漢(オトコ)だよ

2004年7月11日
 多くを書く必要はないだろう。(決して手抜きではない!???)

《2004サンヨーオールスターゲーム第2戦》
 セ・リーグ 1×2 パ・リーグ

 1打席目、予告本塁打のパフォーマンスでセーフティーバント(結果は投ゴロ)。その後、2安打(二塁打2本)2得点に、極めつけはオールスター史上2度目となる本盗(単独は初)を決めたSHINJYO外野手(ファイターズ)がMVPに輝く。

 SHINJYOのプレー及びパフォーマンス。難しい言葉を並べて、理詰めで訴えることよりも明らかに分かり易い。コメントも然りだ。

「これからはパ・リーグでぇ〜す!」

「元気ハツラツぅ〜?」

 ある意味、見習わなくてはイケナイ。と言っても、SHINJYOやからこそなんかなぁ。

 アンタ、ニュータイプ(ガンダム的な言い回しで)の(オトコ)だよ。手放しで誉め讃えたい。

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 日曜の朝ということで、朝から様々なテレビ番組でも“合併問題”、“1リーグ制移行”などを論じていたが。
 個人的見解で『報道2001』(CX系)はなんだかなぁ…。
 MCアナ&『大体やねぇ〜』で有名な御意見番の“薄識ぶり”(※こんな日本語ないっす)が際立っていたからなんやろうけれども。

 あと、またまた個人的な見解で。二宮清純(スポーツジャーナリスト)にはもっと頑張って欲しかったっす。
 好き嫌いはあれど、同業者(僕なんぞとは格が違うけどぉ…)の中では世間一般的に最も知名度があり、説得力がある人間なんやから(それが“売り”なんすから)。
 確かにあのような場でイニシアチブを取り、発言をするのは難しいというのは理解出来ますが。でも、それも“売り”なんすから。もっと感情的になっても良いと思ったんですけどね。って、それは“売り”ちゃうか(苦笑)。

本日より

2004年7月12日
『大学野球 増刊号』(ベースボールマガジン社)の取材開始。

 スタートは我が母校でもある関西学院大。
 取材対象選手は清水誉捕手だ。

 実は昨日…偶然、清水誉とは会うているんやなぁ。阪急・西宮北口駅の改札で。

「明日はヨロシクぅ」
「はい。田中さん(伸明、主務)から13時って聞いてますけど」
「うん、昼過ぎには行くから」
「はい、宜しくお願いします」

 ということで取材雑感はまた晩にでも。

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 取り急ぎ、『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/を更新。
 サムネイルをクリックすると写真は拡大されます。
 授業に出ていた選手も多いので…ごく一部ですが。

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 第75回都市対抗野球大会/近畿地区代表決定戦はこちらを
 http://8540.teacup.com/sokuho/bbs御覧下さい。

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 えーっ、『大学野球 増刊号』(ベースボールマガジン社)に書かなければアカンのでネタは小出しに。御容赦の程を。

 清水誉捕手(関西学院大)は進学校の小野高出身。高校時代は兵庫県大会ベスト8(3年生時、夏の大会)が最高成績。だが、個人の力量は図抜けており、プロも注目した逸材。スローイングが的確で、高校通算27本塁打という打撃が魅力であった。

 関西学院大入学後、正捕手であった矢川武邦捕手(現内野手)の故障(右指の骨折、人差指、中指、薬指の3本???)もあり、1回生春からスタメンに名を連ねる。
「高校の時はあれだけ甲子園に出たくてもアカンかったのに。大学に入ったら、すぐ甲子園でしたからねぇ(笑)」
 そう、伝統の“関関戦”でデビューという幸運もあった。しかし、ルーキーイヤーは大学野球の壁をひたすら痛感することになる。
「リードとかキャッチングも精一杯。打撃もありきたりですけど、スピード、キレにビックリした」
 と言う。

 今春はキャンプ前に患った腰痛(ギックリ腰)で大事を取っていたので、スタートこそ芳しくなかったが、大学野球のレベルにはもう順応していた。
「データがある。自分でもこの選手はこうだというイメージも分かって来た。守る方でも、打つ方でも余裕が出て来ました。まぁ、要は慣れなんでしょうけど」

 守りに関しての数字は出難いが、打撃面では、その言葉が嘘でないことは分かる。

 昨年/18試合 60打数11安打 4打点 0本塁打 .183
 今春/12試合 38打数10安打 7打点 3本塁打 .263

 まだ2回生ということ、捕手というポジションを加味すれば、今春の成績は及第点。ちなみにマリーンズ入りした田中雅彦捕手(近畿大出身)も常時3割をキープするようになったのは3回生春からである。

 特筆すべきは本塁打3本。(関西学生リーグでは“本塁打王”の制定はないが、単独トップである)しかも、3本中2本は金刃憲人投手(立命館大)、増田陽紀投手(関西大)というリーグ屈指の左腕投手から放ったものというのが潜在能力の高さを伺わせる。

 実はネット裏(プロ野球編成陣)の評価が高い清水誉。まだまだ“ノビシロ”があるというのが共通の見解のようである。2年後の秋が楽しみだ。

 気になる選手は?という問いには
「ブルーウェーブの長田(勝、捕手)ですね」
 と即答。
 同学年で中学時代から親交があり、高校時代に何度も対戦(長田は神港学園高)しているうえに同じポジション。
「向こうはプロで、僕は大学野球。いつか絶対に追い抜きたい」
 最後に力強く、そう語っていた。

 切磋琢磨で頑張って欲しい。

「島尻さん、今日は本当にありがとうございました」
 最後は丁寧かつ深々と頭を下げて来た清水誉。人間的にも◎やね。

ブックマーク整理

2004年7月13日
 再度、左にありますブックマークを整理致しました。
 申し訳ないのですが、更新頻度が低い日記が対象であります。
(自分の日記を書くのも大変やのに…更新しているかどうか分からんブックマーク50件、読むのもゴッツイ大変なんです)

 これに伴い、K31さん、あかねさん、坊主TAKEさんが繰り上げブックマークとなりました。

おざなり感

2004年7月13日
『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/も好評っす!?
 但し、いかんせんカメラマンが“トーシロー”なので…。
 クオリティーに関しては保証出来ませんが(苦笑)。

 サムネイルをクリックすると写真は少しだけ拡大されます。

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 アテネ五輪壮行試合(東京ドーム)1戦目

 キューバ
 000010000=1
 000000010=1
 日本
(9回規定により引き分け)

(キ)パルマ、マルティネス、ラソ−ペスタノ
(日)清水直、坂本、野間口、石井、小林雅−城島

 をノンビリとTV観戦。
 まぁ、試合詳細などは仕事ちゃうので(笑)…省略っす。

 しかしなぁ…本中継で“長嶋JAPAN”の連呼は参るよなぁ(苦笑)。あくまでも日本代表なんやから。“スポーツのTBS”(んっ!?“ドラマのTBS”って声もあるわな)としてはどうだかなぁって感じ。

 あと、気になったのが誤表記テロップ。
 日本の2番手で登板した坂本保投手の所属が“本田技研熊本”って…。えーっ、正しくは“ホンダ熊本”っすよ。

 今朝、松倉雄太からメールが入り、某スポーツ紙の高校野球記事に目を通すと。
「嗚呼、ホンマや。また間違っているぅ…」
 松倉の指摘(愚痴???)通り、監督名と過去対戦時の延長イニング数が…。
 まぁ、このスポーツ紙のアマチュア野球担当(関西圏)は遊軍と他部署からの応援。

 力の抜き加減がよ〜う分かりますわ。

 ねぇ、ニッカンさん!!(もう我慢出来ん、書いてまえ)

 C君(僕の大学同期)、どうにかしてくれよん。

 最近、非常に気になるのだが、テレビや新聞という主要メディアのアマチュア野球に対するおざなり感って、一体?
 過去、僕にもミスはある。でも、言い訳をさせて貰えば…本原稿では合うてるのに、なぜか編集後に間違えていたりというパターンが主。
 まぁ、おざなり感丸出しやから、上でチェックする人間もいないんやろうね。そりゃ、追随記事しか書けんわな。

 ってな具合に、斜に構えつつ!?日記を書いていたら、福岡屋あるじさんhttp://diarynote.jp/d/42537も同じようなこと書いていた。
「アカン、追随記事どころかパクリやんっ!」

 御容赦の程を(苦笑)。

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 明日は“取材Wヘッダー”。
 立命館大&京都産業大へGO!
 まぁ、両校の野球部グラウンドはメッチャ近くなんやけどね(笑)。

まずは『写真館』を

2004年7月15日
 昨日は立命館大と京都産業大へ。
 まずは『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/を更新。
 サムネイルをクリックすると写真は拡大されます。

 立命館大は(朝練習)と(夜練習)の間やったので…ほとんど写真を撮ることが出来ませんでした。

 カメラマン・松村真行のお手伝いもしていましたし(笑)。
 何卒、御容赦の程を。

 でも、1枚だけ貴重な写真ありです!???

 取材雑感は後で。
『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/もヨロシクです。
 サムネイルをクリックすると写真は拡大されます。

 大学生などは携帯電話(多分、URL同じ)でよく観てくれているようです。
 パケ代、注意!

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 昨日は立命館大と京都産業大へ取材に出掛ける。
 両校のグラウンドは非常に近いのでセットになりがち。スポーツメーカーなどもセットで来るようである(笑)。

 立命館大では春季リーグMVPの金刃憲人投手の取材。
 授業後、グラウンドで撮影をしてから、寮の応接室でインタビュー。
 口数は多くないが、意思の強いところが感じられる選手だ。あと、まだ2回生であるけれども、チーム全体のことを考え始めている。さらなる躍進に期待したい。
 詳細は『大学野球 増刊号』(ベースボールマガジン社)にて。

 金刃の取材を終え、京都産業大のグラウンドへ。立命館大の主務・瀬川雄介が車で送ってくれる。サンキュー♪

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 京都産業大では勝村法彦監督の話しを聞きながら、練習を観る。
「これまで(昨秋、今春)、あと一歩のところで負けていますからね。良いかどうかは分からないんですけれども、やってみな分からんところもありますから」
 という前置きがあったが、メンタル、テクニカル、フィジカル(=要は“心技体”っす)の視点から本当によく勉強している。意図が明確で、工夫のある練習に感心することしきり。
 ここ数年、京都産業大が安定した力を発揮しているのは、この辺にあるのかも知れない。

「今日、初めてなんですよ」
 という“大縄跳び”を使った練習も面白かった。縄跳びを跳ぶ選手、回す選手の筋力トレーニングになることは勿論、団体競技に不可欠な一体感も要求される。また、選手の性格が分かるという側面もある。
「おいっ、声が小さくなってんで。頑張ろうや!」
 と周囲に声を掛ける選手もいれば、早く終わらそうと
「違うねん。こうしたら引っ掛からんやろう」
 と合理的な意見を言う選手もいる。
 一概には言えないが、前者は内野手タイプ。後者は投手タイプみたいな傾向が見られた。

 練習後、グラウンド右翼後方にある管理棟で2季連続ベストナイン(外野手)獲得の安井亮太外野手のインタビューを始める。
“山椒は小粒でもピリリと辛い”を絵に描いたような選手。これまた、詳細は『大学野球 増刊号』にて。
 自分勝手と言う訳ではなく、言葉の端々に“我が道を行く”という匂いがした選手。
「血液型B型ちゃう?」
 そう尋ねると
「そうです。分かりますか(笑)」
 と応えた安井。
 うん、とても分かり易い(爆笑)。

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 京都産業大のグラウンドから阪急・大宮駅まで、勝村監督の運転する車で送って貰う。ホンマ、ありがとうございます。

 車中、前述した練習のことや、社会人野球・JR東海で頑張る光原逸裕投手の話題などで盛り上がった。

(酒井康輔主務の情報によると…光原も毎日、この日記をチェックしてくれているようである!?ありがたい限り。残念ながら、社会人になってからの投球を観ていないので。都市対抗での“成長ぶり”を楽しみにしている。勝村監督同様、感動したいなぁ)

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 帰りの阪急電車は浴衣姿の女性が多かった。そう、祇園祭が行われていたのである。でも、僕はいつもと同じで野球三昧。携帯電話には高校野球や社会人野球の情報メールがバシバシ入る。
 風情には欠けるが…まぁ、ええか(苦笑)。

 家に戻ると、デュプロの野本正明マネージャーと松倉雄太からFAXも届いていた。(まぁ、頼んでいたからなんやけどね)ありがとう!

 さ〜て、原稿を書かんと(大汗)。
 あっ、HP立ち上げの作業もや…(再大汗)。
(やっとドメインが取れて、URLも決まりました。まだ公表しませんが。乞う、御期待ということで)

時間がないっ!

2004年7月16日
 えーっ、時間に追われております。
 まぁ、単に自分の仕事が遅いだけなんやけれども…。

 今日は同志社大の田辺キャンパスへ行き、ドラフト候補の染田賢作投手の取材。
 同志社大の練習もバッチリ!?観て、吉川博敏監督から話しを聴く。そして、イケメンの中路將位主務もシッカリといじって来た。(んっ…中路にいじられて来た!???)

 明日はJR大阪駅を発ち、サンダーバードで一路、富山・魚津入り。18日から硬式女子野球の世界大会が開催されるからだ。

 今日はプロ野球の後半戦開幕やし、前述の取材雑感など。色々と話題はあるんやけれども…時間がないっ!(他にもないものはイッパイあるが…)

 でも、今晩中に『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/だけでも更新したいと思う。(これからっす…)
 サムネイルをクリックすると写真は拡大されます。

 今日、日記を書けない分はサンダーバードの車中で???多分ね(苦笑)。
 御了承の程を。

やっと

2004年7月17日
 富山・魚津駅前のホテルで落ち着いたところ。
 夜中のうちに昨日、本日の日記を更新したいとは思っています。

 取り急ぎ、シャワーを浴びたいなり。

7月16日の日記

2004年7月17日
 同志社大の田辺キャンパス。
 JR同志社前より坂道を上がり正門前まで。その正門をくぐってから野球部のグラウンドまでが遠い×2…。到着時には溶けそうな位、汗ダクやった(苦笑)。
 中路將位主務とくっちゃべりながら冷たいお茶を飲み干し、最近、恒例になりつつある“カメラマン”に変身(笑)。

 吉川博敏監督にも挨拶を済ませ、取材対象選手である染田賢作投手やチームのことを尋ねる。
 その後は…また、ひたすら“カメラマン・モード”に突入した。

 書いたかも知れないが。“カメラマン・モード”は近々、立ち上げるHPの素材。楽しみにして戴ければ幸い。

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 練習後、寮の応接室で染田のインタビューを始める。
 まぁ、インタビューと言うよりは…雑談!???いやいや、これが僕の持ち味っすから。これまでに染田ともそれなりの関係を築いて来たので。
 詳細は『大学野球 増刊号』(ベースボールマガジン社)に。
 あと、前述HPの特集でも扱います。

 非常に簡単ではあるが(手抜き???)…以上。
 硬式女子野球(第4回世界選手権大会)の取材で富山・魚津へ向かう。
 JR大阪駅からサンダーバードに乗るが、新潟地方の大雨の影響を受ける…。
 予定通りの乗り継ぎが出来ずに、それなりに大変やった(泣)。

 ホテルでチェックインだけ済ませ、すぐにレセプション(前夜祭)会場へ向かう。なんとか間に合う。
 
 レセプションでは各国の"お国柄”が出ていた!?特に韓国とチャイニーズ・タイペイの盛り上がりは凄かった。チャイニーズ・タイペイはガンガンにアルコール入っていたしなぁ。(一気とかしていた)明日から試合やけれども大丈夫かいな?
 日本代表選手の大半は“アミノバリュー”を飲んでいた。

 レセプションも終わり、ホテルへ戻る。写真の整理を済ませ、食事をしようと再度、ホテルを出るが…大吉(焼鳥屋)とスナック、キャバレーが開いている程度。富山まで来て、大吉っちゅうのもねえ(苦笑)。で、結局、ホテルの売店でカップラーメンをすすることに。(んっ!?富山まで来て、カップラーメン???)
 まぁ、今日の僕はあまり日が良くないようだ。明日からの取材に備えて、早目に寝ることにしよう。

 明日から…ちゃんと日記を書きます。多分!???

 あっ!携帯電話の充電器を忘れてるわ…。
 今日は“天中殺”かいな(苦笑)。

『写真館』更新

2004年7月18日
『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/を更新しました。
 サムネイルをクリックすると写真は拡大されます。

 尚、いつもの『写真館』より“色気”があります!???

昨日分

2004年7月19日
 昨日分の日記はお昼過ぎ〜夕方を目処に更新したいと思います。

『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/も同様です。

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 まずは『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/を更新。
 サムネイルをクリックすれば写真は拡大されます。

 日記は夜になりそうです…!???
 第4回女子野球世界大会(硬式)の取材をしている。
 ちゃんと日記を書きます。と宣言しておきながら、書けていない現実…。ホンマに忙しいんです。本業以外でも(苦笑)。
 何故か某スポーツ紙には写真提供(報酬あり)しているし、日本女子野球協会からも
「島尻さん、静止画お願いします」
 とカメラマン状態である。(こちらは無料提供…但し、公表時は署名ありの条件)

 この2ヶ月余り。知識はないが、撮った写真の数だけは半端ない。少しは腕が上がったんかな!?
 社交辞令かも知れないが、『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/にもUPした新井純子内野手の一塁キャンバス上でのガッツポーズ写真なんか誉められまくり(笑)。という訳で…もう少し、ええカメラを使いたいもんやわ。
 どこかのカメラ・メーカーさん、アドバイザー契約しません?
 あらゆる手段を使って、バンバンとメーカー名をPRしますので。って、しがないライターじゃ無理っすね(苦笑)。

 目指せ!文章も書けて、写真も撮れるスポーツライター!???

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(1日目雑感)
 予選リーグ/カナダ6×10日本 桃山野球場

 日本の先発・中島梨紗投手は緊張からか、立ち上がりは制球難に加えて、ベースカバーを忘れたり。カナダの主軸にも長打を浴び、先制点を許した。しかし、広瀬哲朗監督の一声で平常心を取り戻し、失点を1で食い止める。
 打線は2回から爆発。2番打者・新井純子内野手、8番打者・坂下翠外野手が要所で好打を放ち、効率良く得点を重ねた。また、隙があれば、積極的に次の塁を狙うという走塁も活きた。

 投手陣では中島の後を受けた中学生投手・小林夏希投手が1イニングを3者連続三振の快投。
「小林は中学3年生だけど。ストレートは勿論、カーブもスライダーもキレがあるんだ。そう簡単には打たれないよ」
 と広瀬監督も絶賛していた次第。
 開会式で選手宣誓もした開催地(富山)出身の松本彩乃投手は3番手で登板。
 地元ということで意気込み過ぎたのか…二死後から与四球、被安打という形で2イニングで5失点。最後は太田さやか投手の救援を仰ぐという形になり、少し残念であった。
 が、日本は初戦を制し、2連覇へ向けて好発進。

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《試合後のコメント》…本当はもっと書きたいのですが
☆広瀬哲朗監督
「逆転時の連打と走塁、良かったでしょ?チームが目指している“本当の野球”が浸透している。女の子でもこれだけのことが出来るんだということが充分にアピール出来たと思う。でも、最初と最後に出た…ちょっとしたミス、つまらないミスは反省点。これはプロ野球でも一緒。彼女たちは年々レベルアップして“本当の野球”が出来るようになって来ている。あと、魅せるという部分でも少しずつね」

☆坂下翠外野手
「出来過ぎです(笑)。一戦、一戦、大事に戦って行きたいです。皆さんの前で野球を見せられることが出来て嬉しい。(地元が開催地・富山県魚津市近い石川県金沢市)」

―いつも笑顔ですが?
「楽しいんです。まぁ、こういう顔っていうのもありますけど(笑)」

☆和田有加内野手
「緊張は全然ありません。先制されたけれども打ち返せると信じていました」

―3打席目に快心のセンター前ヒットでしたが?
「センター前に打ちたかった。狙っていたので嬉しい」

―コンディションはどうですか?
「心身共にバッチリです!」

☆片岡安祐美内野手
※この予選の間にも所属する熊本商高野球部は地区予選中。
(そう、彼女は高校球児なのだ)
「お前が帰って来るまで負けないから、頑張って来いと。だから、必ず優勝して金メダルを獲って帰ります。そして、みんなと一緒に甲子園を目指します」
(注)残念ながら…片岡は高野連の規定で甲子園でプレーすることも出来なければ、公式戦に出場することも出来ない。それでも、3年間、共に苦楽を共にした仲間と甲子園を目指したいと語る。

―今日は途中出場も元気にプレーしていましたね。
「元気とか、声を出すというのが私の持ち味。とにかく持ち味を発揮したいです。打つ方では、どんな形でも良いから塁に出て、かき回したいです」

☆中島梨紗投手
―立ち上がりは珍しく緊張していたみたいで?
「ヘヘヘ(苦笑)。ブルペンで腕は振れなかったし、球も行っていなかった。やっちゃいましたね(舌ペロ&苦笑)」

―まだ登板機会はあると思いますが。
「もう大丈夫です。頑張ります」

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 その他の参加国(オーストラリア、アメリカ、カナダ、香港、チャイニーズ・タイペイ、インド、韓国)のことも書きたいし、思ったこと、感じたこともたくさんあるのだが。これは大会終了後に総括的に書ければと思っている。(なんせ文字数に限度ってものが)
 よって、日本の話題中心になることを御了承下さい。
『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/は20日のお昼前後を目処に更新します!?

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 日本は第4試合(プレーボール予定時刻19:00)。
 昼過ぎ、ホテル前駐車場で“神村学園高コンビ”の中島梨紗投手、西朝美捕手の素振りとシャドーピッチングをしていた。非常に“オイシイ場面”やったので
「ユニフォーム着ていないとこ悪いねんけど、カメラ回してもええかな?」
 そう聞くと、
「そのビデオって、すぐに再生出来るんですか?フォームチェックしたいなぁ」
 と中島。
「あっ、私もフォームチェックしたいです。真横と正面から撮って下さい」
 西にもお願いされる。という訳でシッカリと高校生2人のフォームを撮ってあげました。優しい31歳のライターは(笑)。

 その後、約1時間。片岡安祐美内野手のインタビュー。
 最初はホテルのロビーでしていたのだが、あまりにも暑い(冷房が効いていない!?)ので近所の喫茶店へ移動。
 片岡はオレンジジュースを飲みながら、非常に礼儀正しく。そして快活にインタビューに応じてくれた。
 目を見て話す、姿勢が良い。えーっ、高校生に対話の基本を教えて貰った次第である(苦笑)。
 尚、このインタビューは立ち上げ予定のHP『こちらアマチュア野球情報発信局』の“女子野球コーナー”にて。楽しみにして戴きたい。

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(2日目雑感)
 予選リーグ/日本53×0韓国(5回コールド)桃山野球場
※アメリカン・フットボールやラグビーのスコアではありません。野球の試合です。

 日本打線が放った安打は29安打。投手陣も小西美加投手(2回)、太田さやか投手(2回)、小林夏希投手(1回)と繋いで、韓国打線を無安打に抑える完封リレー。(与四死球はあり)圧勝であった。

 女子野球の歴史が浅い韓国。登録メンバーも僅か11名。正直、日本とはレベルが違う。しかし、“野球の原点”を忘れていないのはとても素敵であった。
 アホな報道陣や大会関係者は
「試合が終わらんやないか」(コールドゲームもあるが…規定で5回10点差)
 みたいなことを平気で抜かしていたが、僕はそう思わなかった。むしろ感動した位だ。

「まだ巧くないけどさ。でも、1球、1球に対して大きな声出してさ。1つのアウトを取ったら喜んでさ。アウトだって分かっていても一塁ベースを全力疾走で駆け抜ける。こっちが教えて貰うべきこともたくさんあったよ」
 日本代表チームの指揮を執る広瀬哲朗監督もそう試合後に語っていた。
 その通りっ!

 何年後になるかは分からないが、きっと韓国も力を付けて来るだろう。

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 ビデオでフォームチェックをした西も、インタビューをした片岡もクリーンヒットを打っていた。(2人共、スタメンでフル出場)これはこれで個人的には嬉しい(笑)。

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《試合後の主なコメント》…たくさんあるので一部のみになります
☆広瀬哲朗監督
―スタメンで起用した片岡選手が大活躍でしたが。
「そうねぇ、彼女は昨年も要所で働いてくれた。普段、男の子と野球をしているだけあって実に野球をよく知っているよ」
―大勝でしたが。
「まぁ、勝負だから勝つに越したことないんだけど。でも、スライディングすべきところでしなかったり。反省するところはあるよ」

☆小西美加投手
―攻撃時間が長くて大変だったのでは?
「キャッチボールをしていてもチェンジにならない(笑)。確かに難しかったです」

―与死球がなければ完璧。(5奪三振)
「でも、あれは内角の厳しいコースを狙ったので。こういう試合展開でしたけれども、逃げない“攻めの投球”をするというのがテーマだったので。そういう意味で今後の収穫だったと思っています」

―今後も登板機会はあると思いますが。
「はい、完投したいですね」

☆坂下翠外野手
―ダイヤモンドを何週もしましたね。
「疲れました(笑)。内容があまり良くなかったんで…」

―でも、最終打席のライト前ヒットなんか“お手本”みたいでしたけど。
「でも、ちょっと先っぽでした(苦笑)」

―今後もああいうバッティングが出来れば。
「そうですね。頑張ります(笑)」

※とにかく笑顔が絶えない選手です。

☆片岡安祐美内野手
(囲みではなくクールダウン中に独占!?得意の“雑談形式”やけれども)

―今日は1試合フル出場。良い顔しているね。
「はい、スゴイ楽しかったです」

―疲れはないの?
「大丈夫です。まだやりたい位です(笑)」

―大活躍やったね。
「いえいえ。1打席だけ自分らしくなく引っ張っちゃったんで。(結果は三ゴロ)」

―でも、こういう展開だからこそ冒険と言うか、そういうのも試せたんちゃう?
「そうですけど、やっぱり冒険はダメですね(苦笑)。私はあっち方向に打たないと(二塁ベースより右を指し示しながら)イケマセン。」

―守る方(二塁守備)はどうやった?
「もっと守備機会が多ければ良かったですね(守備機会1度のみ)」

―試合中に大きな声とジェスチャーで走塁のことを(走者・綱川あゆみ内野手)注意していたやんね。
「はい。あそこはスライディングしなきゃイケナイところですから。気を抜いて、中途半端なプレーをしていたら歩幅が合わなくなったりしてケガしたりということもありますから」

―同じケガするんでも一所懸命と、抜いてじゃ違うもんねぇ。
「抜いてケガしたら後悔しますから」

―じゃあ、今後も元気な全力プレーで。
「はいっ!」
『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/を更新致しました。
 サムネイルをクリックすると写真は拡大されます。

 試合前に片岡安祐美内野手のインタビューをした関係もあり、“プチ片岡特集”の感も(笑)。
 どうぞ御高覧下さいませ。

感動しまくっている

2004年7月21日
 時間がなく、日記が更新出来ないでいる…。

 現在、第4回女子野球世界大会(富山県魚津市開催)の取材をしているのだが、感動しまくっている次第。

 これは“やっつけ仕事”で文章に出来ない。更新が遅れている“言い訳”と取られても仕方ないが。西宮へ戻り、シッカリと書きたい。いや、絶対に書く!
 久々に“スポーツライター冥利”に尽きそうな手応えを感じている。←変な日本語やね(苦笑)。

『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/も後日、厳選して更新します。

 また、たくさんの良き出会いや再会も。

『野球狂のネタ5〜宿替』(関西テレビ)で世話になった伊集院光にも
「やっぱり“野球狂”は来てるんだねぇ(笑)」
 と誉められた!?
 お互い様ですわ(笑)

***************
 取り急ぎ、結果報告。

 第4回女子野球世界大会(桃山球場)

 7月20日
 予選リーグ:香港0×37日本 ※5回コールドゲーム

 7月21日
 準決勝戦:オーストラリア6×13日本

 今夜19:00〜
 決勝戦:日本×(アメリカ×カナダの勝者)

只今、帰宅

2004年7月22日
 本日、富山→生駒(近畿大取材)→帰宅→野球様(打ち合わせ&飲み)。
 メッチャ疲れた…。

 日記は明日、更新する予定です。

『写真館』を更新

2004年7月24日
 えーっ、『第4回女子野球世界大会』と『20万HIT御礼』の日記が仕上がらない…。

 で、取り急ぎ、『写真館』http://www.alfoo.org/diary/shimajoe/を更新。
 7月20、21日分(予選香港戦、準決勝のオーストラリア戦、決勝のアメリカ戦)になります。
 画像ですが、充分にレベルの高さが分かると思います。
「女の子の野球だろう」
 という先入観、固定概念は吹き飛んでしまうこと必至。

※サムネイルをクリックすると写真は拡大。
※携帯電話でも同URLで閲覧可能ですが、パケ代に注意。

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 僕と同業者である上原伸一から
「現在、島尻さんが一番、熱心で女子野球に詳しいジャーナリストですよ」
 と言われたが。
“にわか”なんですよね(苦笑)。
 でも、選手をはじめ、様々な人間と出会えたことに感謝。
 勿論、女子野球の魅力も存分に感じている次第。
 女子野球ならば“島尻”と言われるように頑張ります。

***************
 7月24日は取材で龍谷大のグラウンドへ。
 往復の電車の中で日記は仕上げたいと思います。(多分!???)

女子野球雑感

2004年7月25日
 えーっ、日記を読んでくれている方は御存知だと思いますが。
 7月18日〜21日に開催されていた第4回女子野球世界大会(富山県魚津市/桃山球場)の取材へ出掛けていた。

 6月の合宿を観た時も思ったことだが、女子野球<男子野球ではない。(レベルの高い選手が集まっているというのもあるが)
 確かに男子と女子の体力差はある。殊に下半身の粘り強さという点では男子に分がある。よってベースランニングの伸びや投手の体重の乗り方などは女子の方が劣るという点は認めざるを得ない。しかし、一般的に身体の柔軟性は女子の方が優っている。投球フォーム、打撃フォーム、打球への入り方などは女性の方がしなやかだ。非常に美しい。

 そして、もっと美しいのが野球に対する姿勢である。
 全日本(チーム・アミノバリュー)の代表選手はセレクションによって全国各地から集まっている。数少ない硬式女子野球部に属している者、男子の中に入って硬式野球をプレーしている者もいる。その他にも女子の軟式野球チーム、男子の軟式野球チーム、ソフトボールなどなど。
 但し、ここで言えるのは。彼女たちは野球を続けて行くうえで男子よりも熱意を見せなければならない。正直なところで
「女子が野球なんて」
「男子には敵わないんやから」
 というような風潮があることは否めない。当然、彼女たちがプレーをするハードは…男子と比べた際、明らかに劣悪と言えるだろう。
 それでも、野球をやりたい。白球に対する想いが強くなるのは必然なのかも知れない。

 だが、日本はまだ恵まれているというのも現実だ。理解のある企業がスポンサーとなってくれている。頭の先から爪の先まで用具、道具が揃っているのも日本だけであった。
 スパイク、ヘルメットはバラバラで当たり前。(色も違う)キャッチャー道具などは明らかに日本の“お下がり”といった国もあった。

 今回、世界大会に参加した国は日本、アメリカ、オーストラリア、カナダ、香港、チャイニーズ・タイペイ、韓国、インドの計8カ国。適切な分類の仕方であるかどうかは分からないが、日本、アメリカ、オーストラリア、カナダが女子野球先進国。香港、チャイニーズ・タイペイ、韓国、インドが後進国となるのでは。現時点では力量、技量の差に開きがあったのは一目瞭然であった。戦術も然りである。
 でも、後進国も侮れない。日本が予選で対戦して、結果的には大勝した韓国、香港も近い将来、力を付けて来るに違いない。(シッカリした指導者が必要という条件はあるが)それは野球をプレーするうえで一番、大事なものは既に持っているから。
 一球、一つのプレーにチーム全員が声を出す。一つのアウトを取る度にチーム全員で歓喜の声を挙げる。これは一球、一つのプレーの重さ、一つのアウトを取る難しさを知っているから。点差がどんなに開こうともそれは変わらない。

「正直、今はレベルは違うけど、我々が見習うべきこともたくさんある。アウトになると分かっていても全力疾走を怠らない。野球の原点ですよ」
 全日本代表を率いる広瀬哲朗監督も素直に後進国の良さを認めていた。

 高校野球が“一所懸命”の代名詞のように言われているが。僕に言わせれば、女子野球と比べれば甘い。

 百聞は一見に…である。機会があれば、彼女たちのプレーを生で観て欲しい。先入観や固定概念は吹き飛ばされるに違いない。
 尚、優劣ではなく、女子ソフトボールとは全く異質なものであることを付け加えておきたい。

 とにかく僕にとっては有意義な取材であった。

“つる”の涙

2004年7月25日
 片岡安祐美内野手は日本代表のチームメートから“つる”と呼ばれている。
 3年前。当時、最年少で代表入りした際に
「片岡だったら鶴太郎でしょ。はい、“つる”で決まり」
 と先輩らの権限でニックネームが決まった。

“つる”は現在、熊本商高の3年生。高校野球連盟の規定で公式戦に出られないのを承知で硬式野球部に所属している高校球児である。
「もしかしたら規定が変わるかも知れない」
「私がプレーすることで契機になれば」
「女子でも男子に負けないプレーが出来る」
 小学、中学時代も男子の中に入って、レギュラーを張った力量と強い意思。また、両親や指導者の理解、周囲のサポートなどがあったことも忘れてはいけない。ただ、やはりそれは“つる”自身が野球を続けて来たことで培って来た“人間力”がそうさせた。“つる”のプレーを1度でも観れば、それがヒシヒシと伝わって来る。

 小柄(153?)ではあるが声は大きく、よく通る。ウォーミングアップの時は景気付けの声が出て、シートノックや試合になれば的確な指示を出す。ベンチにいても同様。打席を控えてのウェーティング・サークルではビュンビュンと素振りを繰り返し、打席に入れば
「さぁ、来いっ!」
 相手投手にバットの先端を向け、気合の雄叫びを上げる。
「私の取り柄は“元気”だけですから(笑)」
 と本人は語るが、集中力があり、野球をよく知っているから。そして、何よりも野球が大好きだから、そういうプレースタイルになる。
 余談ながら愛くるしい笑顔を絶やさないのも魅力。“動”と“明”が似合う選手だ。

 その“つる”がいつになく神妙な面持ち。間違いなく“静”と“暗”の表情を見せた。

 7月20日の日本×香港(予選3試合目)。
“つる”はこの試合、9番・二塁手でスターティング・メンバーに名を連ねていた。試合前セレモニーのスタメン発表で
「9番、セカンド、片岡安祐美。セカンドベースマン、アユミ・カタオカ」
 というアナウンスの声に一塁側ダグアウトから弾けんばかりの勢いでグラウンドへ飛び出した“つる”。メンバーと笑顔でハイタッチを交わしていた。
 しかし、国歌斉唱の時である。
 帽子をベルトの高さに両手で大事そうに抱え、やや俯き加減で目を閉じながら“君が代”を聴いていたのだ。前日の国歌斉唱時はメジャーリーガー風に帽子を胸の前に掲げ、いつもの笑顔を見せてポーズを取っていただけに、ギャップを感じざるを得なかった。ただ、それは“つる”の偽らざる心境を表していたのだ―。

 前述したように“つる”は全日本のメンバーである前に熊本商高の硬式野球部員であるのだが、この世界大会に参加するにあたって、甲子園大会を目指すチームから離れなければならなかった。だから、熊本で県予選を戦うチームメートと誓い合った。
「絶対、世界大会で金メダルを獲って来いよ。俺たちも負けないで頑張っているから」
「分かった。必ず金メダルを獲って帰って来る。そして、一緒に甲子園へ行こう」

 しかし、その誓いは果たされなかった。熊本商高の硬式野球部は“つる”が金メダルを獲って帰る前に敗れてしまう。この日の朝一番の試合で文徳高にサヨナラ負け(2×3)を喫したのである。
“つる”の父親・片岡安徳から聞いた話しではあるが、宿舎でその報を受けた“つる”は部屋の中で一人、涙を流し続けたそうである。

 約2年半。苦楽を共にした仲間との高校野球生活。甲子園への夢が断たれたのは勿論、最後の場に居合わすことが出来なかった。そして、チームでは“女子だから”という特別扱いこそ受けていなかったものの。やはり、“つる”は女子なのである。第三者には到底、推し量ることが出来ない想いで高校野球生活を送って来た。その胸中はいかに?

 いざ試合が始まると。“つる”はそのような現実を感じさせない程の活躍を見せた。そして、いつにも増して、大きな声を張り上げる。試合にも大勝。“つる”は本当に強かった。

 試合が終わり、当然のように報道陣にも囲まれる。報道陣に悪気はないが、厳しい質問も飛ぶ。それでも、“つる”は気丈に振舞う。気の利いた報道陣が取材の最後に
「ゴメンね。こんな時にキツイことも聞いちゃって」
 と一言入れるが
「全然、大丈夫ですよ」
 白い歯を見せて応えていた。

 その後、日本代表の円陣(試合後のミーティング)が解け、各選手は応援に駆け付けていた家族や友人などと束の間の安息時間を過越している。試合に勝利したこともあり、あちこちに喜びの輪が出来ていた。しかし、その片隅で…帽子で顔を覆い、号泣している選手がいた。“つる”である。ミーティングも終わり、一区切り付いたことで堪えていたものが一気に溢れて来たに違いない。その姿に気付いた報道陣は一斉にカメラを向ける。

 正直、僕も迷った。手にしていたビデオカメラを回すべきかどうか。でも、結果的にビデオカメラの電源を入れることは出来なかった。僕自身を正当化する訳ではないが、この“つる”の姿だけは撮ってはイケナイ。スポーツライター(端くれではあるが)として、これは映像で記録しておくのではなく、活字で表現するべきだと判断したからだ。

**************
 翌7月21日。
 日本代表チームは準決勝(×オーストラリア)、決勝(×アメリカ)を制して、世界大会2連覇を成し遂げた。
“つる”は
「必ず金メダルを獲って帰る」
 という熊本商高チームメートとの約束を守った。そして、前日とは違う涙が“つる”の頬を伝う。
「まだ消化出来ない部分はありますけど、何かホッとしています」
 言葉では言い表せないくらいキレイな涙であった。
「これは撮ってもええやろう」
 僕はそう心の中で呟いて、ビデオカメラの電源を入れた。

**************
 閉会式も終わり、金メダルを首からぶら下げた“つる”にようやく私的な立場で祝福の声を掛けることが出来た。
「色々あったけど、良かったなぁ」
 僕は自然に右手を差し出していた。大会期間中、大声を出し続けたせいだろう。
「ありがとうございます」
 と言う“つる”の声もさすがにしゃがれている。
 その“つる”と握手を交わして感じたことは。
 これまでにも人知れず、たくさんの涙を流して来たことだろう。でも、それ以上の努力を積み重ねて来た。高校生の女の子とは思えない“つる”のマメだらけでゴツゴツした感触が物語っていた。そして、それはこれまでに経験したことのない、とても心地が良い感触でもあった。

 これからも片岡の動向に注目したい。

***************
 実は…“つる”には決勝の試合中にもハッとさせられている。
 この試合、“つる”はベンチスタートでスコアを付けていた。でも、当たり前というか、大声を出し続けている。

 アメリカの攻撃時。走者が一塁にいて、打者が二ゴロを放った。誰もがダブルプレーと思ったが…打球が少しイレギュラーしたこともあり、二塁を守っていた和田有加内野手が後逸。日本代表のベンチも思わずシーンとしてしまう。
 その瞬間、1万人以上の観客が詰め掛けた桃山球場に“つる”の声だけが響き渡った。
「セカンドベース空けちゃダメーッ!ベース空けちゃダメーっ!和田さん、エラーした後ぉーっ!」

 この子はホンマに凄いと思った。生まれて初めて、ベンチの声を聴いて背筋がゾクゾクしたもんなぁ。

 今後、大学に進学しても野球を続けたいと語る“つる”。
 男子の中に入っても、充分に通用するモノ(力量、技量、心)を持っていると僕は信じている。
 あとは“受皿”だけだ。

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