よく会う

2003年8月5日
 最近、ある野球関係者とよく会う。街中で偶然に。
 かつての“速球王”。いや、“剛球王”の方が相応しいのだろうか。現在、タイガースで二軍投手コーチを務める山口高志である。

 山口は昨年までブルーウェーブの編成であったし、今年も何度か鳴尾浜に足を運んでいるので。街中で会っても、簡単ながらも言葉を交わせる仲である!?昨日も挨拶の後、
「よう会うけど近所なんか?」
 山口が尋ねて来るので、僕は
「ええ、家はすぐそこなんです」
 と、応える。
「ふ〜ん、そうなんや」
 山口は納得しながら
「まぁ、甲子園(高校野球)も始まるし、忙しくなるやろうけれども。体に気ぃ付けて、頑張ってな」
 優しい言葉を掛けてくれた。

 知らない人が見たら。イカツイ男同士(山口は身長こそ高くないが)が街中で顔見知りが会話している。ただ、それくらいにしか見えないだろうが、僕的には“あの山口高志”と普通に話せることは、数年前では考えられないことだ。大変なこともたくさんあるが、この仕事を選んで良かったと思う瞬間でもある。でも、実は…僕、山口の投球をリアルタイムで観たことがない。残された記録と伝説だけ。それだけが悔しくて仕方がない。
 だけど、スポーツライターという仕事はこのような部分をカバー出来る役割もあるんやな。と、再認識。僕の書いたモノが後世に残り、
「あぁ、こういう選手やったんや」
 少しでも感じ取り、想像を膨らませてくれる人間がいる可能性もあるのだ。ライブ、リアルタイムには到底、敵うことはないが。そういう意味での責任は重いのかも知れない。精進するのみだ。


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 山口を紹介してくれたのは、この日記にも度々、登場する竹内孝行(タイガース編成)だ。
 竹内は関西大出身で、山口の後輩に当たる。そのような上下関係もあり、南港中央球場のバックネット裏で
「彼は関西学院大で2学年下なんですけれども、スポーツライターをやっているんです。どうか宜しくお願いします」
 と、キッカケを作ってくれたのである。

 そもそも、僕と竹内の関係も不思議だ。
 僕は関西学院大の野球部に在籍していたのだが、その時、竹内は2学年上で関西大野球部の主務。で、僕が余程、KG(関西学院大)キャラではなかったのか???あるいは相当にあつかましかったのか???当時から、不思議なことに竹内は僕のことを可愛がってくれたもの。竹内が野球部引退を控えた4回生の秋のシーズンにも
「島尻、一緒に写真撮ろうやぁ」
 そう声を掛けて貰ったくらいだ。

 今でもその写真がアルバムの中に収めてある次第。西宮スタジアムの薄暗いロッカー前通路で撮った写真だ。あれから、もう10年の月日が流れている―。

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