掌(てのひら)
2005年9月3日
《写真説明》
左/シマジョーです…※ヒロシ風に
右/金子豊和内野手(大阪商業大)
【撮影/藤田悟史主務(大阪商業大)】
***************
今日は期待していた。
僕がズーッと良い選手だと言い続けて来た金子和豊内野手(大阪商業大)がリーグ戦通算100安打を達成するんちゃうかなと。
対戦する平野佳寿投手(京都産業大)は言うまでもなく関西六大学リーグ。いや、大学球界を代表する屈指の好投手だが、金子は決して苦手とはしていない。
だから、僕は金子と同じ“背番号24”のBROTHERHOODのTシャツを着て、観戦に出掛けたのである。
***************
1打席目は1回裏無死走者なし。(1番打者やからね)
金子はボールカウント1−1から平野のストレートに詰まってサードフライ。
2打席目は2回裏二死走者なし。
ボールカウント2−1から平野の投じたフォークに巧く対応してセンター前に打球を運んだ。これで通算99本目の安打。
3打席目は6回裏二死走者なし。
ボールカウント0−1からストレートの勢いに押されてセンターフライ。
そして、迎えた4打席目は9回裏一死走者なし。
初球であった。これまた平野のストレートに刺し込まれた感もあったが、左手を巧くかぶせて、ねじ込んだ打球が三塁手の頭上へ。痛烈なものではなかったが、実に金子らしい“泥臭い打球”であった。
左翼線に白球が落ちたのを確認すると、金子は走りながら小さく右拳を握り締める。そして、一塁キャンバス上で白い歯をこぼしながら自軍ベンチ(一塁側)に向かって軽くガッツポーズ。チームが2点を追い掛ける試合展開であったから喜びの表現が遠慮気味なものであったのは仕方がないところだろう。
でも、金子はこの瞬間、間違いなくリーグ戦で100本目に安打を放ったのである。僕はその事実を三塁側のカメラマン席で観ていた。
あくまでも金子にとっては通過点であるし、僕は第三者の立場だ。せやけど、思い入れのある選手の一つの節目を目の当たりにすることが出来て、胸にジーンと来るものがあった。ホンマに幸せな気分やったね。
***************
「試合は残念やったけど、100本おめでとう!」
試合後、僕は金子にそう声を掛けた。すると、金子は
「ありがとうございます。今日、島尻さんが来るのを知っていたんでどうしても打ちたかったんです。最後はセーフティーバントでもしようかと思っていたくらいですから(笑)」
と多少のリップサービスも交えながら応えてくれた。
それから、しばらく話しをして、上のような写真も撮影。で、最後に握手をした時に―。
金子は176?・77?という体躯。特別に大きいという訳ではない。だけど、金子の掌はとてもブ厚くて、マメが幾重にも重なり合ってゴツゴツしている。そして、それ以上にスゴイ力を感じた。力と言っても握力が強いのとは違う。人間が体の芯から発するパワーが宿っているというのが適切なような感じ。
それにしても…よくよく考えてみれば、金子と握手をしたのは今日が初めてではない。なぜ、今まで気付かなかったんやろう?
金子は八尾東高(現八尾翠翔高)の下級生時代、自分自身が打てずにチームが敗戦したことに責任を感じて、バットを死にもの狂いで振り込んだことがある。正直、それはムチャクチャで右手首の有鈎骨(ゆうこうこつ)を骨折してしまったくらい。
だが、金子はそれが
「自分の野球人生の原点です」
だと胸を張る。
そんな金子の持っているガムシャラさや心の強さ。そして、100本の安打を積み重ねて来た自信というものも滲み出ている本当に素晴らしい掌だった。
大学野球ラストシーズン。是非、リーグ記録の通算最多安打である119本を更新して欲しい!!心からそう願う。で、また金子と握手をしたい。今度は何が伝わって来るのだろうか?とても楽しみである。
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平野もホンマに凄かった。
詳細はまたの機会に。
取り急ぎ、HP『こちアマ』http://www.kochiama.com/を御参照下さい。
《写真館》http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/も更新しております。
左/シマジョーです…※ヒロシ風に
右/金子豊和内野手(大阪商業大)
【撮影/藤田悟史主務(大阪商業大)】
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今日は期待していた。
僕がズーッと良い選手だと言い続けて来た金子和豊内野手(大阪商業大)がリーグ戦通算100安打を達成するんちゃうかなと。
対戦する平野佳寿投手(京都産業大)は言うまでもなく関西六大学リーグ。いや、大学球界を代表する屈指の好投手だが、金子は決して苦手とはしていない。
だから、僕は金子と同じ“背番号24”のBROTHERHOODのTシャツを着て、観戦に出掛けたのである。
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1打席目は1回裏無死走者なし。(1番打者やからね)
金子はボールカウント1−1から平野のストレートに詰まってサードフライ。
2打席目は2回裏二死走者なし。
ボールカウント2−1から平野の投じたフォークに巧く対応してセンター前に打球を運んだ。これで通算99本目の安打。
3打席目は6回裏二死走者なし。
ボールカウント0−1からストレートの勢いに押されてセンターフライ。
そして、迎えた4打席目は9回裏一死走者なし。
初球であった。これまた平野のストレートに刺し込まれた感もあったが、左手を巧くかぶせて、ねじ込んだ打球が三塁手の頭上へ。痛烈なものではなかったが、実に金子らしい“泥臭い打球”であった。
左翼線に白球が落ちたのを確認すると、金子は走りながら小さく右拳を握り締める。そして、一塁キャンバス上で白い歯をこぼしながら自軍ベンチ(一塁側)に向かって軽くガッツポーズ。チームが2点を追い掛ける試合展開であったから喜びの表現が遠慮気味なものであったのは仕方がないところだろう。
でも、金子はこの瞬間、間違いなくリーグ戦で100本目に安打を放ったのである。僕はその事実を三塁側のカメラマン席で観ていた。
あくまでも金子にとっては通過点であるし、僕は第三者の立場だ。せやけど、思い入れのある選手の一つの節目を目の当たりにすることが出来て、胸にジーンと来るものがあった。ホンマに幸せな気分やったね。
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「試合は残念やったけど、100本おめでとう!」
試合後、僕は金子にそう声を掛けた。すると、金子は
「ありがとうございます。今日、島尻さんが来るのを知っていたんでどうしても打ちたかったんです。最後はセーフティーバントでもしようかと思っていたくらいですから(笑)」
と多少のリップサービスも交えながら応えてくれた。
それから、しばらく話しをして、上のような写真も撮影。で、最後に握手をした時に―。
金子は176?・77?という体躯。特別に大きいという訳ではない。だけど、金子の掌はとてもブ厚くて、マメが幾重にも重なり合ってゴツゴツしている。そして、それ以上にスゴイ力を感じた。力と言っても握力が強いのとは違う。人間が体の芯から発するパワーが宿っているというのが適切なような感じ。
それにしても…よくよく考えてみれば、金子と握手をしたのは今日が初めてではない。なぜ、今まで気付かなかったんやろう?
金子は八尾東高(現八尾翠翔高)の下級生時代、自分自身が打てずにチームが敗戦したことに責任を感じて、バットを死にもの狂いで振り込んだことがある。正直、それはムチャクチャで右手首の有鈎骨(ゆうこうこつ)を骨折してしまったくらい。
だが、金子はそれが
「自分の野球人生の原点です」
だと胸を張る。
そんな金子の持っているガムシャラさや心の強さ。そして、100本の安打を積み重ねて来た自信というものも滲み出ている本当に素晴らしい掌だった。
大学野球ラストシーズン。是非、リーグ記録の通算最多安打である119本を更新して欲しい!!心からそう願う。で、また金子と握手をしたい。今度は何が伝わって来るのだろうか?とても楽しみである。
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平野もホンマに凄かった。
詳細はまたの機会に。
取り急ぎ、HP『こちアマ』http://www.kochiama.com/を御参照下さい。
《写真館》http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/も更新しております。
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