肩の力を抜いて

2003年3月14日
 今週号の『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)を読む。
 最終回になってしまったが、巻末の“陽はまた昇る”は楽しみにしていた。僕もこういうのを書かせたら得意だから!???読むのも好きなのだ。

 今回は?木大成内野手(ライオンズ)であった。書き手は僕もお世話になっているライオンズ担当の小林光男。
 余談ながら、?木と僕は同い年。う〜ん、なんか?木って、書き難いなぁ…大成にしたろ。
 僕は大成のことをあまり好きじゃない。と言うか、敢えて関心を持たないようにしていた節がある。
 高校時代から、大成はスーパースター。3年生の夏は甲子園に出場して、桐蔭学園高(神奈川)の主将を務めていたうえに一番打者で捕手。しかも、甘いマスク。そりゃ、やっかむわな…(苦笑)。
 大学進学後、大成はさらにスター街道をひた走る。慶応大ですぐにレギュラー(でも、捕手、内野手、外野手と毎シーズンのようにコンバートしていたっけ)に定着。『大学野球 増刊号』(ベースボールマガジン社)の表紙を飾ったことは数知れず。グラビアにはいつも登場していた記憶がある。キャッチフレーズは常に“爽やかな慶応ボーイ”みたいな感じ。ますます大成のことが好きでなくなった…。

 そうそう、夏のOP戦で慶応大と試合をしたこともある。
 同じスター選手でも、樋渡卓哉投手(現・日本航空高コーチ)は
「氷がなくなったら、遠慮しないで言ってね。すぐに持って来るから」
 と、笑みを浮かべながら、ベンチに冷たい麦茶いっぱいのガロンを持って来てくれた。お互いにまだ下級生やったからね。それに対して、大成の偉そうなこと、偉そうなこと。まぁ、先入観もあったんやろうけれども。

 その後も大成はライオンズにドラフト1位指名(96年)で入団。97、98年の2連覇時は中軸を任され、一塁手として2年連続でゴールデングラブ賞も獲得。もう、ここまで昇り詰められたら、ジェラシーも感じない(苦笑)。
 しかし、度重なる故障などもあって、ここ数年間で大成の名前は次第に色褪せて行った。
 僕もちょうどスポーツライターを志し始めた頃で、何度か球場で大成を見掛けたが、いつも神妙な顔付きで考え込んでいるように見えたものである。よくダグアウトの裏に置いてあるパイプ椅子に腰を下ろし、バットのグリップエンドに顎を乗せて(頬杖を付くような感じ)佇んでいる印象が強い。言葉は悪いが、とても辛気臭くて、かつての華やかな面影は一切なかった。

 2月、ライオンズの春野キャンプ。
 今シーズン、大成は二塁手にコンバートするので、特守を受けていた。ノッカーは伊原春樹監督である。
 その伊原監督の
「大成は徳俵(相撲、土俵の)に足が掛かっているからな」
 というコメントが、僕の頭の中にインプットされていたこともあり、
「あぁ、ホンマに大成も崖っぷちやな」
 ダグアウトから、特守を受ける大成を眺めていたら、そう思わざるを得なかった。
 ところが、特守を終えて、荒れた守備位置をトンボでならす大成の顔は非常に柔らかかったのである。切羽詰まった様子を微塵も感じさせない。

 日記にも書いたけれども、僕は3月10日にブルーウェーブ−ライオンズのOP戦を観る為、GS神戸に足を運んでいた。
 試合前の練習、偶然、僕の目前で大成がティー打撃を行なっている。この時も、大成は異様にはしゃいでいた。表情もメッチャ明るかった。コーチや他の選手に“チャチャ”を入れている大成も初めて観た。OP戦の成績も楽観出来るものでもないのに…。
「大成、もう野球に対して、冷めちゃったんやな」
 そんな風にさえ思えてしまったくらいだ。

 しかし、“陽はまた昇る”を読み終えて、大成の心境が少し理解出来るような気がした。そして、好きでなかった大成を応援してやりたい。いや、やっぱり、応援まではせえへんな(苦笑)。ただ、温かい目で見守ってやろう。そうすることに決めた。

 肩の力を抜き切った大成に注目してみたい。


 >小林君
 非常に読み易かったっす。
 小林君もやっぱり、73年うまれ(昭和48年会)やね。
 その辺が分かる斬り口。抜群でした!
 ちょっとジェラシーを感じるわぁ!???

《一段落》
 税務署に行き、確定申告の記入法を教わる。
 帰宅後、整理していた源泉徴収票や領収書などを計算。そして、速やかに記入。
 多分、これでバッチリのはずや。税金の還付もあるしぃ〜♪
 あとは忘れずに17日までに提出するだけだ。

 でも、まだ首が痛いんやなぁ…(T_T)

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