僕の中ではベストナイン(追記版)
2006年5月13日
【写真】
今季、5番・サードを任された
“トミー”こと冨山佑希内野手(関学)
5/6 同大2回戦(スカイマーク)にて
***************
出場8試合
33打席24打数8安打.333
得点3 打点3 本塁打0 四死球6 犠打3 盗塁0 失策0
これがレギュラー選手となったトミーの初シーズンの成績だ。
まだリーグ戦は終わっていないが、この数字が変わることはないだろう。
それは今シーズン(春)、トミーはもうベンチ入りしないからである。
***************
2月中旬。
所用があって、母校のグラウンドに立ち寄った。
そして、バックネット裏で僕の現役時代の1学年先輩である浜田博コーチと談笑。
ちょうどその時、目の前でティー打撃をしている選手がいた。
「冨山、ええティーバッティングしますねぇ。今年はレギュラーっすかね?」
浜田コーチにそう尋ねてしまうくらいの迫力満点のティー打撃。
「そうやな、その可能性はあるな。頑張って貰わんと困んねんけどな」
浜田コーチは腕組みをしながらそう応えた。
***************
3月中旬。
ある大学とのOP戦が終わった後にこれまた現役時代の2学年先輩である
本荘雅章コーチと話している時もトミーの話題が出た。
「リーグ戦、6〜7番で使ったらサンビャク(.300)は確実に打つんちゃいます」
「おお、それなりに打つと思うで。エラー10個するかも知れんけどなぁ」
「サンビャクと10失策っすか(笑)。それは難しいっすね」
「そうやねん(笑)」
そのような会話を交わした。
***************
リーグ戦前。
関学の野球部にとって実に悲しい出来事があった。
この『野球ノ歩キ方』でも既に書いたが、マネージャーの梅本祐介が他界―。
何人もの部員がBlogなどで心境を綴っていたが、
トミーの決意は並大抵のものではなかった。
そして、4月1日(西京極)。
トミーは“5番・三塁手”の定位置をガッチリと死守して
レギュラー選手として初めてのリーグ戦を迎えた。
開幕当初、内容こそ良かったものの
なかなか『H』のランプがスコアボードに灯らない。
また、記録こそ失策にはならなかったが、怪しい守備もあった。
そして、天候にも泣かされて開幕カードの近大戦で連敗。
決意とは裏腹な厳しいスタートとなる。
足がパンパンだ
家に戻ると何もする気が起きないくらい疲れている
レギュラー選手として1試合フルに出るのがこんなに大変だとは
これを1回生の頃からズーッと続けている
同期の清水誉や1学年下の荻野貴司の凄さが改めて分かる
トミー自身、このような旨をBlogでも綴っていたくらいだ。
だが、徐々にトミーはレギュラー選手として結果を出し始めた。
5番打者ではあるが、ポイントゲッターと言うよりはチャンスメーカー。
中堅方向中心の鋭い打球の安打で何度もチャンスを作り、
要所では四球を選んで“繋ぎ役”にも徹した。
で、チームも立命戦、京大戦と4連勝。
トミーはリーグ優勝に向かっての役割を存分に果たしていた。
しかし、同大1回戦でまさかの敗退。
絶対に落とせない同大2回戦でのことであった。
1打席目で中前安を打ったトミーは2打席目も鋭い打球を二遊間に放つ。
だが、この打球を同大の二塁手・藤本和隆が逆シングルで好捕。
そして、振り向きざまに一塁へ送球する。
この送球は必然的に(苦しい態勢からだったので)本塁方向へ流れる。
トミーも何とかセーフになろうと一塁キャンバスに必死で駆け込む。
タイミングはとても微妙だった。
公平な目線で…一塁側カメラマン席から観ていた僕には
同大の一塁手・尾上幸也の右足は明らかに一塁キャンバスから離れていた。
だが、判定はアウト。
残念ながらトミーの優勝を諦めない執念の全力疾走は実らなかった。
しかもこの際に、勢いを止められずに転倒。
右肩を強打して無念の負傷退場となってしまったのである。
すぐにトミーは病院へ急行。
診断結果は大事には至らなかったが、
トミーの元には優勝が絶望的となる2連敗という残念な結果が届いた…。
***************
骨折や脱臼という最悪の事態は免れたが、
トミーの右肩の症状は良いものではなかった。
バットは振れないし、当然、ボールも投げられない。
優勝への望みは断たれてしまったが、“伝統の関関戦”がまだ残っている。
トミーは病院にカンヅメで治療に専念。
5時間半、9時間、5時間…連日、右肩に電気を当て続けた。
皮膚は小さな水ぶくれでイッパイになり、内出血だらけになる。
だけど、試合でプレー出来る状態にはならず。
“関関戦”はスタンドから観戦することになってしまったのだ。
***************
以下、後輩だからという贔屓目ではなく。
“関関戦”こそ欠場となってしまったが、
トミーは今シーズン、胸を張れる成績を残した。
また、優勝こそ逃してしまったが、
チームへの貢献度というものは数字以上のものである。
このことをベストナイン投票の権利を持っている
記者クラブの記者たちがどれだけ気付いているのだろうか?
取材に来たり、来なかったりという現実で
連盟が用意した《ポジション別の成績表》の
数字だけを頼りに投票する傾向が強いだけに…。
今日は雨なので京大−近大、関大−関学は未消化であるし、
“同立戦”も丸々1節が残っている。
気が早いかも知れないが、
トミーのベストナイン争いのライバルは同大の土井一也くらいであろう。
確かに土井もよく頑張っているし、素晴らしい選手だ。
でも、純粋に今シーズンは
トミーが三塁手のベストナインに相応しい選手だと思う。
(“同立戦”での土井の貢献度次第という前提で)
リーグ戦を終えて、仮にトミーがベストナインを獲れなかったとしても。
僕の中ではトミーがベストナインだ!!!!!
***************
まぁ、『たかが個人タイトル、されど個人タイトル』。
獲れたら嬉しいことに間違いはないだろうけれども、
トミーが目指しているものはもっと違うところにあるはずだ。
今春、果たすことが出来なかった決意を秋に実現出来るように。
さらなる成長と奮起を期待している。
***************
【追記】
大体、打撃成績のみを目安にするのがナンセンス。
規定打席が30〜50打数の大学野球のリーグ戦において
安打1本でどれだけ打率が前後するか分かっているのだろうか???
(まぁ、その安打1本が大事ではあるんやけれども)
僅差であった場合でもチームの順位を加味する程度。
このような目線での投票によるベストナインなんて…。
まぁ、選ばれた選手に文句を言うつもりは全くないが。
今季、5番・サードを任された
“トミー”こと冨山佑希内野手(関学)
5/6 同大2回戦(スカイマーク)にて
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出場8試合
33打席24打数8安打.333
得点3 打点3 本塁打0 四死球6 犠打3 盗塁0 失策0
これがレギュラー選手となったトミーの初シーズンの成績だ。
まだリーグ戦は終わっていないが、この数字が変わることはないだろう。
それは今シーズン(春)、トミーはもうベンチ入りしないからである。
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2月中旬。
所用があって、母校のグラウンドに立ち寄った。
そして、バックネット裏で僕の現役時代の1学年先輩である浜田博コーチと談笑。
ちょうどその時、目の前でティー打撃をしている選手がいた。
「冨山、ええティーバッティングしますねぇ。今年はレギュラーっすかね?」
浜田コーチにそう尋ねてしまうくらいの迫力満点のティー打撃。
「そうやな、その可能性はあるな。頑張って貰わんと困んねんけどな」
浜田コーチは腕組みをしながらそう応えた。
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3月中旬。
ある大学とのOP戦が終わった後にこれまた現役時代の2学年先輩である
本荘雅章コーチと話している時もトミーの話題が出た。
「リーグ戦、6〜7番で使ったらサンビャク(.300)は確実に打つんちゃいます」
「おお、それなりに打つと思うで。エラー10個するかも知れんけどなぁ」
「サンビャクと10失策っすか(笑)。それは難しいっすね」
「そうやねん(笑)」
そのような会話を交わした。
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リーグ戦前。
関学の野球部にとって実に悲しい出来事があった。
この『野球ノ歩キ方』でも既に書いたが、マネージャーの梅本祐介が他界―。
何人もの部員がBlogなどで心境を綴っていたが、
トミーの決意は並大抵のものではなかった。
そして、4月1日(西京極)。
トミーは“5番・三塁手”の定位置をガッチリと死守して
レギュラー選手として初めてのリーグ戦を迎えた。
開幕当初、内容こそ良かったものの
なかなか『H』のランプがスコアボードに灯らない。
また、記録こそ失策にはならなかったが、怪しい守備もあった。
そして、天候にも泣かされて開幕カードの近大戦で連敗。
決意とは裏腹な厳しいスタートとなる。
足がパンパンだ
家に戻ると何もする気が起きないくらい疲れている
レギュラー選手として1試合フルに出るのがこんなに大変だとは
これを1回生の頃からズーッと続けている
同期の清水誉や1学年下の荻野貴司の凄さが改めて分かる
トミー自身、このような旨をBlogでも綴っていたくらいだ。
だが、徐々にトミーはレギュラー選手として結果を出し始めた。
5番打者ではあるが、ポイントゲッターと言うよりはチャンスメーカー。
中堅方向中心の鋭い打球の安打で何度もチャンスを作り、
要所では四球を選んで“繋ぎ役”にも徹した。
で、チームも立命戦、京大戦と4連勝。
トミーはリーグ優勝に向かっての役割を存分に果たしていた。
しかし、同大1回戦でまさかの敗退。
絶対に落とせない同大2回戦でのことであった。
1打席目で中前安を打ったトミーは2打席目も鋭い打球を二遊間に放つ。
だが、この打球を同大の二塁手・藤本和隆が逆シングルで好捕。
そして、振り向きざまに一塁へ送球する。
この送球は必然的に(苦しい態勢からだったので)本塁方向へ流れる。
トミーも何とかセーフになろうと一塁キャンバスに必死で駆け込む。
タイミングはとても微妙だった。
公平な目線で…一塁側カメラマン席から観ていた僕には
同大の一塁手・尾上幸也の右足は明らかに一塁キャンバスから離れていた。
だが、判定はアウト。
残念ながらトミーの優勝を諦めない執念の全力疾走は実らなかった。
しかもこの際に、勢いを止められずに転倒。
右肩を強打して無念の負傷退場となってしまったのである。
すぐにトミーは病院へ急行。
診断結果は大事には至らなかったが、
トミーの元には優勝が絶望的となる2連敗という残念な結果が届いた…。
***************
骨折や脱臼という最悪の事態は免れたが、
トミーの右肩の症状は良いものではなかった。
バットは振れないし、当然、ボールも投げられない。
優勝への望みは断たれてしまったが、“伝統の関関戦”がまだ残っている。
トミーは病院にカンヅメで治療に専念。
5時間半、9時間、5時間…連日、右肩に電気を当て続けた。
皮膚は小さな水ぶくれでイッパイになり、内出血だらけになる。
だけど、試合でプレー出来る状態にはならず。
“関関戦”はスタンドから観戦することになってしまったのだ。
***************
以下、後輩だからという贔屓目ではなく。
“関関戦”こそ欠場となってしまったが、
トミーは今シーズン、胸を張れる成績を残した。
また、優勝こそ逃してしまったが、
チームへの貢献度というものは数字以上のものである。
このことをベストナイン投票の権利を持っている
記者クラブの記者たちがどれだけ気付いているのだろうか?
取材に来たり、来なかったりという現実で
連盟が用意した《ポジション別の成績表》の
数字だけを頼りに投票する傾向が強いだけに…。
今日は雨なので京大−近大、関大−関学は未消化であるし、
“同立戦”も丸々1節が残っている。
気が早いかも知れないが、
トミーのベストナイン争いのライバルは同大の土井一也くらいであろう。
確かに土井もよく頑張っているし、素晴らしい選手だ。
でも、純粋に今シーズンは
トミーが三塁手のベストナインに相応しい選手だと思う。
(“同立戦”での土井の貢献度次第という前提で)
リーグ戦を終えて、仮にトミーがベストナインを獲れなかったとしても。
僕の中ではトミーがベストナインだ!!!!!
***************
まぁ、『たかが個人タイトル、されど個人タイトル』。
獲れたら嬉しいことに間違いはないだろうけれども、
トミーが目指しているものはもっと違うところにあるはずだ。
今春、果たすことが出来なかった決意を秋に実現出来るように。
さらなる成長と奮起を期待している。
***************
【追記】
大体、打撃成績のみを目安にするのがナンセンス。
規定打席が30〜50打数の大学野球のリーグ戦において
安打1本でどれだけ打率が前後するか分かっているのだろうか???
(まぁ、その安打1本が大事ではあるんやけれども)
僅差であった場合でもチームの順位を加味する程度。
このような目線での投票によるベストナインなんて…。
まぁ、選ばれた選手に文句を言うつもりは全くないが。
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