ヒンヤリとした空気に包まれた通路を通り抜けると、青空の下にグラウンドが一面に広がる。(ドーム球場不可)
 まず僕は球場に着くと、バックスクリーン上のセンターポールを見上げる。はためく旗で“風向き”と“風の強さ”を確認する為である。尚、試合中もイニングの合間や投手交代の後などに結構、気に掛けている。
“風向き”と“風の強さ”は野球の試合の中で大きな意味を持っている。投手のロケーション(配球、組み立て、伊良部秀輝風に)も変わって来れば、打者の狙い球も変わって来る。そして、時には風のイタズラが決定的に勝負を左右することもある。
 いつからだろう?この行為が習慣化したのは。残念ながら、学生時代に野球をプレーしていた頃は習慣になっていなかった…。

 阪神甲子園球場は右翼から本塁方向に吹く“浜風”が有名である。が、上空でクルクル舞っていたり、逆に本塁方向から右翼方向に吹いている時もある。そう、常に“浜風”が吹いているとは限らないのだ。

 昨日のセンバツも熱戦であった。特に、第4試合目の花咲徳栄高−東洋大姫路高は延長15回の2−2引き分け。3時間13分にも及ぶロングゲームであったが、つい時間を忘れてしまう程に“手に汗握って”しまった。
 15回裏―東洋大姫路高の6番打者・野崎和内野手が投ゴロに倒れ、引き分け再試合が決まった瞬間。僕はまた、バックスクリーン上のセンターポールを見上げる。甲子園では珍しい無風に近い状態で、国旗、連盟旗、毎日新聞社旗、両校旗は静かに垂れていた。
 再試合は本日の11:00より。両校の選手共に3日連続の試合になり、疲れもピークだろう。そして、一昨日も9回完投。昨日も延長15回投げ抜いた福本真史投手(花咲徳栄高)、グエン・トラン・フォク・アン投手(東洋大姫路高)は果たして登板するのだろうか?

 風はどっちに吹き、勝利の女神はどちらに微笑むのか?さすがに本来の“風向き”と“風の強さ”よりも気になってしまう。
 あまりにも“あっけない”幕切れ。
 言うまでもなく、センバツ・花咲徳栄高−東洋大姫路高の再試合のことである。

 逆転。また、逆転の繰り返しはまさにシーソーゲーム。エラーなどのミスも目立ったが、良い試合。鳥肌が立つシーンが何度もあった。両校に心から拍手を送りたい。

 延長10回裏、花咲徳栄高ベンチが選択した満塁策も仕方ないだろう。1点を失えば敗戦は決まる。塁を埋め尽くした方が守り易いだろうし、東洋大姫路ベンチの動きを封じる目的もあったに違いない。そして、ボールカウント2−2からの引っ掛かったスライダー…。3連投、9回裏からマウンドに上がった福本真史投手は両膝を落とし、体全体を振るわせる。しばらく動けずに、川嶋仁徳三塁手の手を借りて、やっと最後の整列。
 悔しくて、やり切れない気持ちは当然。泣けるだけ泣けば良い。でも、まだまだ終わりじゃない。夏の選手権大会もあるし、その後…野球を続けようと、続けまいと。ここでの勝負が全てではない。それは福本だけでなく、みんなに言えることだ。

 帰宅後、改めて、この試合をニュースで観る。関西ローカルということもあり、東洋大姫路高贔屓ということもあったのか!?
「アン君、福本君、共に気力だけで頑張ったんですけどねぇ。でも、最後は近畿勢の意地を見せて、東洋大姫路高に軍配が上がりました」
 って、あるアナウンサー…。ちょっと納得行かへんなぁ。
 確かに、気力と意地も大切なことやけれども、気力と意地だけでは野球出来へんやろう。それとも、関東勢は近畿勢より気力と意地がないと言いたかったのか???
 まぁ、それは僕のひねくれすぎた観方なのかな…。

 ちなみに甲子園の“風の強さ”は比較的、緩やか。しかし、“風向き”はグチャグチャ。バックスクリーン上のセンターポールの旗はめいめいの方角にはためいていた。
 10回裏、前川直哉外野手が放った右翼越えの三塁打になった大飛球。東洋大姫路高に風が吹いたのかもね!???


 甲子園球場にて、苦楽園のパスタ屋“カウカウ”のオーナー・寺本哲夫、御子息とお会いする。このお店は浦口雅広(大阪ガス)にいつも連れて行って貰う。美味しいのは勿論、ボリュームも文句なし。しかも、
「トマト系のソースで、ちょっとニンニクが効いているのを冷製で」
 などのワガママにも応えてくれるのだ。
 落ち着いてからで構わないので、また連れて行って下さいな!>浦口

 夕刻、立命館大の嶋岡孝太内野手から電話あり。『大学野球 増刊号』(ベースボールマガジン社)が届いた&記事を読んだとのこと。律儀な子である。感心。こういうのがモノカキとしては一番、嬉しい時だなぁ。

『週刊漫画アクション』(双葉社)連載《野球のツボを押しましょう!!》の原稿を仕上げる。前々からネタは考えていたので、意外にスンナリ書ける。

 松井秀喜外野手(ヤンキース)、メジャー開幕戦、初打席初安打初打点。夢中になってテレビを観ていた(途中まで)おかげで、家を出るのが予定より遅れてしまった(苦笑)。

 野茂英雄投手(ドジャース)、ランディー・ジョンソン投手(ダイヤモンドバックス)に投げ勝って、開幕戦を完封勝利で飾る好スタート。

 ブルーウェーブ、開幕4連敗でストップ。バファローズは球団史上最高の開幕5連勝。

 その他にも、昨日は色々あったんよ…。整理するのが大変っす(T_T) だけど、野球が好きなんだなぁ〜♪
 脱力…。とても日記が書ける状態ではない。

 4月2日、阪神甲子園球場にて…鞄(紺色のトートバッグ)を丸ごとパクられました(>_<)
 まぁ、無用心、不用意、危機感なしに、席を離れてしまった(しばしの間)僕が悪いんは大前提やけれども。何も丸ごと持って行くことないやんかーっ!!!
 中身、金目のモノなんかナッシングやで。
 入っていたモノと言えば、
・A4ファイル2冊(赤:スクラップ、黄:スコアシートファイル)
・B5ファイル1冊(黒:スクラップ)
・B5ノート1冊(スクラップ)
・雑誌2冊(サンデー毎日センバツ特集号、週刊ベースボール)
・4月2日のニッカンスポーツ(読みかけ)
・スケジュール帳(スケッチブック式)
・ICレコーダー(SONY製)
 パクって行ったヤツの役に立つモノは一切ないはずだ。でも、僕はそれがないと非常に困る。仕事にも差し障りが…。
 唯一、金目のモノとも呼べそうなICレコーダーだってボロボロやん。鞄も縫製はシッカリしているけれども、ノンブランドっす。(HERMES、Pringleじゃなくて良かったよ!???)

 淡い期待を抱いてパクり、ガッカリしたヤツ。もしくは発見された方は早急に阪神甲子園球場事務所か甲子園警察署まで、届けて下さい。マジで、マジで頼みますm(_ _)m(拾って下さった方にはお礼させて戴きます)

 しかし、
「こんなん要らんわ」
 と、甲子園の大きなゴミ箱にでも放られていたら…ジ・エンドやな(T_T)


 昨シーズン限りで廃部になってしまった三菱自動車京都(社会人野球)の選手兼マネージャー・吉本守から葉書が届いていた。三菱自動車工業株式会社を退職して、新しい仕事で可能性を試すべく頑張っているようだ。
 尚、JR弁天町駅前の居酒屋“菜花野”(なかの)で修行中とのこと。是非、近日中に足を運びたいと思う。
 ちなみに吉本さんはPL学園高の甲子園春夏連覇(87年)メンバーで、立浪和義内野手(ドラゴンズ)や片岡篤史内野手(タイガース)らと同級生である。第2の人生も頑張って欲しい。


>大阪経済大・藤田利樹内野手のお母様
御丁寧なメールを頂戴致しまして、誠にありがとうございました。

勝つ為には

2003年4月4日
「勝つ為には…エラーしない、三振しない、ボーンヘッドしない」
 大学時代のコーチ・井谷嘉宏が口にした、僕の中での名言である。
 注釈を付け加えると、プレーの結果を否定している訳ではない。なんとなくプレーして、引き起こしたミスによって勝利から遠ざかると解釈して欲しい。少なくとも、僕はそう思っている。

 昨日でセンバツが終わった。優勝校は御存知の通り、広陵高。決勝戦こそ打線が奮い大差で勝利したけれども。エース・西村健太朗投手を軸とした、守りの“堅い”チームだなという印象が強い。それは試合前のシートノックを観ていれば、大体の察しが付く。
 例を出して良いのかどうか分からないが、
「あぁ、守りが不安だな…」
 岡山城東高と対戦する直前、東洋大姫路高のシートノックを観て、僕は思わず呟いてしまった。隣で聞いていた人間もいるから間違いない。確かに、そう言った。それは、ゴロのさばき方、フライの追い方、送球…などなどが雑に映ったからである。
 東洋大姫路高の全てが拙守であった訳ではない。でも、要所でのエラーが実に目立った。“たら”、“れば”になってしまうが…エラーがなければ、なかったら。延長15回、引き分け再試合もなく、センバツの頂点に立っていた可能性もあったかも知れない!?結果論と言われるのは重々に承知のうえで、東洋大姫路高はディフェンスの乱れで散ったと言っても良い。勝つ為の要素が欠落してしまったのである。

 東洋大姫路高に限らず、エラー(記録に出ないのも含む)、及び不要なフォアボール、デッドボールが致命傷となったチームが多い。スコアシートを斜め読みしただけでも、そのことがよく分かる。優勝候補の一角に挙げられていた浦和学院高もその典型だ。
 現在、社会人野球・シダックスで監督を務める野村克也も
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」
 と、語っている。要するに、野球というスポーツは根本的にミスが少ないチームが勝利に近付く。ただ、それを打ち消す奇跡的なワンプレーが背中合わせであるのも事実。だから、夢中になってしまうのだろう。

 上手く言えないけれども、僕の“野球ノ歩キ方”はその辺もベースになっている!???


(鞄紛失事件)
 手元に戻って来るまでの経緯は複雑なのですが“鞄紛失事件”は解決しました(^O^)
 とりあえず、鞄の中身もほぼ無事。なくなっていたのは『サンデー毎日センバツ特集号』のみ。有力選手のチェックを書き込んでいたので、手痛いのは現実ですが…。まぁ、良しとしましょう。
 お騒がせしてしまい大変申し訳ないっす。そして、御気遣いの御連絡を下さった方々、ホンマにありがとうございます。特に、江本雅朗からは『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)《夢追人》の御感想まで頂戴した次第。感謝です。


 >戸田道男さん、岡本朋祐さん(ベースボールマガジン社)
 この度は取材証を手配して戴きまして、誠にありがとうございました。
 昨日、久々に社会人野球(大阪ガス−日本IBM野洲)のOP戦を観ようと思っていたが、あいにくの天候。日記のネタが…(T_T)
 やむを得ず家でパソコンとにらめっこ。果たして、意味があるのか?陽の目を見るかどうかも分からない?フィクションをチマチマと綴る。以前から様々な構想はあったのだが、それを描き切るテクニック、ボキャブラリー、エネルギーがなかった。(現在でも、それがあるかどうかは疑問だが…)まぁ、地道にやって行くことにしよう。

『大学野球 増刊号』(ベースボールマガジン社)が発売されてから、数件の連絡を頂戴する。
「読んだでぇ」
 というのが大半であるが、選手、マネージャーや親からの御礼もある。誠にありがたい限り。

 大阪経済大の藤田利樹内野手の母親(藤田幸江さん)とは数度、メールのやり取りをした。掲載写真をパネルにしたいとのことで、その連絡先を教える為。

《“親バカ”と、主人には笑われていますが、このような機会はもうないと思ったものですから》
 との一文があったけれども、僕はスゴイ微笑ましく思うと共に、親のありがたさが身に染みた。

 よくよく考えてみれば、僕の父親も新聞のメンバー表や試合の写真をパネルに。そして、家だけにとどまらず、会社にも飾っていたようだ。あと、時代を感じてしまうが、テレホンカードまで作っていたもんなぁ…(苦笑)。試合もしょっちゅう観に来ていたっけ。
 当時は、僕は父親の行為そのものが気恥ずかしくて仕方がなかったが、現在ならば素直に
「ありがとう」
 って、言える。でも、父親はこの世にもういない。嗚呼、親不孝だ…。

 藤田の母親はリーグ戦も頻繁に観戦しているようである。
《子供には嫌がられていますけど》
 でも、本音で嫌がっていることはないだろう。そんなポーズを取りたい!?年頃なのだ。
 藤田の取材時の話しは日記(2月12日)にも書いた。高校時代(敦賀気比高)から親元を離れていたこともあり、非常にシッカリした応対。しかも、関西人特有とでも言うべきか!?ノリが良くて、ユーモアも随所に垣間見れる。だが、早い時期に親元を離れたが故に照れもあるのに違いない。親の話しを振ると、
「よく試合は観に来てるみたいっすけど」
 途端に歯切れが悪くなる。でも、
「こうして、好きな野球がプレー出来るのは僕の力だけじゃないです」
 などと、言葉の端々に親への感謝の気持ちが感じ取れた。
 近い将来、藤田はきっと
「ありがとう」
 と、両親に言えるはずだ。

 どこの親も“親バカ”だ。球場のスタンドではよく見慣れた顔もある。
 また、立命館大・金刃憲人投手の父親も日記(左のお気に入り欄の“ともじい〜”です)を立ち上げるなどの熱の入れよう。
 これって、素晴らしいこと。僕はまだ結婚もしていないし、子供もいないけれども…子供の活躍、頑張りは嬉しいに決まっている。人生の活力にもなる。甘やかしているだけでは良くないが、子供はいつになっても子供である。その成長に一喜一憂。あるいは叱咤することも必要なことのように思える。

 なんて日記を書いていたら、僕も母親からメールが届く。
 2003/4/4 22:59
 発信者:島尻早苗
 タイトル:笑いたいから。育郎
 文章が良くなって来た。
 イクロー(ブルーウェーブ・葛城育郎外野手)を知らない私にも彷彿とさせるものあり。
 乙武君(洋匡、スポーツライター)のページと隣合っていたネ。
 健康に気を付けなさい。書き慣れること。書き慣れしないこと!?
 あと、基さん(父親)が生きていたら、仕事振り、活躍振りを喜んだはず。
 きっと自慢しまくるネ。
 作品を読む度に思う。
(※若干、編集あり)

 あまりにもタイムリーすぎるわ。って、ここにも“親バカ”がいるやん(笑)。
“親バカ”万歳でしょう―。


 珍しく!???『スポーツMAX』(日本テレビ系列)を観る。西尾由佳里アナウンサーの“西スポ”で取り挙げていた野球中継時のハイテク技術。確かに、“Pitch Trax”(ボールの軌道)は、これまで感覚的であった変化の数値が分かり易いし、ストライクゾーンを立体的に捉えることが出来て良い。テレビならではの戦略であるが、個人的には支持。あとは映像を出すタイミングやな。

なんとなくな1日

2003年4月6日
 昨日も雨…。関西学生リーグの開幕(西京極)であったのだが、関西学院大の主務・野本正明からの
《今日の試合は中止になりました》
 というメールを確認して、久々の2度寝を満喫する。

 起きてから、なんとなくテレビを観て、なんとなくシャワーを浴びる。そして、なんとなくカレーライスを食べる。
 で、一昨日と同じく、訳の分からんフィクションになんとなく取り掛かる。ストーリーは進んでいるのか?進んでいないのか?執筆している本人ですら把握出来ない。今後、このフィクションを無事に結べるのだろうか?全くもって謎である…深い。(困った時に用いる、放送作家・森脇尚志のパクリ)

 夕方から、なんとなくタイガース−スワローズ(大阪ドーム)をテレビ観戦。よみうりテレビでは試合終了まで中継をしなかったので、サンテレビに切り替える。しかし、なんですな。こうして、なんとなく野球を観るのもええな。と、完全にボケボケ・モード。
 それにしても、スワローズは故障者が多くて、シンドイなぁ。上手い具合に凌げれば、後半にチャンスはあるかも知れないが!?

 その後、焼飯をこしらえて、テレビのチャンネルをよみうりテレビに戻す。焼飯を食べつつ、またまた、なんとなくカープ−ジャイアンツ(広島市民球場)を観始める。だが、工藤公康投手(ジャイアンツ)と黒田博樹投手(カープ)の白熱した投手戦はさすがになんとなく観れず。こういう試合はテレビでなく、生で観たい。と、少し悔しくなりながら。
 工藤はストライク先行で、ストレートとカーブが抜群。特に、カーブはブレーキが利いていて効果的。
「働かない年はてんで働かない」
 と、評される工藤ではあるが、40歳目前であの投球は立派の一言。だって、工藤、僕が小学生の時から放っているで。
 かたや“ミスター完投”こと黒田はストレートとフォーク主体で、時折、スライダーを交える。スライド登板ながら、左打者へのインコースのストレートは勢いがあったなぁ。
 だけど、あの西山秀二捕手(カープ)のパスボールはサイン違いやったんかな???僕にはそう観えなかったんやけれども。まぁ、どっちにしろ捕手は後ろに逸らしたらアカンと。

 敗戦投手になったものの、黒田は開幕から登板2試合で2完投。
今週の『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)の《記録の手帳》によると、黒田は今シーズンもリーグ最多完投投手になると、プロ野球史上初の4年連続“完投王”に輝くそうだ。ちなみに3年連続最多完投投手は下記の通り。

 金田正一(国鉄)53年:24完投 54年:28完投 55年:34完投
 稲生和久(西鉄)61年:25完投 62年:23完投 63年:24完投
 鈴木啓示(近鉄)69年:28完投 70年:22完投 71年:25完投
 鈴木啓示(近鉄)76年:24完投 77年:24完投 78年:30完投
 遠藤一彦(大洋)83年:16完投 84年:18完投 85年:16完投
 野茂英雄(近鉄)90年:21完投 91年:22完投 92年:17完投
 黒田博樹(広島)00年:7完投  01年:13完投 02年:8完投 
(※球団名は旧名もあるので漢字表記にしました)

 これからは黒田の完投数は突出しているようには思えないが、継投策全盛の現代野球では価値があることだ。是非、達成して欲しいものである。

 また、2試合の登板で自責は1点のみ。防御率は0.50になる。かつては
「今年は防御率4点台にしないと」
 そのように語っていた投手なのに(笑)。

 と、なんとなく日記を書き始めた割には、無難にまとめたかな!?

「こういう日もあるやんな…」
 深い自己嫌悪に陥らないうちに更新してしまうことにする(苦笑)。

西京極球場雑感

2003年4月7日
 関西学生リーグを観に行く為に、西京極球場へ向かう。阪急京都線は行楽客(恐らく、花見客)でゴッタ返し、疲労度はいつもの5倍といったところか…。

《関西学院大0−5同志社大》
 同志社大の打線。特に、下位打線が奮起して、試合の流れを呼び込んだ。
 関西学院大は関西屈指の右腕・渡辺亮投手(同志社大)の前に散発3安打の12三振を喫して、なす術なし。
「あれだけ打てなくて、あれだけ打たれれば…」
 関西学院大の主務・野本正明の言葉には、ただ頷くしかなかった。
 渡辺も本調子であった訳ではない。全般的に投球フォームのバランスが悪く、右打者のアウトコース、左打者の膝元に来るクロスボール(速球)の伸びに欠けていた。
 渡辺自身、
「イマイチでしたね。途中で微調整はしたつもりなんですけど。まぁ、これから上げて(調子を)行きますんで」
 試合後にアイシングをしながら応えてくれたので、今後の投球内容に注目したい。

《京都大1−3近畿大》
 現役リーグ最多勝利(21勝)の大型左腕・野村宏之投手(近畿大)も本来の出来には程遠かった。セットポジションで、これまでより左肩が上げたスタイルに変えていたが…腕が振れずに球持ちが良くなかった。それでも、“野村”という名前で投げることが出来るのは経験という強味。なんとか完投で通算22勝目を挙げる。
 京都大は初戦にして、村井保雄新監督の“味”が出ていたような気がする。結果はともかく、積極的な走塁もあり、守備も確実に鍛えられていた。
「悔しい負けやけれども、反省を次に活かせる試合は出来た。明日、頑張りますわ」
 と、村井監督。
 今リーグ戦、京都大を相手にする各校は苦戦を強いられることになるかも知れない。

 尚、センバツ優勝校の広陵高の卒業生である黒川栄次外野手(関西学院大)が1番センター。中東信二内野手(近畿大)が6番サードのスタメンでデビュー。共に1安打ずつ放つ。(中東は右翼手の後逸で三塁打)
 黒川は守備時、木製バットの打球に対しての感覚が掴めていないようで、第1歩目がまだ良くない。
 中東は猛者が集う近畿大の中で、いかにも“下級生です”といった感じ。ボール回しも遠慮気味。内野手がマウンドに集まる際も“えっ、集まるんですか!?”と、輪の外側で妙に大人しく、初々しかった。


 西京極球場でも色々な人に出会う。名前を全て挙げて行くのは辛いので御容赦。日記に名前が出ると期待していた人、スミマセンねぇ…^_^;

 田中雅彦捕手(近畿大)のお母様とお姉様に、初めて御挨拶。物腰が柔らかくて、非常に優しかった。
「御食事まだでしたら、どうぞ召し上がって下さい」
 と、オニギリを2個、頂戴してしまいました。ありがとうございます。メチャメチャ美味しかったです。

 帰りに、関西学院大・野本、福島將之マネージャー、近畿大・古谷純一(関西学生野球連盟副委員長)と西宮の“宮っこラーメン”へ行く。(初めは“力丸”へ行こうとしたが、行列が長かったので断念)チャーシューメン大盛をたいらげるのはシンドイ。なぁ、自称・エネオスの野本君(笑)!

 同志社大主務・中路將位から“DOSHISHA”ライターを大量に貰う。サンキューです!


 今日も西京極球場へ行きます。
 自宅から西京極球場へ行く際は、阪急電車を乗り継ぐ。
 阪急神戸線の特急で、西宮北口駅から十三駅までは約10分。十三駅にて阪急京都線に乗り換え、特急で桂駅まで。そして、普通に乗り換えて、一駅の西京極駅に着く。少々(ホンマ少々やん)、乗り継ぎが億劫ではあるが…1時間もあれば到着するのだから、楽なものだ。西京極球場は西京極駅の真ん前やしね。舞洲球場なんて、電車で行こうと思ったら、大変やもん。

 阪急京都線の車窓から眺める風景は退屈しない。大阪の市街地を離れ、幾つもの河川や用水路を越える毎に変化がある。
 この時期、上新庄駅手前の柴島浄水の桜並木はホンマに壮観であるし、学校の校庭、住宅地、公園、川原などにも春の風情が漂っている。おかげで程好く、季節の移ろいを感じながら過越すことが出来る。西京極駅前も満開の桜で、キレイであった。

 余談ながら…。
 近藤唯之の著書であっただろうか?長嶋茂雄(ジャイアンツ終身名誉監督)は現役時代、桜と椿を遠ざけた―。
 桜の花はハラハラ散ってしまうし、椿の花はボトンと、首から落ちてしまう。プロ野球選手として、散ってしまうのもクビになるのはゴメン。そのような気持ちの表れであったようだ。

 西京極球場では、関西学生リーグの春季リーグ戦が行なわれていた。
 近畿大−京都大はプロ注目の糸井投手(近畿大)の好投(6回までパーフェクト)に、打線も繋がって8−0と快勝。
 糸井嘉男はスピードこそ物足りなさ(それでも、140?台中盤は出ている)を覚えたが、コントロールが良かった。初安打を喫した後にも慌てることなく、大きなカーブでカウントを整えたのは大きな成長の証し。
「変化球が良かったですよ。打つ手なしだったのは悔しいですね」
 試合後に、京都大の主将・藤田慎也外野手も語っていた。

 同志社大−関西学院大は延長戦(14回裏、2−3Xで関西学院大がサヨナラ勝ち)に突入。
“手に汗を握る”と言うよりは…互いに“決め手を欠く”の印象強し。
 でも、森本徹投手(関西学院大)は初登板初先発(6回、被安打4本、失点1)ながら、そこそこ試合を作ったんじゃないかな。球数が多いのは気になるが、良く解釈すれば“ボールカウント”を目一杯に使っている!?力投型でスタミナもありそうなので、本荘雅章監督も一安心したのでは。
 同志社大は1番打者の主将・永山貴大内野手がシッカリ球を選んでいる。下位打線を任せられているよりも、適性があるように感じた。ただ、その後の執行貴義内野手が不振。リーグ戦経験が豊富な選手でも、1本の安打が出ない為に焦りを感じているようだ。
 確かに、10回近く打席に立って、安打が出ないのは精神的に辛いだろうが…。執行のようなレギュラー扱いされている選手ならば、あと40回は打席に立つはずである。言葉は悪いが、そこで帳尻を合わせれば、序盤の出遅れは充分に取り戻せる。こういう時は、開き直りも必要。1節、1節で区切らずに、シーズンを通したスパンで考えて欲しい。
 その辺を心得ているのが、サヨナラツーベースを放った関西学院大の田辺誠吾内野手。通算打率も3割を超え、ベストナイン(二塁手)を2回獲得している自信もあるに違いない。開幕戦こそ渡辺亮投手(同志社大)の前に3三振と、散々なスタートであったが、
「チーム的にも個人的にも、これで乗って行きますよ。調子を上げて行くんで、リーグ戦が終わった時には食事ヨロシクお願いします」
 と、非常に前向き。執行にもこのような図太さが欲しい。

 帰路、また車窓から桜を眺める。昼間とは違い、闇に包まれた桜並木もまた風情がある。
「今週末にはもう散ってしまっているんやろうな」
 一瞬、心の中で思い、寂しさにも似た気持ちを覚えるが、また来年の今頃には満開になっている。そう、散っては咲くの繰り返しなのだ。咲きっ放しは理想ではあるけれども、それでは何の感慨も喜びもなくなってしまう。

 僕もサラリーマンを辞めて、しばらくはドン底であった。目先のことばかり考えて、何もかもが上手く行かない。そのような時、高校時代の同級生である広池浩司投手(カープ)からの
《長い人生、冬もある。でも、春が来て花が咲き、輝ける夏の日はきっと来るさ》
 という内容のメールにはとても励まされたもの。
現在、僕の人生の季節は何だか分からないが、極寒の真冬は通り過ぎたような気がする。広池のメールにあったように、これから花を咲かせ、輝く夏の日を迎えなくては。桜並木を通り抜けながら、そう思った次第。

 執行君、だから焦らずに頑張ろうっ!

 関西学院大の新4番・近藤輝幸内野手も思うような結果が出ずに苦しんでいる。しかし、彼は大丈夫だろう。
“にくてんや”で野菜炒めと焼豆腐をたいらげ、自宅まで歩いている途中に焼肉屋“トレビアン”の前を通りかかる。すると、不振にもがいているはずの近藤がバクバクと、焼肉を頬張っているではないか。社会人の僕が野菜炒めで、学生の近藤が焼肉…。悔しくなって!?
「ええなぁ、打てんでも焼肉が食べれて」
 そう電話をすると、
「終わったことは仕方がないです。でも、このままでは終わらないですから。栄養をタップリ摂って、頑張ります。期待していて下さい」
 と、近藤。
 あとは本荘監督がどこまで我慢して起用するか。個人的にはシーズンを通して、4番を打たせて欲しいところだが。
 また、雨…。大阪ガス−JR東日本のOP戦を観に行こうと思っていたのになぁ。どうも大阪ガスとは今シーズン、相性が合わないようである!?
 せっかく早起きしたので、掃除に励む。天気が悪いので、洗濯は却下。代わりという訳ではないが、台所周りをキレイにする。で、気付けば、既に昼時。パスタを作り、しばしボーッ…。そのようにマッタリしていたら、携帯電話が唐突に(まぁ、大体が唐突やねんけれどもね)鳴る。
「天気が良くなるみたいやから、やっぱり花見をするわ。おいでや」
 と、飲み友達・ダイちゃん(本人の希望!?により本名は伏せる)から連絡。

 慌てて、火曜日夜が締切の『漫画アクション』(双葉社)《野球のツボを押しましょう!!》に取り掛かる。これを仕上げんことには、オチオチ酒も飲まれへん。まぁ、予めネタは用意していたので、さほど苦労することなく終了。着替えて、夙川公園に向かった。

 花見に集まった顔ぶれは“にくてんや”の常連客中心。初めて会う人間も多いし、名前を知らない人間もいる。でも、それはそれで良い。そもそも“にくてんや”で会う人間は、僕が“スポーツライター”であるということをほとんど認識していない。それが非常に心地良く思える。

 僕も知らないうちに…“スポーツライター”というアイデンティティーに頼ってしまっている。気楽である反面、重圧を感じる時も。そして、何よりもズルイ部分なのかも知れない。だから、こういうコミュニティーに加わることは、相当のストレス緩和になっているはずだ。

 いやぁ〜、それにしても実によく飲んだ。ビールから始まり、ワイン、焼酎、日本酒…。おかげで日記の更新も遅れました^_^;(しかも内容極薄…)

日記の原則!?

2003年4月10日
 この日記を書き始めてから、早いもので5ヶ月が経つ。
 くだらないことを書き連ねている時が多いにも関わらず、30,000HIT数も目前。感謝の一言っす。

 日記のパターンも確立しつつある!???
 大雑把に分類すると、
○取材した、野球を観た
○誰々と会った、話した、連絡(メール、電話)があった
○飲んだ、食った、美味しかった
 ってな具合になる。こんなんでええんかなぁ…。

 でも、日記の大原則は毎日、書き綴ること。これまでは
「日記を更新せなアカン…」
 と、重荷になることもあったのだが、肩肘を張ったところで…。気楽に書いた方が良いモノが書ける時(たまにやけれどもね)もあるやろう。

 僕はどうも他人にも、自分自身にも求め過ぎてしまうことがあるような気がする。それは良いことでもあるのだろうが、正直、疲れてしまうことも多い。だから、少し“冷めた”ようなスタンス―感情と我を抑えて、淡々と物事をこなす。そして、物事や人間関係と向き合うのも、ある意味で必要なのかも知れない。

 これからも毎日、日記は書いて行く。ただ、僕も求め過ぎないので、みなさんも求め過ぎないように!? 勝手ながら日記の原則に付け加えたいと思う。まぁ、あくまでも気持ちの問題なので、すぐに作風(そんなたいしたモノではない)が変わることもないはずだ(苦笑)。


 松井秀喜外野手(ヤンキース)が本拠地・ヤンキースタジアムで満塁弾。単純にスゴイ。もう誉めるしかない。
 余談ながら、僕は満塁弾を放った記憶なし…草野球でさえも。
 あと、松井の活躍に隠れてしまったが、新庄剛志外野手(メッツ)も今シーズン初スタメンで3打数3安打1打点。新庄の顔付き(メッチャ凛々しい)が、今までとは違うような気がするのは僕だけではないと思う。

多分、流行るな

2003年4月11日
 打者にとって恐怖感を覚えること。色々あるであろうが、その一つは“ドン詰まり”である。
 スピードは勿論、ちょっとした変化に対応出来ずに、バットの芯を外される。それがバットの根元であれば、表現のしようのない痺れが手の平(特に、バットを握った時に上になる手の親指付け根近辺)を襲う。寒い時期はなおさら堪える。手袋をすることで、多少の痺れは緩和されるのかも知れないが、痛いもんは痛いで(嘆)。
 そして、その“ドン詰まり”の結果、
「バントした方が飛距離出たんちゃうか…」
「むしろ空振りの方が良かった…」
 と、自身が放ったあまりにも力のない打球に後悔、羞恥、愕然、屈辱…などなど。力負けして、相手に弱みを見せてしまったような気分にもなってしまい、その後の対戦にも若干の影響が出て来る。
 また、木製バットの場合では、時としてバットをヘシ折られてしまうことも。一層、打者の心の中で屈辱感は募る。まぁ、バットが折れる原因は球をミートする際の木目にも原因があるので、一概に“ドン詰まり”だけが原因とは言えないのだけれども…。

 昨年から社会人野球も木製バットになった。
「ちゃんとした打ち方をしていれば、金属も木製も関係ないっすよ」
 そのように語る打者の大半が、大学野球で木製バットを経験した選手。その反面、
「いや、バットを折るのが恐くて…」
 高校卒業後、すぐに社会人野球の門を叩いた選手は本格的に木製バットを使ったことがないので、ナーバスになっている選手が多かった。
 このような意識が心のどこかに潜んでいると、不思議なことにバットは振るものではなく、球を当てる為の道具に変わってしまう。で、悪循環。知らず知らずのうちに、こじんまりとしたスイングになり、一層と“ドン詰まり”が頻出することになる。次第に打撃の調子も崩れて行く…。

 今年、プロ野球のキャンプ取材時から、ある“小道具”の存在に気付かされた。
 リング状、ベルト状、手袋一体型!??? 様々なタイプがあるようだが、クッションの役割を果たすようなモノ。これを前述した、痺れのダメージが最も大きいと思われる親指付け根部に装着。一瞬、スイングの妨げになるのでは?とも思ったのだが、バットは小指、薬指で支えるように握る。親指に無駄な力が入っていると、滑らかなスイングはし難い。となると、弊害はなさそうだ。

 使用したことがないので、推測になってしまうが…。この“小道具”の効果は非常に大きいはず。“ドン詰まり”による痺れを緩和させる逸品であると同時に、“ドン詰まり”に対する恐怖感も拭い去る。打者は思い切った打撃が出来るようになるだろう。
 また、投手が打席に立つ場合にも有効。投手は打撃の際に手が痺れることで、投球に影響が出ることを嫌う(個人的と言うよりはチーム的にであるが)傾向が強い。だから、積極的な打撃が少なく、打線に切れ目が生じる。必然的に攻撃力、得点力も低下。この問題を解消することに一役買うのでは?僕はそう睨んでいる。多分、流行るな。

 プロ野球の試合を注意深く観ていたら、“小道具”を装着している(外国人選手、パ・リーグに多いんかな!?)選手を発見することも可能。確認して貰いたい。

 ところで、“小道具”の名称は???
 知っている人がいたら、是非、教えて下さい。


 センバツの優勝校・広陵高の卒業生。昨夏の選手権大会ベスト8メンバーの黒川栄次外野手(関西学院大)、中東信二内野手(近畿大)の記事を急遽、寄稿することに。締切の関係で、中東は電話取材になってしまったが、黒川とは一緒に食事をする。まぁ、取材内容とは全く関係ないのだが、若い子はよく食べる。羨ましい。
 黒川の付き添いでやって来た野本正明主務(関西学院大)は“鶏の唐揚げ”を食べ過ぎやで。そりゃ、テカるわ(笑)。

Uターン

2003年4月12日
 う〜ん…ここ数日、天候が良くない。目が覚めると、窓の外は雨の気配。案の定、微妙に雨が降っている。
 本日は関西学生リーグの京都大−立命館大、関西大−近畿大を観に行く予定であったのだが、この中途半端な天候では家を出るに出れない。
 9:00過ぎ。
 関西学生野球連盟の副委員長・古谷純一(近畿大)から
《今のところ試合は行なう方向です。また何かあったら連絡します》
 メールが入ったので、ようやく家を出る。

 阪急神戸線で十三駅に着いた時。今度は古谷から電話連絡が入る。
「西京極は急に雨が本降りになりまして。元々、グラウンドコンディションも悪かったこともあって、今日は中止です」
 で、やむを得ずにUターン…。ただ、ラガールカードで改札を通った為に、西宮北口駅で改札を出れない…。駅員に
「十三まで行ったんやけれども、引き返して来たんです」
 そのように訴えると、改札横の駅員室にある変な箱型の機械にラガールカードを通される。通常、
 0407:1810阪急西京極 HK西宮 ¥1100
ラガールカードの裏には改札を通った日付、時刻、駅名、残額が刻印されるのであるが…。
 0412:0931阪急西宮 HK西宮 処――
 0412:1003阪急西宮 191処精 ¥660
 というように表示されていた…深い。“処精”とは処理精算の略なんやろうな。

【今後の野球観戦予定】※あくまでも予定
 4月13日 関西六大学リーグ(大阪商業大−神戸学院大、龍谷大−大阪経済大)舞洲
 4月14日 プロ野球(ブルーウェーブ−ファイターズ)Yahoo! BB
 4月15日 プロ野球(バファローズ−ライオンズ)大阪ドーム
 4月16日 プロ野球(バファローズ−ライオンズ)大阪ドーム
 4月18日 関西学生リーグ(立命館大−関西学院大、同志社大−関西大)Yahoo! BB
 4月19日 関西六大学リーグ(大阪学院大−大阪商業大、京都産業大−大阪経済大)舞洲

 さて、今日は何をして過越すべきか???まぁ、こういう時にフィクションにでも取り組むことにしますか。
 夜は沼田慎一郎(ABCスポーツ局)と会う予定っす。

漁師さん!?

2003年4月13日
 昨夜は梅田の焼鳥屋さん“あづま”にて、ABCスポーツ局・沼田慎一郎と放送作家・森脇尚志と語らう。(森脇はNGKでの打ち合わせ後、駆け付けてくれた)
 話題はもっぱら野球、野球、野球…野球中継の在り方、伝え方という真面目な内容に始まり、沼田が取材している“NOMOベースボールクラブ”の話しや各自のベストナイン。そして、なぜか???DTクローマー外野手(デヴィッド・クローマー、ファイターズ)の価値、存在意義について(笑)。

 野球中継は各局、色々と試行錯誤をしているのだろうけれども…。沼田曰く
「何年、野球中継をやっているんだ。試行錯誤の時間が長すぎる」
 とのこと。実際、沼田はそのような立場にあるだけに痛感するのだろう。まぁ、僕的には4月5日の日記で書いたこと(日本テレビ系列の“Pitch Trax”)と矛盾もあるかも知れないが、現在の野球中継は親切すぎるのかも知れない。だから、野球中継のみに頼るファンは勉強をしなくなる!?
 また、伝えるということに関しては僕にも重要事項。沼田は
「画面を通じて、野球選手の凄さを伝えたい。特に、スピード感。そうすれば、国民性うんぬんもあるのだろうけれども、野球選手はリスペクト=尊敬される」
 と、主張。僕は
「生で観てみたいなぁ。そう思って貰えるようなモノを書きたい」
 沼田の“熱さ”に感化されて、訴えた。(焼酎をグビグビ飲みながら)

 それにしても、森脇はなぜ???
「う〜ん、そうやなぁ。まず、初芝(清内野手、マリーンズ)は外せへんなぁ」
 あの…初芝は現在、下(ファーム)なんですけれども(苦笑)。
「あっ、キャッチャーは的山(哲也捕手、バファローズ)ね。年齢が一緒やし、見た目が普通の人やから」
 そういう理由で決めちゃって良いんですか(爆笑)。
 尚、DTクローマーの話しの口火は、森脇が切ったことは言うまでもないだろう。

「でも、島尻さん、ホンマに真っ黒ですよねぇ」
 僕の顔を見て、沼田と森脇は口を揃える。一応、日焼け止めとか塗っていたりしているんやけれども…。
「なんか漁師さんみたいっすよ」
 海が似合う男とでも、自分勝手に解釈しておくことにしよう(苦笑)。


 今日は関西六大学リーグ(舞洲ベースボールスタジアム)を観戦。
 まず、関西六大学野球連盟の常務理事・事務局長を務める志水利通から理事長の村上博を紹介される。
「どこで観ていても構わないですよ。本部室でも御遠慮なく入って来て下さい」
 誠にありがたい話しであるが、偉い人が出入りするところではオチオチ野球を観れなそうな気がする。記者席の雰囲気はあまり得意でないし…。僕は一般客同様、ネット裏でOKって、これが日焼けする原因なんやろうなぁ。

 大阪経済大の藤田利樹内野手の両親とも会う。非常に柔和な夫妻で、この駄日記も読んでくれているよう。ホンマにありがとうございます。しかも、よ〜く冷えた缶コーヒーまで頂戴してしまった。重ねて、ありがとうございます。あと、スコアを付けながらでスミマセンでした。

 その他にも各校の監督、マネージャー、選手などとも挨拶や世間話しを。
正直、僕はこれまで関西六大学に接する時、構えていた部分がある。それは僕自身が“関西学生アガリ”だからだろう。でも、この1年間でそれはなくなって来た。やっぱり、現場に足を運ぶということは大事なのだ。また、京都産業大の柿内康平(元主務)や酒井康輔(主務)らが親身に接してくれたことも大きい。関西六大学関係者各位に感謝。

 肝心な試合の方は―。
 大阪商業大5−4神戸学院大(延長10回)
 神戸学院大にしてみれば、失点がエラー絡み。勝ちゲームを落としてしまった手痛い試合。大阪商業大にとっては粘りが実った、収穫の大きいゲームであっただろう。攻撃も積極的やし。あとは打線の繋がりやな。

 龍谷大0−1大阪経済大
 リーグ屈指の増田雄紀投手(大阪経済大)は立ち上がり不安定。自らのバント処理ミス(記録は内野安打)などで、無死満塁のピンチを招いた。しかし、どうにか凌ぐ(結局、無失点)あたりが経験値の高さだ。
 かたやプロも注目、右サイドハンドから140?台中盤の速球に多彩な変化球を織り交ぜる齋藤信介投手(龍谷大)は絶好調ではなかったが、丁寧な投球内容。前半はストレート中心の配球、低目に球を集めて、内野ゴロの山を築く。だが、4回にそのストレート中心の配球を読まれる。二塁打2本で1点を失う。
 齋藤のような投手の攻略法は打ち込みに行かないこと。ちょっと語弊があるけれども、軽打するくらいの感覚の方が良いような気がする。バットはシッカリと、振らなアカンけれどもね。ハーフ打撃のような感覚かな?
 その後、齋藤は変化球も多投。1本の安打も許さなかったのは評価出来る。
 増田は悪いなりに微調整。6安打を許すも、完封勝利。まぁ、余計な御節介ながら、ちょっと気になったことがあったので…。試合後、増田に指摘する。なんかの参考になれば。
 ちなみに大阪経済大は昨シーズンの春から龍谷大に5連勝中。強豪・龍谷大に対して、苦手意識も萎縮することもない。“龍谷大キラー”に相応しく、ノビノビとしたプレーが目立つ。

 珍しく!?今日は細かくかつ広く観戦出来たし、空気や流れを感じることも。いつもこうならええのに。
 また、前々から気になっていた(決して観客が多いとは言い難いスタンドで旗を振っているんやもん)大阪経済大の私設応援団・峯山隆から話しを聞く余裕もあった。
 峯山は元々、ホエールズ(現ベイスターズ)の屋敷要外野手を応援。峯山自身、三田学園高出身で、屋敷と母校が一緒であったから。その後、同じホエールズの有働克也投手も応援するようになる。これまた、大阪経済大出身という母校繋がり。で、現在は大阪経済大を熱心に応援しているという訳だ。深いなぁ。


 西京極球場で行なわれていた関西学生リーグは波乱があったよう。優勝候補筆頭の近畿大が関西大に3−6で敗れたとの報が入る。リーグ戦前に取材した、昨夏の甲子園優勝投手・田辺佑介投手(明徳義塾高→関西大)も登板したらしい。
 だから、関西大はコワイと書いたでしょう!多分、この日記でも???実際に、戦力も整っているし、良い練習していたもん。って、書いていなかったら、どないしよう?まぁ、口癖のように
「今年は関西大、強そうやで」
 と、公言はしていたからな。


 帰宅後、鏡に映る自分の顔に驚く。さらに日焼けが進行…赤銅色やん。だけど、これは僕の勲章。取材しているってことやから。どこかで会った際には
「漁師さん」
 気軽に声を掛けて貰えれば幸い。

 今日は久々にプロ野球を観に行きます。

事前取材

2003年4月14日
 今日はGS神戸改めYahoo!BBスタジアムへ。
 実は試合を観るというよりは、他の用事があったからだ。
 まずはオリックスの葛城育郎外野手、広報・大西英治に御礼と挨拶。そして、オリックス野球クラブの営業・砂川廣樹の話しを聞く為である。

 砂川はブルーウェーブ−ファイターズの試合が始まってから、僕のいるサブ記者席へやって来た。
「おぉ、毎度、毎度。島尻、ネット上で日記を書いてんねんなぁ。ある人から聞いて、俺もたまに読んでんねんで」
 相変わらず威勢とノリが良い。1年半程前まで、某銀行に勤めていたとは思えない強烈かつニギヤカなキャラ。よく分からんけれども、砂川も転職成功組ではないか。好きな野球に関わりのある仕事をしているんやから。

 僕もスコアを付ける手を止めて、しばらくの間、砂川と世間話。で、本題へ。
 本題は来週締切の『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)《夢追人》で取り挙げる岡本晃投手(バファローズ)のこと。以前にも書いたかも知れないが、砂川は関西大の元マネージャーで、岡本と同回生。客観的なエピソードを仕入れるには格好の人物。まだ、書こうとしているものが不鮮明で、ボヤけているだけに。

 言い方は悪いが、使える話しがありすぎた。どれを使うのか迷ってしまうくらいに。まぁ、今日、明日と岡本に取材してから取捨選択することになる。
 この度、砂川の話しは鍵になる。ストーリーを引き締めるスパイスにしたいものだが、どうなることやら(苦笑)。


 試合前の練習を目的もなく、ボンヤリ眺める。たまにはこういうのも良いものだ。何か見付けてやろうと血眼になるよりも、色々な風景が見えて来る。
 石毛宏典監督(ブルーウェーブ)と白井一幸ヘッドコーチ(ファイターズ)の“駒沢大先輩後輩密談”に始まり、各選手や各コーチの試合では見せない素顔。打撃練習でバットを折り、必要以上に凹んでいる森本稀哲外野手(ファイターズ)の姿も面白かった。その他にも気付いたことは多々あり。いつか使える時が来るように、自身の引き出しの中で整理しておこう。


 昨年末、『野球狂のネタ4 〜遠征』(関西テレビ)で一緒に仕事をした佐藤洋介(関西テレビ)、松本浩(メディア・プルポ)、森脇尚志、桝野幸宏(共にオフィス元気)、江本雅朗(野球博士、敢えて肩書きはこれで)が集まっていたようだ。僕が
《Yahoo!で観衆9,000人とか発表していますけれども、絶対に水増しですよ。売り子や案内係を入れても、そんなにいないっす》
 という旨のメールを森脇に送ると、
《松本さんが「CSの視聴者込みでも9,000人には届いていない」って、言うてます。ヒチョリがホームラン打ったという情報で小盛り上がりしています》
 との返信。また、きっとみんなで“野球狂”になっていたに違いない。それはそれで羨ましいが…Yahoo!も面白かった。谷佳知外野手(ブルーウェーブ)のサヨナラ打で、好救援をしたドラフト1巡目ルーキー・加藤大輔投手(ブルーウェーブ)のプロ入り初勝利。そして、何よりも12日の夜に話題にも上がったDTクローマー外野手(デヴィッド・クローマー、ファイターズ)の貴重な!?クリーンヒットも観ることが出来た。満足。

 ところで…アルコールがダメな森脇。今夜も腹が割れる程、ウーロン茶を飲んだんかな?
 大阪ドームへ行く。新しくなった人工芝を踏みしめるのは初めてのこと。
 毛足がこれまでのより長く、芝目が“アッチャコッチャ”に向いている。材質も人工っぽくないように感じる。クッション性も明らかに向上。でも、天然芝の持つ温かみ、柔らかさにはかなわへんよなぁ…。

 試合後、岡本晃投手(バファローズ)とミナミの街へ繰り出す。食事を兼ねながら、取材をする為である。
「俺なんか話題性ないで。喜ぶ人間なんておらんやろう」
 そのように謙遜して、当初は口数の少ない岡本であったが…僕の巧みなトーク!?に加えて、アルコールの効果も絶大。2時間余り、味わい深い話しをタップリと、聞かせてくれた。

 ところで、食事をした居酒屋“ほっ”は
「いかついヒゲ面男2人で、カップル客ばかりの小洒落たイタメシ屋もないやんなぁ」
「そうやんなぁ。あっ、この店は静かそうやし、そんな高くないんちゃうか」
 という会話があって、何気なく入った店。何の予備知識もなかった。だが、ここで世の中の狭さを知る。
 まず、店に入って早々にマスターらしき人物が
「バファローズの岡本投手やんね?」
「はい、そうです。でも、よく分かりましたね。自分、ほとんど面が割れていないんはずなんですけれども」
「いや、実は私も法政大で野球をやっていまして。バファローズの高村(祐、投手)は後輩になるんですよ。だから、陰ながら応援してるんです。高村にも『店に来てくれ』と、伝えておいて下さい」
「はい、高村さんにちゃんとお伝えしておきます」

 しかし、話しはこれだけで終わらない。取材も一段落して、岡本と僕は完全に飲みモード全開(苦笑)。他愛のない会話と杯を重ねていたのだが、その中で僕が金村義明(野球評論家)のマネージャーをしていた頃の話題になった。すると、マスターが再登場。
「金村の話しをしていましたね。私、金村と報徳学園高で同級生。高原と申します」
 と、名刺を手渡して来る。
「高原広秀さんって…」
 一瞬、僕は言葉を失い、酔いも覚めた。
 高原は金村と報徳学園高の全国制覇(81年、第63回全国高校野球選手権大会)メンバーで、主将、一番打者の三塁手。そして、金村と同じ“在日3世”ということもあり、大親友であるという話しは聞いていた。金村の著書『在日魂』(講談社)にも登場している。
「そう、私が金村とヤンチャしていた高原です(笑)」
 と、ニッコリ笑う高原。世の中、ホンマに狭い。偶然、入ったお店のオーナーが、僕の恩人とも呼べる金村の旧知の仲である人物とは。
「縁があるんですよ。是非、また寄って下さい」
 上手く言えないが、宝くじにでも当たったような気分だ。

 時計の針も24:00を回ったので“ほっ”を後にする。それから、僕の酒友、雀友、草野球仲間である川北信也も合流して、岡本の馴染みの店で2次会!???延々、26:00まで飲み続ける。そして、また岡本の熱い話しが聞けた。非常に楽しい夜であった。


 尚、高原は“NOMOベースボールクラブ”にて現役復帰するそうだ。これからも何か接点がありそうな予感。是非、頑張って貰いたい。

 関西学生リーグ、関西六大学リーグが荒れている。
 尚、関西には阪神大学、京滋大学、近畿大学の3リーグもあるのだが、悲しいかな現在の僕の守備範囲では追えない…。もっと頑張らなアカンよなぁ。

 《関西学生リーグ》
 優勝候補筆頭の近畿大が1節の京都大戦では勝ち点を挙げたが、2節の昨秋4位の関西大戦で1勝2敗。勝ち点を落とす。
 昨春・秋共に5位に終わった関西学院大は開幕戦こそ同志社大・渡辺亮投手の前に3安打完封負けを喫するが、2戦目は延長戦の末にサヨナラ勝ち。3戦目も渡辺に手こずるも、エラー絡みで虎の子の1点を奪う。そして、新谷泰隆投手の快投もあり、勝ち点をものにした。
 まだ、2節しか終わっていないが、今後の展開は混沌としている。

 《関西六大学リーグ》
 天候の影響などで多少、日程進行にバラつきが見られる関西六大学リーグ。
 昨秋の優勝校・京都産業大も勝ち点こそ挙げているが、敗戦もあり、素直に連勝出来ない。
 また、大阪経済大の健闘が著しく、強豪・龍谷大には昨春から6連勝。現在、勝ち点2で好調な滑り出しだ。
 さらに大阪商業大、神戸学院大なども一進一退の攻防を繰り広げているのも注目。関西学生に負けじと、熾烈な優勝争いになるであろう。


 大学野球のリーグ戦は勝ち点が優先。そして、次に勝率が絡んで来る。各校の潰し合いや3戦目までにもつれることで、優勝の行方は全く読めないものになって来る。
 プロ野球と同様で、嬉しい新戦力の台頭、予想外の主力選手の不調、故障者は優勝予想を大きく覆す要因に。また、短期決戦なだけにチームのムード(ノリノリ)にも大きく左右される。

 今シーズンも『大学野球 増刊号』(ベースボールマガジン社)にて、両リーグの戦力分析と展望予想を寄稿した。現時点で、当たっている部分もあれば、ハズレもあるのが現状…。でも、僕は占い師ではないので(苦笑)。ただ、的ハズレではないはず!?

 まぁ、今後の両リーグの熱い戦いが楽しみだ。嵐の予感がする。って、あまりにも無責任かな???
 実は同じ旨の内容を漫画アクション(双葉社)の連載にも書いた。まぁ、あくまでも同じ旨。自身の中で補足する意味合いも併せて、改めて日記に書かせて貰うことにする。

 ヘッドスライディングにどのようなイメージを持っているだろうか?
 《気持ちの表れた、気迫に溢れた必死なプレー…》
 簡単ではあるけれども、恐らく、そのような感じではないか。

 高校野球の試合では、必要以上にヘッドスライディングのシーンに出くわす。僕のスコアシートには、高校野球限定で赤字の“HS”(ヘッドスライディングの略)が付く。その数の多いこと、多いこと。高校野球=ヘッドスライディングという映像を思い浮かべる人間も多いはずだ。
 だが、ここでヘッドスライディングをはじめ、スライディングの本来の意味を確認したい。
 スライディングはスピードを殺さずに相手野手のブロックをかいくぐる。また、オーバーランを防ぐ目的もある。だから、野球選手としては必ず身に付けなければならないテクニックなのである。

 上記を踏まえながらも、よく見受けられる一塁キャンバスへのヘッドスライディング。これはあまり効果がない。実際に駆け抜けた方が速い。そのように実証されている次第だ。そして、何よりも大切なテクニックであるのだけれども、危険と背中合わせのプレーであることも充分に認識していなければならない。
「なんでわざわざ頭から滑んねん?ケガしに行っているようなもんやで。危ない、危ない」
 “世界の盗塁王”こと野球評論家の福本豊もよく言っているくらいだ。

 プロ野球の選手でもヘッドスライディングを多用する選手がいる。98〜00年のセ・リーグ盗塁王に輝いた石井琢朗内野手(ベイスターズ)などがそうだ。ただ、石井が
「足から滑ろうとすると歩幅を合わせてしまう。そうなると、スピードが落ちてしまうんです。だからヘッドスライディングなんですよ」
 と、語っていたのをどこかで聞いたことがある。そして、石井のヘッドスライディングは胸で滑る、理想形だ。相当、練習を積んでいるのに違いない。

 先日、大学野球の試合でもヘッドスライディングを目撃した。
 1点を争う試合の中盤、ある大学の主力選手(以下Aとする)が四球で出塁後に盗塁を試みた。Aは二塁キャンパス一直線に頭から飛び込んだ。ヘッドスライディングと言うよりは、プロレス技のフライング・トペ(分かり難い表現で申し訳ない)のような捨て身のような形。僕はネット裏で思わず
「危ないっ!」
 と、叫び、目を覆ってしまった。
 Aは二塁にベースカバーに入った遊撃手と交錯。塁審の判定はアウトのコール。で、Aはうずくまったまま動かない。
「肩でもやった(脱臼)かな」
 僕は推測。つい数日前にはMLBのスーパースターであるデレク・ジーター(ヤンキース)が負傷した映像を思い出す。しばらく、試合は中断して、Aは負傷退場となった。

 僕の推測以上にAの負傷はひどかった。野球部のマネージャーに聞いた話しであるが、Aは顔面を骨折。鼻骨や頬骨などがグチャグチャになってしまったらしい。おかげで顔面はしおれた風船のようになってしまい、歯も大半が抜け落ちたようだ…。
 Aは現代医療の形成術を受けたが、これから長い入院生活を余儀なくされる。当分、栄養の補給も点滴と流動食だ。今春のリーグ戦でのプレーが絶望であることは言うまでもなく、秋のシーズンも微妙だろう。また、今後、恐怖感もあるはず。A自身にとっては懸命なプレーであったのだろうが、あまりにもその代償は大きい。

「ヘッドスライディングはしない方が良い」
 そこまでは言わない。ただ、必死さをアピールするだけの闇雲なヘッドスライディングは無謀以外の他にない。選手はその事実を肝に命じるべきだ。状況にそぐわない無意味なヘッドスライディングは見たくない。


 よくよく考えてみれば、僕自身、あまりスライディングの練習に時間を割いたという記憶がない。恥ずかしながら、スタンドアップ式のスライディングもフックスライディングも左足を曲げた形でしか出来なかった(現在でも出来ない)。ヘッドスライディングも投手の牽制で帰塁する時くらいしか、試みたことがない…それはそれで大問題(苦笑)。だけど、1度だけ、豪快で粋なヘッドスライディングを決めたことがある。
 漫画家の水島新司率いる、草野球チーム・BOTTSでプレーしていた頃。アーティスト大会という漫画家や出版社で結成されたトーナメント大会があった。これが1日に5、6試合するから心身共にメチャクチャ疲れるのだ。
 BOTTSは順当に決勝戦まで勝ち上がったのだが、試合途中で大雨に襲われる。残念ながら、優勝預かりで試合は中止。なんか中途半端な気持ちなうえに、BOTTSメンバーは疲労でナチュラルハイ!?僕は周囲のコールに乗せられて、グチャグチャのダイヤモンドでパフォーマンスをするハメに。誰かの打撃フォームを真似して、コミカルにベースランニング。最後の締めは勿論、本塁ベース上で“お約束”のヘッドスライディング。我ながら、キレイな形で滑れたと思うし、周囲は多いに盛り上がった。でも、グショグショ、ドロドロのユニフォームを持って帰るのは大変やったな…(^^ゞ

 そうそう、BOTTSの話しで思い出したっ!
 以前、僕はグランドスラム=満塁弾を放ったことがない。そのように書いたけれども、BOTTS時代に打っています。神宮外苑でライトオーバー(なぜか右打ちが巧くなった。しかも飛距離が出る。大学時代にこの打撃が出来ていれば…)のランニング満塁本塁打。神宮外苑はフェンスがないから、どんなに快心の一打を放っても、走らなければならない。これがホンマに辛い、辛い(大汗)。他の時に、レフトオーバーで三塁打止まりになったこともある程。
「あんなスゴイ当たりを目の当たりにしたのは久し振り。だけど、あの当たりでホームに返って来れなかったヤツを見たのは初めてだ」
 水島先生が嘆いたこともあったなぁ(笑)。
 ちなみに僕が満塁本塁打を打った試合、逆転負けを喫する。ヒーローになり損ねた…(悲)。

整理整頓の1日

2003年4月18日
 関西六大学リーグを観に行こうと思いつつも、やらなければいけないことが溜まっている。この週末も大学野球観戦で慌しそうやし…。

 とりあえず、家を空ける機会が多くなって来たので、部屋がヒッチャカメッチャカ。掃除だけで終わらせず、スポーツ新聞、雑誌、書籍、資料の整理に励む。
 一段落したので、本屋(ジュンク堂)へ行く。そこで、関西大の2学年先輩の早川仁に会う。スポーツコーナーで色々な雑誌を手に取りながら“ああだ、こうだ”と、野球談義に花を咲かせる。時間にして1時間超え…。迷惑な客やわ(苦笑)。
『Number』(文藝春秋)と『こんなプロ野球が見たい』(学陽書房/著・石田雄太)を購入。以前にも書いたが、僕は雄太さんのファン。『こんな〜』は取材時の移動時間の楽しみにしたい。

 岡本晃投手(大阪近鉄)のテープ起こし。酒の席だから、僕も岡本も話しが飛び過ぎ…。
「しなくてもええかなぁ〜。ノリで書けそうやし」
 悪魔の囁きにくじけそうになるが、そういう訳にも行かない。巻き戻しを何度も繰り返し、なんとかテープ起こしらしい作業を済ませた。

 その後、整理整頓ついでに!?これまで書いたものを分類。この日記も含めて、寄稿したモノ、未発表のモノの中から取捨選択。使えそうなヤツを絞り込む。まぁ、想像していた程度の分量には達していた。当然、加筆修正は必要であるし、書き下ろしも幾つか書かなければならない。これで1冊の本にならへんかなと…、自分勝手にシュミレーションなんかしてみた。どうやろう???
 微々たる印税欲しさもあるけれども(苦笑)。せっかくこのような仕事に就いたのだから
「何か形になるもので残したいなぁ」
 というワガママな気持ちも強い。(どっちにしろワガママやないかいっ!)でも、最終的に大事なのは商業的観点やからな…。

「編集してやっても良い」
「まとめてやるわ」
 と、おっしゃってくれる凄腕の編集者の方、チャレンジ精神旺盛の出版社はないでしょうか?お声を掛けて戴ければ、幸いに存じます。
 尚、僕はこれでも元・営業マン。販売促進の営業活動にも尽力致しますので、何卒宜しくお願い申し上げます。
「500冊は必達しますっ!」
 って、少ないか…。
 あと、表紙のイラスト(扉絵)を
「島尻君が本を出すことになったならば、いつでも書いてあげるよ」
 という方(プロ、ノーギャラ?謝礼?)にも心当たりがあります。この辺も御考慮戴ければ!?


 嗚呼、変な日記…。ゴメンなさいですm(_ _)m

Yahoo!BB雑感

2003年4月19日
 関西学生リーグ観戦の為、Yahoo!BBスタジアムへ。
 三宮駅で同志社大の中路將位主務と会い、神戸市営地下鉄の中でズーッと、喋っていた。
 球場に着くと、松村豊司投手(立命館大)や渡辺亮投手(同志社大)の登板が予想されることもあってか、プロ野球のスカウト陣もそこそこ集まっていた。
 ライオンズのスカウト・鈴木照雄に
「良かったら、隣に座んなさいよ」
 と、促される。
 鈴木は僕の質問(技術的なこと)に分かり易く、応えてくれる。しかも、非常に気さくなので、聞き易い雰囲気を持っている。また、ライオンズ(ホークスも)のスカウトは他球団のスカウト陣と離れた場所で試合を観戦している場合が多いのも好都合。他球団のスカウト陣を気にすることもない。今日も色々と、勉強になった。
「じゃあ、またどこかで会いましょう」
 鈴木は立命館大−関西学院大の試合が終わる前に席を立つ。大阪ガスの今津グラウンド(大阪ガス−王子製紙のOP戦)へ向かった。

 松村は手先だけで投げている印象が強かった。球種のクセも出る。これは僕でさえも分かった。
「高校生だったら文句なしなんやけれどもな」
 各球団のスカウトが口を揃えるのは、恐らく、完成度が高くないことを意味している。正直、松村の評価は即戦力ではない。

 森本徹投手(関西学院大)は中盤に崩れて、敗戦投手になったものの、
「面白いなぁ」
 という声が多かった。
 僕自身、日本生命−関西学院大のOP戦で“一目惚れ”しているだけに気になる存在。テークバック時の右肩の入り方が良いので、腕が遅れて出て来る。あと、時折、フォロー(投球スタイルは異なるが、ライオンズの西口文也投手をイメージして欲しい)がシッカリしていて、ビックリする球(左打者膝元へのクロスボール)を投げる時がある。
 現時点では松村同様に即戦力ではないが、森本は3回生。これからの成長が楽しみ。


 2試合目は同志社大−関西大。
 関西大はセンター中心から逆方向に弾き返す意識を徹底させて、序盤から渡辺を攻略。代打で登場したルーキー日浅衛内野手の素直に打ち返したタイムリー左前安打もあり、1−3と優位に試合を進める。
 渡辺は体が重そうで、心なしか集中力も欠けていたような気がした。実際、ボールカウントを間違える場面も。リードする捕手がいつもの桑原宏弥でなく、三冨武史であったことも影響していたのかも知れない。
「少しはあったのかな。慣れたリズムとかもあるし、桑原より経験不足の感は否めない。でも、三冨もよく頑張ってくれましたよ」
 とは、試合後の吉川博敏監督(同志社大)の弁。

 かたや大型左腕・黒川隆年投手(関西大)は、僕的には掴みどころのない投手。これが持ち味なんかな!?でも、先発投手としては試合を作ることに関しては、昨シーズンより格段にレベルアップしている。特に、投球テンポは著しく良くなっていた。

 近畿大から勝ち点を奪い、勢い付いている関西大は8回から、昨夏の甲子園優勝投手であるルーキー田辺佑介投手を投入で逃げ切り態勢に入る。これまでにも田辺はセットアッパー、もしくはクローザー的存在で起用されていただけに、予想通りの展開。
 田辺は投球が巧いという印象。制球に苦労しないので、走者を背負っても落ち着いている。現に8回も安打を許すが、すぐに内野ゴロゲッツーで切り抜ける。
 しかし、9回―。
 先頭打者を安打で出塁させると、次打者にストレートの四球。まず、これが良くなかった。しかし、それ以上に関西大の慌てだし方が気になった。内野陣が、マウンド上の田辺に声を掛けに行くのは悪いことではないのだが、田辺を落ち着かせるというよりも自身の気を落ち着かせたいような感じ。これは、ここ数シーズン、勝ち慣れていない関西大の弱さだ。だから、ピッと、集まれずに各自がマチマチのタイミングであったのだ。逆にこれで田辺のリズムが狂ったように思う。
 その後、犠打、見逃し三振で、田辺は二死走者2、3塁にするが、高目の甘いカーブを痛打されて中越えの三塁打(外野手も前進守備、あまり良い当たりではなかったが)を食らう。これで同点。さらに打ち取ったかと思われた平凡な遊ゴロを、守備には安定感のあるはずの主将・石井浩司内野手がファンブルして逆転される。結局、これが決勝点となり、4−3で同志社大の逆転勝ちとなった。
「勝ち急いで、周囲がフワフワしたらアカン」
 ということを再認識。
 実は、この幕切れを敗戦投手になってしまった田辺の父親と一緒に観ていたのだが…。


 特に、今シーズンより。球場で連盟委員、各校野球部員、監督、コーチ、関係者など。そして、この日記にも再三のように書いているが、選手の父兄にも挨拶して貰えるようになったのは嬉しい限り。
 また、ベタな営業好きな僕の努力で!???結構、日記を読んでくれている人も多いようなので、喜びも倍増。ただ、同志社大の吉川監督までもが読んでいるとは!!!
 時折、関西学院大の本荘雅章監督や京都産業大の勝村法彦監督が読んでくれているのは耳にしていたけれども。
 こりゃ、下手なこと、書けませんな(苦笑)。


 >立命館大マネージャー各位
 イヤーブック、ありがとうございました。
 今後も何卒宜しくお願い致します。

 >オリックス野球クラブ営業課・砂川廣樹
 ゴメン、今日も砂川と会うたのに…。
 日記に載せるタイミングを逸したわ(笑)。
 まぁ、またの機会に。
 関西大、負けたから凹んでいるんやろう!?
 試合後、花木聡さんと森本鉄平が笑っていたで。

 >近畿大・古谷純一
 いつもありがとう。
 君には本当、感謝、感謝。
 平成7年のリーグ戦のスコアまで探して貰っちゃって。
 また、メシ行きましょう。

 >関西学院大・野本正明主務
 人生、色々あるさ。
 最初から上手く行ったら、後で苦労する訳よ。(自戒も込めて)
 君のキャラならば、大丈夫だよ。
 慌てず、流されず、ジックリと。

 >関西大・田辺投手のお父様
 お声を掛けて戴きまして、誠にありがとうございました。
 昨日の結果は非常に残念でしたが…。
 長いスパンで見れば、田辺投手の今後の糧になるように思います。
 今後も何卒宜しくお願い申し上げます。

挨拶

2003年4月20日
 最近、好きな娘がいる。
 と、言っても…狙っている訳でも、口説こうとか思っている訳ではない。(ちゃんと彼女おるしね、何かあるようやったら日記にも書けへんわ)そのような恋愛感情は一切ないことを始めに強調しておこう。

 その娘は近所のある店でアルバイトをしている。時折、その店にも立ち寄るし、店の前で会うこともある。
「こんにちは。お仕事やったんですか?真っ黒に日焼けされはって、いつも忙しそうですね」
 僕の姿を見掛けると、そのようにいつも挨拶をしてくれる。
 多少、営業的な意味合いもあるのだろうが!?バイト娘の挨拶は非常にニコヤカで、清々しい。そう、気分が良くなる挨拶が好きなのだ。僕も愛想は良い方なので
「ドーモ、こんにちは。いつもお疲れ様やね」
 と、必要以上の笑みを浮かべて返してしまうもの。

 昨日も書いたことだが、取材でも色々な人間と会い、挨拶をする。
 それぞれの人間関係(親しかったり、目上だったり)があるので、その形態は様々だ。
「ちぃーっす、ドモドモ」
 くだけた感じで気軽に手を挙げる場合もあれば、
「こんにちは、いつもお世話になっております」
 深々と、頭を下げることもある。

 金村義明(野球評論家)のマネージャー時代、
「リキちゃん(たまにそう呼ばれていた)、挨拶だけ(他はアカンという皮肉やったんかな!?)はシッカリしているから安心やわ」
 金村にはよく言われたものだ。特別に意識はしていなかったけれども、金村がそのように言っていたのだから間違いではないだろう。確かに、声は大きいから体育会系には受けが良い。
 だけど、僕も生身の人間。気乗りしない時や、あまり好感を抱いていない人間には“ないがしろ”な挨拶をしていたのでは…。恥ずかしながら、思い当たる節もある。それは僕自身、多いに反省。改めなければならない点だ。

 挨拶は人間関係の窓口。ゴニョゴニョと、ハッキリしない挨拶よりも、歯切れの良い挨拶の方が良好な関係を築き易いように思える。
 現在、大学野球の仕事で接する人間が多い。連盟のお偉いさん、各校の監督、コーチなどの目上の方も紳士的であるし、選手やマネージャーもみんな礼儀正しい。その中でも、個人的に立命館大の嶋岡孝太内野手の挨拶が好きだ。正直、嶋岡はお手本のような堅苦しい挨拶をして来る訳ではない。どちらかと言うと、ちょっとヘラヘラした印象も受ける。でも、僕のことを見掛けると、人懐っこい笑顔で
「ドーモ、コンチハ。今日は微妙な天気っすね」
「お疲れ様でしたぁ。最後はちょっと差し込まれちゃいました。なかなか1本(本塁打)出ないもんですよ」
 などと、“嶋岡味”全開で、気軽に声を掛けて来てくれる。
 性格もあるのだろうが、試合前後の選手はあまり視野が広くないように思える。集中力を高めていたり、反省をしていたり。それは僕も充分に理解しているつもりであるし、逆にどのように声を掛けて良いかも分からない。それだけに嶋岡の挨拶は安心するし、勝手ながらも嶋岡のことを見守ってやろうという気にもなる。また、変な気を遣わずに“島尻味”タップリの挨拶を返し、接することが出来るから。

 冒頭のバイト娘と少し話しをしたことがある。
「仕事、楽しくてしょうがないんです。色々な人に会えるし、みんな優しくして下さるんで」
 そう思えるのは、バイト娘自身の人柄。殊に、挨拶の心地良さが産み出しているようにも感じる。
「将来は自分でお店をやりたいんです。必ず寄って下さいね」
 とも言っていた。多分、バイト娘はいつの日か自身の店を開くだろうし、アットホームな良い店になるはずだ。その際は、僕も必ず寄らせて貰いたい。

 やっぱり、挨拶って、メチャメチャ大事。人間関係だけではなく、自身の道を切り拓くキッカケにもなる。

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