主将・ミゾ

【写真】
都市対抗予選（阪和地区）第二代表決定戦に勝利した大阪ガス
雄叫びで応援席に勝利の報告をする
主将・溝下進崇外野手（大阪ガス）

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試合詳細は『こちアマ』http://www.kochiama.com/を御参照下さい。

正直なところ。
最近、大阪ガス離れしていた。
親しかった選手も徐々に少なくなっていたし（引退）、
大阪ガスはインターネットをする選手も少ないようで『こちアマ』の認知度も低いから
僕の中で自分本位ながら冷めていた部分もあったのかも知れない。

それでも、ミゾはいつも

「ジョーさん、こんにちは！」

と大きな声で挨拶してくれる数少ない選手だった。
まぁ、大学時代から互いに知っているということもあるのだが。

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以前、『こちアマ』にも《読み物》のコーナーがあって、
ミゾのドキュメントを載せていたことがある。

ミゾは生まれた時から
薬（サリドマイド）の影響で右手の人差し指・中指・薬指の先が欠損している。

当然、小学生の頃はそれがミゾのコンプレックスで
ジャンケンではいつもグーを出していたし、
“爪切り検査”は苦痛でしかなかったと言う。

でも、野球では幼少時から目立つ存在だった。
右手でボールが握れないので左投げに。
右手の握力が弱いので右打ちに。
必然的に野球界では珍しい《左投げ・右打ち》の少年は
野球が唯一の生き甲斐だったと振り返る。

そして、上宮高時代は同級生の黒田博樹（現広島）を3番手に追いやって
西浦克拓（元北海道日本ハム）とエース格を務めた。
関西大では1回生春から外野手のレギュラーとなり
順風満帆な野球人生を送っていたのだ。

しかし、大阪ガスへ入ってから壁にぶつかる。
試合に出ていて当たり前だったのが、試合になかなか出られない。
数少ない出場機会でも結果が出せない。
そこでミゾは何が足りないのかを見つめ直して、
野球選手としても、人間としても一回りも二回りも成長したのだ。

で、01年くらいから試合出場も増え、
02年のスポニチ大会で首位打者も獲得した。

だが、ミゾの野球人生はまだまだ続いている。

昨季から大阪ガスの主将に就任したが、チームは都市対抗出場を逃してしまう。
ミゾは坊主頭にして、一からの出直しを誓った。

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「1年分の想いと言うか…ホンマに長かったです」

経験や立場も含めて、実に苦しかった1年。
だからこそ都市対抗出場の切符を掴んで感情が爆発する。
優勝を決めた瞬間から嬉し涙が止まらなかった。

だけど、最後は「男らしく」。
応援席への勝利の報告は雄叫びを上げた。

ミゾ、おめでとう。
そして、東京Dでも頑張ってくれ！！！！！