“手の平返し”

2003年5月1日
 今日から5月。“五月晴れ”とは良く言ったもので、関西地方(って、西宮ね…)は雲一つない快晴であった。気温も高く、Tシャツだけで充分に過越せるのは身軽になったようで喜ばしい。

 ペナントレース開幕から1ヶ月余り。開幕戦こそベイスターズに敗れたものの好調を維持して、セ・リーグの首位を走るタイガース。
 列挙して行ったらキリがないくらいの勝つ要素に、ありがたくない計算違いを凌ぐ“嬉しい誤算”でカバー。磐石とは言えないけれども、昨シーズンの経験とオフの補強が活きているような形だ。
 僕的にも、タイガース関連の記事を『Sportiva』(集英社)に寄稿したこともあるので、一安心というところか。

「もう優勝は決まったでぇ〜♪ だって、強いんやもんタイガース」
 僕が生活している土地柄が土地柄なのか!? 毎日、そのような声を耳にする。ただ、ちょっと待って欲しい。ペナントレースは140試合の長丁場。まだ30試合も戦い終えていないやん。
 確かに、タイガースは弱くない。優勝という明確な目標に向かって、勝ち星を積み重ねるチームになって来ているし、勢いも感じる。ただ、真の強さ。それが問われるのは“現在”だけではない。優勝争いの佳境での強さ。そして、来シーズン以降にも繋がるものでなければならない。浮かれるのには気が早過ぎるっしょ。でも、それがタイガースファンの愛すべきところでもあるんかな。まぁ、ファン心理ということで大目に見ることに(笑)。

「アホ!ボケ!カス!何でこんなん獲ったん?頼むから、ハム(ファイターズ)に返したって。ホンマ、要らんわ…。嫌いやわ」
 昨シーズン、FAでタイガースに入団した片岡篤史内野手に常々、浴びせられた代表的な罵声。(注:過去形)
パ・リーグからの移籍、人気球団という重圧などなど…。僕も
「そんなメチャクチャ打たんやろう」
 とは思っていたが、その予想をもはるかに超える不振を見せた片岡。技術的にも、精神的にも“ドン底”を味わった。
そして、復活を期した今春のキャンプ。順調に仕上げていたにも関わらず、脇腹痛で無念のリタイア…開幕二軍スタートとなる。
 しかし、そこから片岡は簡単に沈まなかった。まだ昨シーズンの雪辱を晴らしている途中であるけれども、ここ数試合の活躍、貢献度は説明するまでもないだろう。
「さすが“片岡様”やわぁ。やっと慣れて来たんやな。やっぱり、モノが違うで」
 上記のセリフは僕の憶測であるが、ボロカスに片岡をこき下ろしていた輩は“手の平返し”。きっと片岡を賛美、褒め称えているに違いない。

 これもファン心理の一つなのかも知れないが、僕的には多いに疑問符が付く。

 野球は好き。そこそこ野球に関する知識もある。ただ、可哀相なことに真の野球の楽しみ方は知らない。結局は目先の勝ち負けにこだわり、短いスパンでしか野球を捉えられない。野球だけでなく、他の事象にもそのような傾向が強い。

 ストレスの発散、解消…確かに、大声を出すことは良いのだけれども、必要以上に選手を罵る必要はない。明らかなボーンヘッドに対して、手厳しくなるのは分かるけれども。
「選手への愛情の裏返しや」
 というエクスキューズも考えられるが、根底にリスペクト(=尊敬)があるようには到底思えない。単に自身の機嫌に左右されているだけで短絡な言動。で、こういう輩に限って、
「野球を愛している」
 恥ずかし気もなく、平然と、のたまっている。勘弁して欲しい。

 漠然とはしているけれども、これからの僕の活動の中で、このような人間を少しでも減らしたい。僕の書いたモノで野球選手へのリスペクトを、少しでも多くの人間に抱いて貰えるようになれば、爽やかで心地良い気分になれるだろう。そう、5月の緑風を感じるように。


“手の平返し”に耐えるのはプロ野球の世界に身を置く者の宿命。いや、プロ野球にとどまらず、全ての分野に該当する宿命かも。僕らの日常の生活や人間関係にも悲しいかな溢れている。
 現に、僕も“手の平返し”を感じることもある。また、その逆で、知らず知らずのうちに“手の平返し”をしてしまっている恐れもある。うん、多分、あるんやろうな(涙)。
“手の平返し”って、嫌な言葉やね…。


 秘密メモを始め、たまに
「文章を書くコツを教えて下さい」
 というような旨がメールなどでも寄せられる。
 僕自身、間違いも多いし、そんなに文章が巧いとは思っていないので、むしろ教えて欲しいくらいなんですけれどもね(苦笑)。
 ただ、コツかどうかは分かりませんが、ヒントとして!???
 学生時代に受けた国語や現代文での筆記テストを思い返すことは多いです。
 随筆文などの問題があったでしょ。
 空欄に接続詞を当てはめたり、指示語が何を表しているのかを答えたり。
 そのようなことを考えると言うか、意識することはあります。

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