プレーオフ案

2003年5月21日
 04年のシーズンより、パ・リーグのプレーオフ制導入が正式に決定した。
 シーズンの最後まで、白熱した優勝争いでファンサービスを、観客増員というのが狙い。
 以前、基本的に楽しみだ。と、書いたが…やっぱり、両手を挙げてという訳には行かない。

 そもそも、73〜82年の間に行なっていた前後期制は―。
 本来ならば、盛り上がるであろう夏場に後期の開幕。というような背景下で、主目的の観客増員に繋がらなかった。そして、プレーオフで勝てる保証はないけれども…前期優勝チームがプレーオフを睨み、後期は手の内を隠す、力を抜くというような風潮もあった。
(76、78年に阪急が前後期優勝を果たしたのみ)

 今回の新プレーオフ案は、
?ペナントレースを140試合→135試合にして、1位、2位、3位チームがプレーオフへの出場権を得る
?まずは2位、3位チームが3試合制(2戦先勝)のプレーオフ
?次に、2位、3位チームの勝者が1位チームと、5試合制(3戦先勝)のプレーオフ
?そして、その勝者がセ・リーグ覇者チームと、日本一を争う日本シリーズに
 というようなスタイルになる。

 これはメジャーリーグのスタイルに倣った訳であるが…チーム数も少ないし、ディビジョン(地区)分けもしていない日本プロ野球界に簡単に当てはめて良いものか?(『物憂げ野球日記』のシローさんも書いていたかな!?)

 また、ペナントレース1位チームの価値が希薄にもなる恐れもある。ましてや、
「3位でもチャンスあるやんか」
 と、前後期制時と似たような戦いだけは観たくない。

 あと、上位チームにアドバンテージがあるような本拠地球場の使用割り振りがなされるようだが、どこまでアドバンテージなのか分からないし(メジャーリーグのようなホーム&アウェイの意識ではないだろうし)、上位チームの試合間隔が空くことで、調整の難しさという問題も生じる。

 ということで、ハンディをもっと付けるべき。例えば、2戦先勝、3戦先勝であっても、下位チームは負けた時点で“ジ・エンド”になるみたいな。それくらいはやって欲しい。

 まぁ、グチャグチャと、論ずるよりも。まずはパ・リーグの意気込み。現状を打破しようとする姿を感じることにしよう。


>U君
Happy Birthday!なのです。
最近、連絡ないけどさぁ…。
まぁ、オメデトさん。
お互い、輝かしい30代にしましょう。
僕も20代、残り僅かやわ。

>ベースボールマガジン社・小林君(これまた同級生)
色々と、情報提供ありがとうなのです。
《夢追人》楽しみにしています♪

今度は(訂正済)

2003年5月22日
 細かく書き始めたら長くなることは必至。であるから…サクッと!???

 阪神甲子園球場にタイガース×カープを観に行く。仕事というよりは応援だ。それは、カープの先発が広池浩司投手だったからである。

 この日記でも再三のように書いているが、広池は僕の高校時代のチームメート。関西在住の立教仲間・窪田哲也、中村健太郎(奥さんのヒロミちゃん同伴)も駆け付け、三塁側オレンジシートで広池の一挙手一投足に湧く。

 1回表、カープは新井貴浩内野手の適時打で先制。一軍での先発経験が少ない広池には大きな1点であった。
 1回裏、不安視された立ち上がりであったが、広池は上々の立ち上がり。でも、変化球が多く、かわしているような感じ。そして、2回裏、桧山進次郎外野手に中前打を食らった後…片岡篤史内野手に甘〜く入ったストレートを右翼スタンドに運ばれる(ツーラン本塁打)痛恨の一球。
 その後、広池はストレート主体の配球に切り替え、好調のタイガース打線を抑える。
「そうそう、ストレートありきやで」
 僕、窪田、健太郎は大ハシャギ。ただ、オレンジシートと言えども、周囲は黄色、白色、黒色のメガホンばかり。って、満員の甲子園…カープファンは三塁アルプスに少しと、左翼外野席にごく一部(左翼フェンス看板のダイハツ、マスプロ、デサント近辺の“スクワット隊”)だけ。でも、そんなことは関係なかった。

 6回裏、広池は自滅。3巡目のタイガース打線を警戒しすぎたのか、四球を連発する。どうにか二死満塁までこぎ付けたものの、ジョージ・アリアス内野手に押し出し四球を与えてしまう…。そこで、北別府学投手コーチがマウンドへ(この回、2度目)行き、山本浩二監督が投手交代を告げたので広池は無念の降板。歓声とメガホンが鳴り響く中、僕らは
「あ〜〜〜〜っ」
 と、大きく溜息を。

 結局、試合は1×7でタイガースが快勝。残念ながら、広池は敗戦投手になった。だけど、家路に着く僕らの興奮は冷めない。
「スゴイよな、甲子園で野球やっていたんだぜ」
「しかも先発投手やもんな」
「タイガースファンばかりの中、マウンドに立つのって、どんな気分なんやろう?」
「あんまり気分は良くないだろうけれども、プロ野球選手になったからこそ経験出来る特権やな。羨ましすぎるわ」
 そして、最後に。職場からすっ飛んで来た、スーツ姿の窪田が一言。
「俺、今日、観に来て本当に良かったよ。なんか広池を尊敬出来たし、勇気を貰った気がする」
 それに対して、僕と健太郎は何も応えず。だが、窪田の発言を無視した訳ではない。窪田と同じように広池を誇りに思い、非常に元気付けられた。全く同感だったからに違いない。

 勝負の世界、勝つに越したことはない。しかし、僕が常々、述べているように。それだけが全てではない。敗者・広池を観て、得るものだってある。やっぱり、野球って、素晴らしい。素晴らしすぎる。

 だけど、今度は勝てよなぁ。ファーム(二軍)時と同様、もっと腕を振ってさぁ。期待しているぞ、広池!!


>健太郎
沖縄土産、Thank you so much!
可愛い嫁さん、大事にしろよ。
明日の早番、頑張れよ。
関空の平和を守ってくれよ。
JAL、安くしてくれよ!??って、あんまり飛行機に乗る機会ないけど(苦笑)。
また、近々、会いましょう。

>窪田
近所に住んでいるのに久々やったね。
新しい仕事、慣れたかな?
甲子園口か西宮北口で一杯やろうなぁ。

※今週の『週刊ベースボール』(ベースボールマガジン社)に近畿大・糸井嘉男投手の記事を寄稿したのだけれども、プロフィールに誤りが…。
×右投右打
○右投左打

実は、幾つかのスポーツ紙が“右投右打”と、書いているんですよね…。
だから、メールでちゃんと“右投左打”って、しておいたのにぃ…。
紛れもなく、糸井は左打。何度も目前で観ているんやから、間違いない。(両打でもない)
糸井君をはじめ、榎本保監督、島和也マネージャー。及び関係者の方々。申し訳ありませんでした。心よりお詫び申し上げます

こんな日は雑感

2003年5月23日
 昨日、鳴尾浜にタイガース(ファーム)とシダックス(社会人野球)の交流戦(結果は5×0でシダックスの勝利)を観に行く予定も、やんごとなき事情!?で断念。野間口貴彦投手(シダックス)の好投を観たかったなぁ…(悔)。

 まぁ、そんなこんな(どんなや?)で、珍しく野球とは縁のない日を過越す。ただ、“野球絡み”のメールや電話は多かった。

 実は、今日が20代最後の日。僕的にはこの10年くらい、何も変わっていないような気がするんやけれども…大学に5年通うハメになったのを筆頭に、サラリーマンを経験したり、プー時代もあった。たくさんの人間と出会い、様々な出来事にも直面。楽しかったけれども、それなりに苦しかった期間なのかも知れない。まぁ、親や周囲の良き仲間にも助けられて、ここまで来れたという気持ちでいっぱい。また、理解のある彼女にも支えられたものである。感謝。
 今後、どうなるかは分からないが、少しでもみんなに恩返しが出来るように。気負いはないが、そうありたいものだ。


 シューカツ(=就職活動)。大学生と接する機会が多い中、現在の厳しい状況は僕なりに把握しているつもり。僕の時も“就職氷河期”(なんせ団塊の世代Jr.、第2次ベビーブームのピーク)と、呼ばれていたものだけれども…現在は“受皿”そのものが明らかに小さい。
 それでも、心の根がシッカリしている人間は決まるもんなんやねぇ。昨夜、この日記にもよく登場する大学生から内定(2つ目)の報告電話が入る。これから、進路をジックリ考えるとのこと。
 彼にとっては一つの“人生の分岐点”。正解はないが、後々、
「良かったなぁ」
 と、思えるベターな選択になることを願う。
 余談ながら…僕は現在、こんなチマチマとした駄文を連ねることを生業としているけれども(苦笑)。サラリーマン生活も多いに意味があり、非常に役立っている。大学卒業後に、即この世界に飛び込む器はなかったはずだ。だから、良い選択をしたと思う(思うようにしている!?)。

 時代は流れ、僕のシューカツ時とは異なるのだろうという大前提で。
 面接やディスカッションが苦手という人間は多い。居合わせている面接官に全てを見透かされているような錯覚に陥るようだ。が、ほとんどの場合、それはまさに錯覚。大体、僕なんかは
「会社組織で、人事を任されている人間は“出来るヤツ”か“出来ないヤツ”の両極端や。まぁ、“出来ないヤツ”の方が多いわ。“出来るヤツ”は僕の良さが分かるやろうし、“出来ないヤツ”が人事をしているような会社はこっちからゴメンやね」
 と、とても自分勝手かつ根拠のない信念を抱いていたものだ。それくらいの割り切りがなければ、シューカツはやってられへんし、通らへん。とか偉そうなことを書いたが、僕も第1志望の業界には入れんかったけれどもね(苦笑)。でも、第1志望が必ずしも自分自身に合っているとも限らない。落ち着くところが天職。流されるところは流されるべし。そんなものやね。
 シューカツに励むみんな、肩に力を入れ過ぎずに頑張って下さい。

 これって、『野球日記』やんなぁ…!???
(シューカツしている人間も多数読んでいるということで御容赦)
 30歳になった。かと言って、特別なことをして迎えた訳ではないし(飲みにも行かず、家でこの日記を書いていました…)、野球の観方が今日を境にコロッと、変わるとも思えない。まぁ、単に節目ということに過ぎない。
 ただ、徐々に年上のプロ野球選手は減って行くだろうし、同世代の社会人野球チームの監督も増えるだろう。また、まだ辛うじて“弟感覚”の大学生とのジェネレーションギャップを感じるようにもなるかも知れないし、もう何年かすれば高校野球の選手はみんな“平成生まれ”に。確実に、僕は年齢を重ねている。それが現実だ。

 でも、基本的な野球とのスタンスは変わらないのと違うかな!?
 野球への想いは子供の頃と変わらない。いや、子供の頃以上。まぁ、経験を積んだことが良い方向にも、悪い方向にも向かうということだけは留意する程度。

 これから、40歳になっても、50歳になっても。いつまでも純粋なBaseball Kidでありたいものだ。ということで、浜田省吾の“Baseball Kid’s Rock”を聴こうと、アルバム《誰がために鐘は鳴る》を物色するも…発見することは出来ず(T_T) おかしいなぁ、昨年は聴いたのに。
「購入すべきか?レンタルすべきか?」
 と、低次元な悩みを抱えている次第。30歳になったけれども“お子ちゃま”ですな、やれやれ…(苦笑)。


 ホークス身売り騒動のニュース(『ニュースステーション』テレビ朝日系)で、居酒屋『あぶさん』の店長・石井和夫さん登場!相変わらず、浅黒く日焼けした精悍な顔付き。きっと草野球と野球観戦に励んでいるんやろう。東京行きの際には、是非、立ち寄りたい。
 それにしても、ホンマにホークスは大丈夫なんかな???

近日中に更新致します。

お誕生日メールを下さった皆様、誠にありがとうございます。感謝です。

祝20勝

2003年5月26日
 関西圏の大学野球春季リーグ戦も佳境を迎えている。
 既に、阪神大学リーグ:大阪体育大、近畿学生リーグ:奈良産業大の優勝が決定。京滋大学リーグは佛教大。
 関西六大学リーグは京都産業大と神戸学院大の直接対決で、勝点を取った方。関西学生リーグも全日程を追えた近畿大と、同志社大と対戦中の立命館大で覇権を争う。

 昨日、同志社大の度重なるミスで優位に試合を進めていた立命館大。ところが、9回表の攻撃で、同志社大が粘りを見せる。2点を返し、3×3の同点。延長戦に持ち込む。そして、延長11回表に、同志社大主将・永山貴大内野手がエラーの借り(2回裏)をバットで返す。永山の放った打球はしぶとく三遊間を抜け、中堅越えの二塁打を放っていた渡辺亮投手が生還。これが決勝点となり、立命館大の単独優勝の可能性は消滅した。

 同志社大の先発は今シーズン、本調子でなかった渡辺。しかも、この立命館大戦を控えて、左膝に水が溜まるアクシデントにも見舞われた。が、幸いにも日程の都合上、2週間のインターバルが渡辺に味方。何とかコンディションを整えて、立命館大戦に望むことが出来た。事実、昨日の渡辺は投球フォームが修正され、球に力もあった。
「反省するところはありますけど、(今シーズンを振り返って)自分的には今日が一番良かったかなと思います。バランスも良かったし、終盤になっても球威が落ちなかった」
 と、試合後に渡辺自身も手応えを感じていたよう。
 審判との相性や味方の失策も絡み、失点3も自責点は0であったこともそうであるが、それ以上に滑らかな口調が印象的。渡辺は復調のキッカケを掴んだのではないだろうか。
「今日は渡辺に投げ切って貰おうと。リーグ戦も終わりますし、渡辺も納得していない部分があったでしょう。珍しいことに試合前日にも『調子は良いです』と、言っていましたからね」
 同志社大の吉川博敏監督もそのようなコメントを残して、エースの奮闘に目を細めていた。

「まぁ、チームが勝てたことも勿論なんですけど、個人的にも通算20勝目だったんで。ホンマに嬉しいですね」
 同リーグの近畿大・糸井嘉男投手が熱視線を集める中、下級生時代からコツコツと、決して強力とは言い難い同志社大打線をバックに。勝星を積み重ねて来た渡辺は素直に喜ぶ。

 復調の兆しと、節目の勝利。この試合のウィニングボールは、渡辺の意地が詰まっていることだろう。苦しんだシーズンだからこそ。


 余談ではあるが。
「マサヒコ(田中雅彦捕手、近畿大主将)から何度も電話があるんですよ。『絶対、勝てよ』って(笑)」
 と、渡辺。
 携帯電話が当たり前になった現在。他校であっても選手同志は頻繁に連絡を取り合っているらしい。ライバル意識さえ薄れなければ、非常に羨ましいことのように思える。

疲れピークっす…

2003年5月27日
 昨日はなんか異常に疲れた。そして、現在も。という訳で“史上最強”の手抜き日記を…。

 関西六大学リーグ、京都産業大が2連覇。全日本大学選手権(神宮球場)での健闘を祈る。昨年までの主務・柿内康平をはじめ、勝村法彦監督、酒井康輔主務などにお世話になっているだけに嬉しく思う。
 首位打者(.415)とベストナイン(二塁手)を獲得した金子和豊内野手(大阪商業大)は、開幕直後から某球団の某スカウトや岡本朋祐(ベースボールマガジン社)などに僕が大プッシュしていた選手。なかなか“観る目”があるでしょ。って、誰でも分かるかなぁ!???

 関西学生リーグ、“同立戦”(同志社大×立命館大、西京極球場)は5回表途中で雨天ノーゲーム。左前安打で出塁した立命館大主将・具志賢三内野手のアピールプレー(リード時に派手に足場の泥を飛ばす)が効いた。そこで審判が試合を止めることに。具志本人は
「OP戦時にも似たような状況で牽制アウトになったので、足場を整える為。そのような目的はなかったです」
 と、否定していたけれどもね。

ネタが多すぎて…

2003年5月28日
 本日の日記はネタが多すぎて…。でも、困った時のストックにしておきたいので、小出しにします!?って、日記を6ヶ月も続けて来て、分かったのは『毎日、全力投球は難しい』ということ。今日は“かわす投球”のような日記を。(昨日も“かわす投球”やったな…)

 昨日で、関西学生の春季リーグ戦も終了。最終節の“同立戦”(同志社大×立命館大、西京極球場)は同志社大の2連勝で、近畿大の単独優勝(4季連続、36回目)が決まる。開幕7連勝の好スタートを切った立命館大も“ストップ近畿大”を果たせず。
「精神的に強い選手が多いチームなんですけど、精神だけでは勝つことは出来ない。結局は力が足りなかったということ。鍛え直します」
 と、立命館大・松岡憲次監督の弁。

 そうそう、松岡監督のプリンスホテル時代の同期である石毛宏典(前ブルーウェーブ監督)も観戦に来ていた。
「お前、何やってんだぁ?」
 試合前、石毛の甲高い声で問われる僕。どうも金村義明(野球評論家)のマネジャーをしていた。もしくは水島新司(漫画家)率いる草野球チーム・BOTTSでの印象しかないよう。ブルーウェーブの試合も結構、観に行っては挨拶していたのにぃ(苦笑)。
「そっかぁ、仕事かぁ。頑張れよ!」
 意外に明るい石毛に、なぜか一安心。

 記者席にて、関西大・高岡淳監督より
「島尻さん、誕生日おめでとう」
 唐突に声を掛けられる。高岡監督もこの日記を読んでくれているようだ。また、試合中、采配に関する質問にも丁寧に応えて貰ったり、連盟の総務担当理事・佐藤尚巧(関西大学OB、高岡監督と同期、現大阪ガス勤務)を紹介してくれたり。重ねて感謝。


 その他の監督や選手のコメント。及び試合の雑感は冒頭で述べたように…いつかの機会に。
 えーっ、5月25日の日記で更新したかったのだけれども…。だいぶ日が経過してしまったので、読者の目に触れる機会を逃す可能性が高くなりそうな気が。よって、ここで更新したいと思う。まぁ、要するに25日の日記はサボリということで(苦笑)。

 三谷幸喜が脚本、演出を手掛けたミュージカル『オケピ!』の再演を観る機会に恵まれた。

 華やかなミュージカル舞台を影で支えるオーケストラピット(The Orchestra Pit、通称=オケピ)で起こる日常の出来事を、三谷特有の他愛もなく、良い意味でのバカバカしさと必要以上にクドイやり取りで描写。正直、
「ここまで話しを引っ張って、どう結ぶんやろう?オチはどないすんのや?」
 観劇中に何度も思ってしまったくらい。でも、最後はビシッと、ストーリーがまとまり、人生についても考えさせられる。非常に面白かった。ただ、ひたすら長かったな…。第1幕110分、第2幕80分やもん。長時間、座りっ放しでケツが痛くなったよ(苦笑)。

 この『オケピ!』で、僕の心を奪ったのはハーピスト役の天海祐希。
 長身で手足が長いというルックスに加えて、演技、歌唱の基礎が出来ている。テレビの画面を通してよりも、魅力に溢れた“舞台映え”する女優。さすが宝塚歌劇でトップを張っていただけのことはあると、納得した次第である。
 この天海を野球のチーム構成に当てはめるならば、さしずめ大黒柱の四番打者かエースといったところ。それ程の圧倒的な存在感を感じた。まぁ、この後の都合もあるので、エースということにさせて貰おう。

 他の出演者も個性的で、味わい深い演技を。これも天海同様に野球のチーム構成に当てはめて行くと―。

 コンダクター・白井晃/ちょっと頼りないけれども、時には男気を見せるキャプテン

 ヴァイオリン・戸田恵子/少々そそっかしいが、経験豊富なベテラン選手 副キャプテンも兼ねる

 ギター・川平慈英/信じられないくらい前向きなムードメーカー

 ピアノ・小日向文世/のほほ〜んとしたムードメーカー(川平とタイプは違う)

 トランペット・寺脇康文/発展途上の四番打者(タイガースの濱中おさむ外野手のような)

 ヴィオラ・小林隆/影は薄いが、チームには必要不可欠なバイプレーヤー

 サックス・相島一之/波は激しいが、爆発力のある恐い選手

 ドラム・温水洋一/見た目も行動も不気味!?で、視野も広くない でもレギュラー選手

 パーカッション・小橋賢児/右も左も分からないルーキー(劇中では助っ人だったが…)

 チェロ・瀬戸カトリーヌ/小言、不平不満が多い中堅選手

 ファゴット・岡田誠/普段はあまり働かない!?が、勝負強い代打の切り札

 オーボエ・布施明/マイペース 悟りの境地 我関せずのベテラン選手

 脚本、演出・三谷幸喜/ちょっと掴みどころはないが名将監督

 音楽・服部隆之/実績があり、理論派の名参謀(=ヘッドコーチ)

 というような感じになると思う。(あくまでも僕の感性だけど)

 天海がエースとしての存在感を示すことが出来るのは、タイプが全く異なる名脇役達に支えられているからであろう。エースの力で見せ場も作るが、エースだけの力ではない。時には、名脇役達の働きがエースを助けて、盛り上げることもあるのだ。
 野球のチーム構成も、これと重なるところがある。エースで勝つ試合もあれば、伏兵が大きな仕事をする時もある。選手個々が各々の役割を果たしてこそ、強いチームに成長して行くはずなのである。そして、本来のオケピや舞台運営に携わるような裏方。野球で言えば、マネージャー、スコアラー、トレーナー、バッティングピッチャー、審判、大会の運営機構なども欠かせない人材だ。
 つまりはチーム全体、野球界全体が一つに結束してこそ、楽しく野球がプレー出来、観る側も楽しめる。
 なんてことを『オケピ!』の帰り道に考えていた。これを相関関係と言ってしまって良いのかどうかは疑問であるが…。
※今日の日記は長いので、携帯電話で御覧の方は途中で中断される可能性があります。御了承下さい。

 山際淳司の著書に、スクイズバントをあまり好まない高校野球の監督がそのサインを出す、出さないで苦悩するストーリー・『スクイズ、フォーエバー』というものがある。僕的にはとても好きな作品だ。

 得点する為の作戦であるスクイズバント。ある場面で、喉から手が出る程に1点が欲しい。 その時、采配を振るう監督の心は大きく揺れ動く。
「打者がキッチリと、転がしてくれさえすれば…」
 かなりの高確率で得点出来るはず。いや、きっと成功するに違いない。野球の監督という人種はそのような“魔法”に掛かってしまうもの。だが、最悪のケースも幾つか頭をよぎる。
 打者が空振りして、三塁走者は三本間で挟殺死…絶好の得点機を潰す。
 スクイズバントが小フライとなってしまい、まず打者がアウト。で、好ダッシュを切っていた三塁走者は慌てて三塁に戻るも、三塁キャンバスへベースカバーに入った野手に球が転送されて…併殺打。
 などなど。
 しかし、状況判断、経験に裏打ちされた勝負勘、様々な思案の中で葛藤。限られた僅か数秒の時間で、いざスクイズバントを決断する。そして、明と暗はサインを出してから数秒後に。言い換えれば、“魔法”は結果論で“良い魔法”と“悪い魔法”に形を変える。

 関西学生リーグ最終節“同立戦”(同志社大×立命館大、西京極球場)の戦いも、スクイズバントが大きな決め手となった。

《5月25日・第1戦》
 9回表
 同志社大は2点のビハインド。1×3で立命館大にリードされていた。しかも、失った3失点は全て失策絡みという後味の悪さ。この9回表の攻撃で、せめて同点に追い付かなければ敗戦に。残念なことに優勝争いからは脱落したが、立命館大から勝点を挙げることで、同志社大は5位から4位に浮上。
「5位も4位も、優勝を逃したら同じ。無意味やん」
 そう言ってしまえば、それまでだが…1つでも順位を上げたいのが本音だ。必然的にプレッシャーは押し寄せる。
 かたや立命館大は勝利まで、あと3つのアウトを取るだけ。さらに、近畿大との熾烈な優勝争いの中、大きな1勝になる。同志社大に2連勝すれば、プレーオフ(2勝1敗でプレーオフ、1勝2敗、0勝2敗ならば近畿大が単独優勝)を回避して単独優勝が決まるからである。

 詳細は紙数の関係で省くが…このような状況下、同志社大は7番打者・桑原宏弥捕手のスクイズバントで同点に追い付いた。それで、9回裏の立命館大の攻撃を封じて延長戦に持ち込み、逆転勝ち(延長12回を戦い4×3)を収めたのだ。

 激戦の後、同志社大・吉川博敏監督は
「桑原が良い状態(打撃が)で、球がよく見えていた。だから、きっと成功すると信じて」
 と、スクイズバントを決断した理由を語る。決して、“良い魔法”に掛かったとは応えなかった(応える訳がない)。

《5月27日・第2戦》※前日は5回表途中雨天ノーゲーム
 4回表
 3回裏、立命館大は同志社大に先制を許すが、四球、野選、犠打で一死走者二、三塁のチャンス。打席では、リーグ屈指の強打者・嶋岡孝太内野手が丹念に足場を均す。
「最悪でも外野フライで、まずは同点ちゃうかな?」
 僕は記者席で、誰に言う訳ではなかったがボソボソ呟く。しかし、次の瞬間、我が目を疑った。なんと、嶋岡はスクイズバントをしたのである!!!
 結果は染田賢作投手への小飛球。ただ、このスクイズバント失敗で、立命館大は1点を奪い、同点に追い付いている。それは、慌てて帰塁する走者・具志賢三内野手につられてしまったのか?ベースカバーに入る野手とのタイミングが合わなかったのか?染田は三塁キャンバス上を大きく外れる悪送球…球が左翼のファールグラウンドを転々とする間に、具志は三塁キャンバスを踏み直してから本塁へ生還したからだ。

 同点にはなったけれども、このスクイズバントは失敗であった。そして、何よりも。失敗した打者はスクイズバントとは無縁と思われる主砲の嶋岡なのである。
 確かに、もう敗戦が許されない立命館大としては、是が非でも同点に追い付かなければならない場面。嶋岡にスクイズバントさせてでも欲しい1点。という気持ちが強かったのだろう。試合後に立命館大松岡憲次監督は
「嶋岡の力を考えたら、迷ったんですけどね。でも、本調子(嶋岡の打撃が)ではなかったから。どうしても1点を取りに行かなければならない場面だった」
 取り囲む取材陣を前にして説明。不思議なことに、吉川監督とは好対照の決断理由と言っても良い。でも、これは結果論なのだ。監督の決断理由がどうであれ、成功すれば万々歳。失敗すればただの作戦ミスとなる。

 得点を挙げた展開は予想外であったが、待望の1点を奪った立命館大。しかし、僕的には松岡監督の思惑とは反対の悪い方向へ向かったように思える。
 まず、不動の四番打者にスクイズバントさせてまでという松岡監督の勝負に対する貪欲な姿勢に、立命館大の大半の選手が
「監督も焦っているんかな?」
 というような顔色へ変わったように映ったから。
 次に、嶋岡の挙動が不審になったのも見逃せない。
 スクイズバント後、嶋岡には打席が2回(2回とも二塁ゴロ)巡って来たが、ウェーティングサークルでも上の空。スイングの数がいつもより少なく、バットを右肩に担ぎ、宙を見つめている時間が多かった。
 また、打席が回って来ない攻撃中。投手でもないし、守備固めに備える野手でもない嶋岡がダグアウトの前でキャッチボールやゴロ捕球を繰り返す。初めて観る光景であった。気を紛らわそうとしていたのか?ダグアウト内に居場所がなかったのか?本人に確認していないが、恐らくはそのような理由に違いない。

 このような経緯があって…これまた結果論になってしまうかも知れないが、このスクイズバントが勝負の重要な分岐点になったような気がしてならない。『スポーツうるぐす』(日本テレビ系)の野球評論家・江川卓もそう言うだろう。《江川な人》で、もっともらしく。

 立命館大はこの試合にも敗れたうえに、リーグ優勝をも逃した。開幕7連勝の好スタートも、最後は4連敗という屈辱でリーグ戦の戦日程を終えたことになる。
「今年のチームは精神的に強い子が多いんです。それが裏目に出たのと、あとは精神だけでもどうにもならんということ。根本的な力が足りなかったんですよ、選手も僕も。鍛え直して、秋は頑張ります」
 松岡監督が唇を噛み締めたところで、囲み取材の輪は解かれた。もうスクイズバントについて言及する取材陣もいない。こちらから問わない限りは、松岡監督も今回のスクイズバントのことを語ることもないだろう。だが、敢えて僕は機会があったら、こう尋ねてみたい。
「あの時のスクイズバントは“悪い魔法”に掛かってしまったんですか?」
 松岡監督はどのような顔をして、どのように応えてくれるか楽しみだ。

 はじめに―。
 野球日記の主旨から、若干のズレが生じることを御容赦下さい。
 まぁ、そのようなことは往々にして多いので…改めて告知することでもないか???


 サボっているつもりはサラサラない。でも、最近、仕事らしい仕事をしていないような気がする…。となると、フリーランスという立場なので必然的に収入は目減りする。連載が週1本あるのは幸いであるが。

 これまで書き溜めたモノをまとめるという話しは、一度、白紙に近い状態へ。まぁ、どうにかするし、どうにかしなくてはならない。まさに正念場。これから、誤算を“嬉しい誤算”に変えなくては。(そもそもの誤算はある出版社の原稿料…)

 関西在住というのはハンディキャップなのだろうか?いや、そんなことはないし、そのようには思ってしまうのは言い訳。
 電話でも、
 メールでも、
 FAXでも、
 営業努力は可能だ。ただ、時には顔を合わせなくてはイケナイよな、やっぱり。
 まだ、未定ではあるが、6月10日過ぎに東京へ行こう。明治神宮球場で大学選手権もあることやし。そこで、シッカリと、営業活動もしなくては。
 心当たりのある出版社の担当者は覚悟しておいて下さいな(笑)。

 とにかく、悠長に構えている場合じゃない。危機感、タップリや…(・・;)


 得意分野は野球。って言うか、これまでの仕事の95%以上が野球…。
 でも、相当に鍛えられて来たと、自負している次第。(まだまだ未熟ですが…)
 野球という枠にとどまらず、“人間”を描きたいという想いは強い。
 何かあるようでしたら、御一報下さい。
 宜しくお願い致します。

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