昨日の日記にも書いたように、林威助外野手(阪神)と食事をする。杉山直久投手(阪神)は風邪気味だったらしく、今回は来ることが出来なかった。

 学生時代(近畿大)より少し短く切り揃えた髪型と、日焼けした顔が一層に林の表情を凛々しくさせていた。また、黒のTシャツにジーンズ。右腕にタグ・ホイヤーの腕時計をはめただけの華美でないシンプルな格好が、いかにも林らしい。

『安芸』へ行き、まずはビールで乾杯する。
「好き嫌いはないですね」
 と、林が言うので、僕は適当に料理を注文。そして、色々な話しをした。
 プロ生活、寮の環境、休日の過越し方、仲の良い選手、優しい先輩選手、故郷、母親の料理、大学時代の思い出、ナショナルチーム(チャイニーズ・タイペイ)について…などなど。少し焦りはあるけれども、右膝の回復具合も順調のよう。林は終始、にこやかな表情を浮かべながら箸を口へ運び、適度に麦焼酎水割りのグラスも傾ける。また、ちょうど店内にあるテレビで、スワローズ×タイガース(神宮球場)のナイター中継をやっていたこともあり、真面目な野球談義は勿論、選手のちょっとしたこぼれ話しなども。途中、同期入団の江草貴仁投手から林の携帯電話に連絡も入る。用件は
「寮へ帰って来る時、コンビニに寄って買い物して来てよ」
 とのこと(笑)。

 その後、野球博士・江本雅朗も合流。
「曽我部さん(直樹、外野手)には可愛がって貰っています」
 林が応えると、すぐに曽我部の球歴などをスラスラと、語る江本。また、林が近畿大入学早々に、リーグ戦の首位打者を獲得した後の『大学野球 増刊号』(ベースボールマガジン社)のグラビアも持って来る用意周到ぶり。シッカリと、サインを書いて貰っていたなぁ。

 タイガースへ入団する前から知っている。インタビューをしたこともあるので、野球の原風景も僕なりに把握しているつもり。そして、仕事抜きでこのような機会を持つこともある。そんな贔屓目もあるのかも知れない。ただ、間違いなく、林は野球選手に大切な何かを持っているような気がしてならない。

 予備知識もなく、初めて林のプレーを観た時。ピーンと、感じるものがあった。特に、打席へ立つ姿には胸がときめいた。そして、放たれた打球を見て、さらに驚く。確か、最初に観た打席では二ゴロであったと記憶している。でも、打球の質が並ではなかった。
 少々、右脇が甘い感があるが、手首が立ったままバットが出て来る。俗に言う、リストが効いたスイング。で、球をミートする際に“ガチッ”というような音と共にリストが返る。そして、球とバットが衝突した以上の勢いがある打球。

 早く一軍で活躍する林を観たいものだ。本拠地・甲子園球場の浜風をものともせず、鋭い打球を右翼スタンドに突き刺すシーンを思い描いていると…携帯電話が鳴る。
「昨日はありがとうございました。僕も頑張りますので、島尻さんも頑張って下さい。また、ゴハン行きましょう」
 林からであった。

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