祝20勝

2003年5月26日
 関西圏の大学野球春季リーグ戦も佳境を迎えている。
 既に、阪神大学リーグ:大阪体育大、近畿学生リーグ:奈良産業大の優勝が決定。京滋大学リーグは佛教大。
 関西六大学リーグは京都産業大と神戸学院大の直接対決で、勝点を取った方。関西学生リーグも全日程を追えた近畿大と、同志社大と対戦中の立命館大で覇権を争う。

 昨日、同志社大の度重なるミスで優位に試合を進めていた立命館大。ところが、9回表の攻撃で、同志社大が粘りを見せる。2点を返し、3×3の同点。延長戦に持ち込む。そして、延長11回表に、同志社大主将・永山貴大内野手がエラーの借り(2回裏)をバットで返す。永山の放った打球はしぶとく三遊間を抜け、中堅越えの二塁打を放っていた渡辺亮投手が生還。これが決勝点となり、立命館大の単独優勝の可能性は消滅した。

 同志社大の先発は今シーズン、本調子でなかった渡辺。しかも、この立命館大戦を控えて、左膝に水が溜まるアクシデントにも見舞われた。が、幸いにも日程の都合上、2週間のインターバルが渡辺に味方。何とかコンディションを整えて、立命館大戦に望むことが出来た。事実、昨日の渡辺は投球フォームが修正され、球に力もあった。
「反省するところはありますけど、(今シーズンを振り返って)自分的には今日が一番良かったかなと思います。バランスも良かったし、終盤になっても球威が落ちなかった」
 と、試合後に渡辺自身も手応えを感じていたよう。
 審判との相性や味方の失策も絡み、失点3も自責点は0であったこともそうであるが、それ以上に滑らかな口調が印象的。渡辺は復調のキッカケを掴んだのではないだろうか。
「今日は渡辺に投げ切って貰おうと。リーグ戦も終わりますし、渡辺も納得していない部分があったでしょう。珍しいことに試合前日にも『調子は良いです』と、言っていましたからね」
 同志社大の吉川博敏監督もそのようなコメントを残して、エースの奮闘に目を細めていた。

「まぁ、チームが勝てたことも勿論なんですけど、個人的にも通算20勝目だったんで。ホンマに嬉しいですね」
 同リーグの近畿大・糸井嘉男投手が熱視線を集める中、下級生時代からコツコツと、決して強力とは言い難い同志社大打線をバックに。勝星を積み重ねて来た渡辺は素直に喜ぶ。

 復調の兆しと、節目の勝利。この試合のウィニングボールは、渡辺の意地が詰まっていることだろう。苦しんだシーズンだからこそ。


 余談ではあるが。
「マサヒコ(田中雅彦捕手、近畿大主将)から何度も電話があるんですよ。『絶対、勝てよ』って(笑)」
 と、渡辺。
 携帯電話が当たり前になった現在。他校であっても選手同志は頻繁に連絡を取り合っているらしい。ライバル意識さえ薄れなければ、非常に羨ましいことのように思える。

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