクジ。2巡目以降はウェーバー。
 大学生・社会人ドラフトは自由枠を現行のアッパー2枠から1枠として、自由枠以外はウェーバー。
 大学生・社会人ドラフトで自由枠を行使する球団は高校生ドラフトで1巡目に参加出来ない。
 これを2年限定の暫定処置とする。
 整理するとこんなところか。

 仕事柄、僕は理解出来たけれども
「訳分からん、何のこっちゃ?」
 という人が大半ではないだろうか。

 そして、ドラフトと密接にリンクするFA制度。06年から現行の9年から8年に短縮。しかし、
?年俸減額制限の引き上げ(1億超の30?→50?)
?アジア外国人枠撤廃(アジア諸国の選手は別枠)
?準支配下選手枠(練習生など)
 という条件付きのもの。

 敢えて書かないが、いくらでも“抜け穴”のある暫定案。本当に野球界(背広組)は血を流す覚悟で改革に取り組もうとしているのだろうか?こんなに時間を要して出した結論(暫定案だが)が曖昧の極み。取り急ぎ、現場の編成などは指針が見えたことで胸をなで下ろしているかも知れないが、大枠で捉えるとむしろ後退と言っても良い。

 戦力の均衡化、契約金の高騰抑止、不正金(裏金、栄養費)の撤廃。どれも結局は解決しない。というのはこれらを何とも思っていない球団がほとんどだから。特に金銭に関しては“必要悪”だという概念は絶対に拭い切れていない。
 加えて、四国アイランドリーグのドラフト対象選手。06年以降は大学生・社会人と同様の扱いにしたいようだが、ブッチャケで今年に限ってはコネとシガラミがどれだけ働いているのか!

 と書いても…それなりに僕も遠慮している。実は書けないことばかりの現在の野球界の裏側。いや、僕の知らないところではもっとエグイ裏側もあるだろう。
「野球の素人に何が分かる」
 という声もあるかも知れないが、 ワーキングチーム(作業部会)に客観的に物事を捉え、野球界にシガラミのない外部の人間を半数以上は招聘すべき。そうでないと膿は出ない。“出来レース”の繰り返しが現在に至っていることをもっと見つめることが必要なのだから。

 極論だが、ドラフトはもう不要なのかも。戦力の均衡化、契約金の高騰抑止、不正金(裏金、栄養費)の撤廃はどれもタテマエ。むしろ完全自由競争で
「タテマエなんか要らんわ」
 の方がキレイなのではないか?

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 やはり、これだけは追記しておこう。
《取り急ぎ、現場の編成などは指針が見えたことで胸をなで下ろしているかも知れないが》と前述したが、現場を無視した感は否めない。その一つは分離ドラフトの実施時期である。
 高校生ドラフトは10月初旬ということだが、この時期は秋季大会の真っ只中である。昨年同様、“プロ志望届”(=退部届も提出)の提出は必須なのだろうけれども、まず高校サイド(進路なども関係、大学への推薦入学の結論が出ていない場合もある)が困惑することは必至。で、大学生・社会人ドラフトで行使可能な自由枠もこの時点で判明していないとならない。だが、10月初旬という時期は…大学生はリーグ戦の最中であるから、自由枠発表は1ヶ月中に迫られると考えるのが普通だ。これは選手にとっても、編成にとっても急な話しだけに全くもって迷惑。そして、言うまでもなく、11月中旬の大学生・社会人ドラフトの手の内もほぼ分かることになる。(そこが編成の腕の見せ所でもあるのだが)

 推測やけれども。恐らく、現場のことには無関心なワーキングチームは今回の暫定案をこれ以上にない名案と思っているんやろうな。なんだかなぁ〜…。

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