関西学生《私的感想》
【写真】
5月14日 京大2回戦(甲子園)
勝利して3季連続39回目のリーグ優勝を決めた近大
胴上げされる榎本監督

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まだ、リーグ戦の全日程は終わっていないが。
近大の優勝も決まったことであるし、
某サイトでの結果のみによる講釈が少し不満だったので(苦笑)。
観戦数が多い者として《私的感想》を綴りたいと思う。

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☆近大(1位確定)
スター選手が多かった2年前、3年前とは確実にチームカラーが違う。
昨年のチーム程の“泥臭さ”は感じないが、
大学選手権準優勝、神宮大会初戦敗退の悔しさを
各選手が心の糧にしているのがよく分かる。

エース・大隣はフィジカル的にもベストコンディションでなかったようであるし、
球種を増やしたことで微妙なズレを修正していたよう。
でも、その中で投球の幅が広がったのは確かで、
今後へのステップアップに繋がるということを感じ取れた。

初レギュラーシーズンの主将・有竹は数字以上に
“当たり前のことを当たり前にやる捕手”で
特に投球を後ろに逸らさない“技術と気持ち”は素晴らしいの一言。
これに引っ張られるかのようにチーム全体として
守備の安定感はリーグ随一!
これがリーグ戦を制した大きな要因であろう。

実績のある小瀬、森志の“1・2番コンビ”の活躍は勿論、
津田の“勝負強さ”、吉川の“意外性”も光る。
そして、しぶとさで“陰のMVP”とも呼べる南が本当に頑張った。
これによってシーズン途中から打撃に期待出来る
森大を外野手として起用することが可能になったのは大きい。
また、不振であった中東も復調の気配であるし、
大学選手権では石井やケガに泣いた北野がDHに入るのでは。
良いチーム状態で大学選手権に臨んで欲しい。

☆同大
立命戦を残しているが、何と言っても佐川の台頭に尽きる。
田林が出遅れる中(就職活動など)、
大阪桐蔭高時代に中継ぎ専門であったとは思えないくらい
先発投手として“心技体”で成長著しい。
2戦目以降の投手が確立出来れば、
打線も荒川、藤本、土井、安井、佐谷、尾上、阪田、岸と
左右のバランスも悪くないし、バラエティーに富んだ陣容。
近大とも互角の戦いが出来るように思える。

尚、今春より正捕手に定着した佐谷。
強肩が何よりの武器だが、野手への指示などもハッキリしているし、
打撃もツボを持っているので今後、非常に面白い存在。
主将・萬浪やケガからの復帰を期す磯部など
レギュラー争いも厳しいが、注目したい選手である。

☆関学
宮西は調子が悪い時でも
徐々に“顔と名前”で投げられるようになって来ているのは強味。
これはエースの一つの条件でもあるので。
同大と同じで、あとは2戦目以降の投手を育てたい。
平均レベル以上の投手が多く、中継ぎには困らない投手事情。
誰が出て来るかだ。

打線は坂田監督が評するように
1番・荻野、2番・黒川、3番・千藏、4番・清水、5番・冨山が
規定打席に到達して3割超えという強力な布陣。
特に荻野と黒川の1・2番コンビの打力・走力で
サクッと1点を取れてしまうのは他校には脅威である。
チーム打率が.305と現時点では近大以上なので、
言うまでもなく5番打者以降の育成が急務となる。

あとは勝負所での“ひ弱”さの克服。
まぁ、昨年、今年と優勝争いに絡めるようになったので、
チームとしての経験値が着実に上がっていることで
天候や審判の判定に泣かされるという“不運”も解消したい。

☆立命
バッテリーを中心に経験豊富な選手が数多く残り、
リーグ戦前は優勝候補の筆頭にも挙げられていた立命。
だが、個人的にOP戦(日本生命戦)を観て、正直なところ不安になった。
どう説明して良いのか難しいが、
勝利に対する貪欲さに“ムラ”があるという感じ。
近大戦では“どうにかしてやろう”という雰囲気はあったが、
最終的にその“ムラ”が出てしまったようにも思えた。

第三者なのでその要因は分からないが、
金刃、西川、西岡、川端、西村、中塚ら4回生を脅かす存在が
いなかったことも関係しているのかも知れない。

これは内部から自発的に変えて行くしかないだろう。
現時点で残された近大3回戦と同大戦で何かを掴みたいところだ。

☆関大(5位確定)
まず、2ヶ月足らずのリーグ戦で“ケガ人”に泣いた。
エース・田辺佑は言うまでもなく、
ヒットメーカー・橋本までもがシーズン半ばに離脱。
しかし、その穴を埋める人材が豊富であったことも証明する。
投手陣に関しては苦し紛れというのも少しは感じられたが、
澤田、新田、武内、渡部、田中らの下回生が台頭。
野手では浦上が橋本の代役とは思えない奮起を見せた。
あとは就任2季目の土佐監督が選手の力量に加えて
性格なども把握することが今後の鍵になるのではないか?
“適材適所”と言うよりは“直感的”と思える選手起用・交代に映ったのも事実。
4番に据えた瀬口あたりを簡単に代えてしまうのは
第三者という立場からしても大きな疑問を抱いたもの。
(致命的なミスを犯したり、雰囲気を損ねているようには感じない)
瀬口あたりは気分良くプレーさせたら面白い存在だと思うのだけれども。

☆京大(6位確定)
昨季の主力が抜け、苦しいシーズンになってしまった。
しかし、投打共に選手個々の力量が大幅にダウンしているようには感じない。
最大の課題はバッテリー。
投手は熊本、川添、尾藤らに加えて、天満、安保らも経験を積んだ。
捕手は主将・服部と吉村の併用であったが、
信念を持って、どちらかに固定すべきように思えた。
そして、あまりにも多かった与四死球と許盗塁を減らしたい。

打線は基本的にバットが振れている。
試行錯誤ということもあったのだろうが、
こちらも我慢して、ある程度は固定メンバーで戦いたいところ。

個人的には走力のある小林に
田中か片山あたりを上位で組ませることが得点力アップに繋がるように感じる。

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あと、HP『こちアマ』http://www.kochiama.com/
特集を組んだこともあるので、『関関戦』への言及も。

☆日程
甲子園を使うことになって、プロ野球の日程も関係しているのだろうが。
金曜・土曜(予備日が日曜)開催は再考すべき。
やはり、エース登板になるであろう1回戦は休日が多いと思われる土曜にしたい。
仮に3回戦に突入した場合や予備日が他球場になっても構わないのでは。
近大−立命1回戦(スカイマーク)の
大隣と金刃の投げ合いでの集客力でそれは実証されたと思う。

☆応援
応援団・チア・吹奏が懸命に盛り上げようとしているのは理解する。
しかし、その応援方法には多いなる疑問を抱く。
応援を盛り上げたいのは分かるが、
甲子園のバックネット裏の席や通路を
応援団やチアで占拠するのはどうかと思われる。
球音を楽しみ、ジックリと野球を観に来ている人間にとっては
苦痛でしかないということをどれだけ認識しているのだろうか?
よってスピーカーや拡声器も不要。
銀傘の下でどれだけ反響することか。(太鼓も銀傘の下は勘弁)
応援でも『関関戦』を真剣に盛り上げたいのならば、
野球部と応援団・チア・吹奏で協力して、
応援席で野球を観てくれる観客を動員する努力を真剣にするべき。

『関関戦』だから野球部が応援団・チア・吹奏に依頼する。
応援団・チア・吹奏は依頼を受けたから『関関戦』の応援をしている。
そのような慣れ合いのスタイルから
脱却しなければならない時期を迎えているのでは?

☆試合後のエール交換
この時に両校の監督・コーチは整列せずに早々とベンチ裏に引き上げて来る。
取材する立場としてはありがたいのだが、
“伝統の『関関戦』”と謳っているからには
その辺りの儀礼的なところもシッカリとやるべきではないか。
個人的にそう思えて仕方がない。

これらを関学、関大だけでなく、連盟も本気で考えて欲しい。

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以上、好き勝手に書いてしまったが。

次回は関西六大学に関して書きたいと思う。

コメント

窓際淳司
2006年5月16日14:03

応援に関して。
野球ではなく、サッカーだったんですが、どうにも応援している生徒が「部外者はどこかへ行ってください」的な雰囲気を醸し出しているんですよね。応援も内輪ネタが多くて、閉口しました。
野球はどうかは知りませんが、やはり母校の応援ともなれば、一緒に応援したいって人もいるはずなんですけどね。

「関関戦」はもっと特別視されていいはずです。
単なる一試合じゃなくて、そういうものを超越したものであるべきだと思います。
昨今、愛校心ってなもんが希薄になる中、野球部や応援団といった関係者に限らず学校全体(OB含め)が盛り上がっていいと思うんですよね。

関大マグマとか聞くと、一瞬にして、あの淡い青春時代に戻れます。

シマジョー
シマジョー
2006年5月16日20:01

>窓際淳司さん
確かに「内輪ウケ」というのは最近の応援の傾向かも知れません。
僕はそれはそれで楽しむ感覚は持っていますけれども。

超越したもの…そうなんですよねぇ〜。
「関関の両校」、ポコポコと無意味な!?新しい校舎を建てる前に
そういう支援も惜しまずにするべきではないでしょうか。
それによって
「関関」に行きたいという学生も増える可能性だってあると思いますしね。
そして、極論で有能な出身者が出ることで
新校舎ポコポコよりも良いPRになるような気もしますしね。

僕は幸いにも青春時代に戻れる機会が多いので幸せですよ♪

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