2月11日
 今春より阪神大学リーグ一部昇格。関西国際大の取材へ三木Gに足を運ぶ。

 幼稚園、専門学校などを母体として関西女学院短期大学に。そして、98年に関西国際大学として開学した新しい大学である。

 野球部創部は98年で、阪神大学リーグには01年に加盟。
 02年に元ブルーウェーブ球団代表の井箟重慶が経営学部教授に就任したことが契機となり、野球部の活動に力を入れるようになった。
 03年より鈴木英之(PL学園高−駒澤大−神戸製鋼)が監督就任。翌04年には山野司(PL学園高−近畿大−三菱重工神戸)もコーチに就任して、早々に三部リーグ→二部リーグ→一部リーグとスピード昇格を果たした。そして、05年からは野村昌裕(高塚高−神戸製鋼−三菱自動車岡崎)が投手部門を指導することになり、さらなる飛躍が期待されるチームである。

 指導者が輝かしい球歴を持っているという予備知識は持っていたが、関西国際大はそれだけに頼っていないというのが練習を観て、すぐに感じ取ることが出来た。
 確かに指導者の“引き出しの多さ”はある。選手の個性を活かした指導法。ただ、本当にチームとしての基本が叩き込まれていると言うか、当たり前のことを当たり前にプレー出来るのは強味。
 鈴木監督は
「ウチなんかまだまだですよ」
 と謙遜していたが、大学野球の練習でこんなに良い練習を観たことがない。目的がハッキリしていて、効率が良くて(メイングラウンドのすぐ横にサブグラウンドやブルペンが隣接しているという好環境もある)、各々の選手が一つの練習メニューを通じて成長している。日頃は東京での活動がメインのカメラマン・K氏も
「こんな素晴らしいチームはないですよ。強くなりますよ」
 と大絶賛。
 部員が新1回生も含めて90名という大所帯であるが、グループ別(1軍とか2軍とかではない)で全部員がノックを受け、バッティングをして、ピッチングをして…と区別もされていない。
 そして、挨拶などの礼儀が徹底されているのだが、選手と首脳陣の間でもコミュニケーションがシッカリと形成。時には笑いもあって、“緊張感”と“和気藹々”のバランスが非常に良い。首脳陣も選手によく声を掛けていたし、選手も積極的に首脳陣にアドバイスを求めていた。
 個人的に感心したのは、打つ本数・回数の決まっているバッティング練習でも選手が
「もう1回打ちたいんですけど、宜しいでしょうか」
 と山野コーチにアピールして、それが認められていたところ。通常ならば
「自主練習で打っておけ」
 とか言われそうだが…“鉄は熱いうちに打て”と言ったところか。勿論、その選手は全体練習が終わった後も自主練習で打ち込んでいた。

 新進校で力量的に飛び抜けた選手がいる訳ではない。でも、キラリと輝く選手もたくさんいた。それは鈴木監督をはじめ、首脳陣の技術的なところだけでない野球に対する考え方が浸透しているからであろう。

 鈴木監督から色々な話しを聴くことが出来た。野球というスポーツの持つ魅力を改めて感じた次第。そして、
「簡単に1部では勝たせて貰えないですよ。そんなに甘い世界ではない。でもね…」
 という言葉が印象的だ。

 近い将来、関西国際大は関西だけに留まらず、大学野球界で名を轟かすに違いない。それだけの何かを持っている、目指しているチームである。自信を持って、断言しておこう。

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